一夫多妻制はコロナ禍を経ても変わらない(アフガニスタン) JOSE NICOLAS-CORBIS/GETTY IMAGES <物理的にも感情的にも、あらゆる点において平等に扱うことが一夫多妻の条件とされているが、外出制限が複数の妻の家を渡り歩くことを不可能にした> コロナ禍による外出制限で夫婦が四六時中顔を突き合わせるようになり、夫婦関係が悪化して離婚が増加した──。日本を含む世界各国で今、こうした報道がなされている。 イスラム世界も例外ではない。しかし少々事情が異なる。一夫多妻制が離婚の一大原因となっているのだ。 イスラム諸国のほとんどは男性が4人まで妻を娶(めと)ることを認めている。『コーラン』第4章3節に「あなたがたがよいと思う2人、3人または4人の女を娶れ」とあるためだ。イスラム諸国では現在も、結婚や離婚、相続といった家族法の規定は、基本的に『コーラン』を主たる法源とするイスラム法