6月、朝鮮人民軍の政治警察である保衛局(保衛司令部から改称)の幹部が北朝鮮の独裁者、金正恩委員長の秘密資金3000万ドル(約48億円)を持ち逃げする事件が発生し、大騒ぎが起きている。 軍の外貨管理者が3000万ドル 今年春頃、北朝鮮は自国で生産する兵器の質を向上させるため、コンピューター制御で動かすCNC旋盤などの精密機械を中国から密輸することを計画した。そのために1億ドルをひそかに北京へ持ち込み、秘密口座で管理していた。ロシアから受け取った砲弾代金などで捻出したなけなしの外貨だった。金委員長がその管理を任せたのが、人民軍保衛局外貨稼ぎ総責任者の朴ウォンイル少将だった。1972年生まれで、故金日成主席の家系につながる人物だといい、金委員長が信頼する権力中枢に位置する幹部だった。 ところが朴少将が6月11日、3000万ドルを持ち逃げして姿を消した。すでに中国を出国し、第三国に逃げた。これより