有権者が身近な問題として関心を寄せるのが年金や医療、介護などの社会保障政策である。このうち年金は、間もなく5年に1度の制度改正に向けた議論が始まる。 超高齢社会が本格化する中で、老後の暮らしを支える年金制度をどう維持するか。参院選での与野党論戦は、こうした不安に政治が解決策を示す絶好の機会だ。各党はそのための道筋を明確に示さなくてはならない。 ところが実際には、与野党とも聞こえのいい政策の羅列にしかみえないのはどうしたことか。 今年度の年金額が0・4%引き下げられたことをめぐる与野党の応酬は象徴的だ。立憲民主党の泉健太代表は日本記者クラブの党首討論会でこの問題に触れ、追加給付の必要性を説いた。これに対して岸田文雄首相は、減額分以上の給付を昨年、低所得者向けに行ったと反論した。 いかにも近視眼的な話だ。この減額は、ルールに基づき現役世代の賃金水準低下に応じて決められた。対症療法的にその補(ほ
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