木造復元が計画される名古屋城のバリアフリー化を巡る議論が大詰めを迎えている。名古屋市の河村たかし市長は12日の検討会議で市の方針を示したい意向だ。「史実に忠実な復元」を目指す河村市長が、最上階まで上がれるエレベーター設置を求める障害者団体らと、どこまで歩み寄れるかが注目される。【川瀬慎一朗】 市は、新たな天守閣に、車いす利用者と介助者1人が乗れる小型昇降機を導入するとしている。「地上から天守1階まで」を最低限とし、上層階への設置について検討中だ。 5日に開かれた有識者によるバリアフリー検討会議では、建築士の男性が「かつての天守は為政者のための施設だが、今回は市民のため。市民が分け隔てなく見学できる事が前提」と訴えた。一方、「皆が平等に昇れない場合、『代わりにこう楽しめます』と代替措置を盛り込むべき」などの提案も出た。
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