指示役「ルフィ」による広域強盗事件が世間の高い注目を集める理由には、フィリピンのマニラの収容所にいながらにして事件を起こした意外性にあるかもしれない。やりたい放題の収容所の実態が明らかになりつつあるが、それはカンボジアでも同様のようだ。もっとも、唯一の日本人収容者がおくる生活は「ルフィ」とは全く異なるようだが……。旅行作家の下川裕治氏が取材した。 *** 【写真】収容者が撮影した「やりたい放題」の実態 カンボジアのプノンペンにある収容所でも、賄賂が横行する実態が、昨年まで1カ月ほど収容されていた人たちの証言でわかってきた。そして海外の収容所のささくれだった空気も……。 その収容所、リモーバルセンターはプノンペン国際空港のすぐ近くにある。1階と2階に分かれ、行き来はできない。部屋数は20弱。そこに常時100人を超える男女が収容されている。大多数は中国人で、多くが不法滞在、つまりビザが切れた後