街で男女が手をつなぐと逮捕される―。「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれる独裁国家トルクメニスタン(トルクメン)でこのようなニュースが報じられた。経済面で関係が深い隣国アフガニスタンでは昨年、女性を抑圧するイスラム主義組織タリバンの暫定政権が誕生しており、トルクメン政府がタリバンになびいて保守化しているとの指摘が出ている。(モスクワ・小柳悠志) トルクメニスタン イスラム教スンニ派のトルクメン人が多数を占める。ソ連崩壊後、ニヤゾフ大統領を崇拝する独裁体制ができ、ニヤゾフ氏死去後、グルバングルイ・ベルドイムハメドフ氏が大統領に就任。2017年には岸田文雄外相(現首相)が同国を訪問中、ベルドイムハメドフ氏の出迎え要員として1時間前から整列させられたと報じられた。言論統制が厳しく、新型コロナウイルスの流行後に「コロナ」と口にした多数の市民が逮捕されており、現在もコロナ感染者はゼロとされる。