「台数を追うことをやめた」 ――新型コロナ禍でデジタルカメラ市場は大きく落ち込みました。 4月(のニコンの販売)は、レンズ交換式カメラの販売台数が前年同月比8割も減少しており、第1四半期(2020年4~6月)は本当に大変だった。ただ、中国を皮切りに世界市場は想定を超えるスピードで復調している。(市場全体の回復は)第2四半期(同7~9月)は想定を上回り、その基調は第3四半期(10~12月)以降も続くと考えている。 ――フルサイズミラーレスカメラの強化策が遅れるなど、ニコン自身の戦略の失敗があったのではないですか。 (一眼レフとミラーレスの)食い合いを恐れたというより、市場を冷静に、客観的に見ることができなかった。 ミラーレス参入の際に一番懸念していたのは、(液晶モニターに映し出した像をファインダー越しに見ることのできる)電子ビューファインダー(EVF)の性能をどこまで上げることができ、さらに