ロシアによるウクライナ侵攻が続き、国際社会の混乱は収束の兆しが見えない。その中で、国民の安全をどう守るか。日本の安全保障戦略は岐路に立たされている。 岸田文雄首相は昨年末、安全保障関連3文書を改定し、防衛政策の大転換に踏み込んだ。 国内総生産(GDP)比1%という防衛費の目安を廃し、関連予算を2027年度に2%まで倍増させる。今後5年間の防衛費総額は43兆円に増やすという。 隣の中国が、東アジアにおける軍事力で米国に肉薄している。北朝鮮はかつてない頻度で弾道ミサイルを発射し、ロシアも日本周辺で軍事活動を活発化させた。 日本を取り巻く安保環境が激変しているのは確かだ。ただし、これだけの防衛力増強が妥当なのかは疑わしい。 「抑止力」偏重の危うさ GDP比2%は元々、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防費目標である。だが、陸続きの欧州諸国と海洋国家の日本では、求められる防衛力を単純に比べるこ
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