イタリアやドイツ、フランス、フィンランドなど欧州の多くの国々で、過激な極右を含む右派政党が支持を広げている。「難民・移民の排斥」に加えて「反既得権益」「反既成政党」といった主張を掲げることが多いこれらの政党は、ポピュリズム(大衆迎合主義)的な色彩が強い。伝統的な保守・中道右派政党の退潮が目立つ中、欧州はこのまま「右傾化」の度合いを強めていくのだろうか。 「ムソリーニは優れた政治家だったと思います。彼が行ったことは全てイタリアのためでした」 2022年10月からイタリア初の女性首相を務めるジョルジャ・メローニ氏は1996年、フランスのテレビ局とのインタビューでこのように述べ、かつてイタリアを第二次世界大戦に引きずり込んだ独裁者、ベニト・ムソリーニ(45年4月に処刑)を礼賛したとして物議をかもした。 イタリアの民族主義者にして極右の大衆迎合主義者と評されるメローニ氏は、15歳のときにムソリーニ