「タグラインに沿うか、沿わないか、という選択はありましたよね」と、サノさんが話し始めた。 昨年9月、西本願寺ブランドマーク(ロゴ)デザインの仕事が本格的に動き出した。私が西本願寺のブランドを言葉で規定するタグラインを提案し、前回のコラムで書いたように2回のプレゼンで決まった後のことだった。今回のコラムでは、ブランドマークのデザインを手がけたサノワタルさんにインタビューして、800年で初のマークがどのようにデザインされていったかを振り返りたい。 左から:私、西本願寺執行長の安永雄玄さん、西本願寺統括デザイナーのサノワタルさん 色からデザイン「境内に行って何百枚も写真を撮った」 —ブランドマークの仕事がきた時に、どんなことを感じていましたか? まず、タグラインに沿うか、沿わないか、という選択はありましたよね。今までやってきた仕事の中で、タグラインが先にある状況もありましたが、ないこともありまし