【3.11】「高所へ逃げろ」と書かれた陸前高田市立図書館の本がたどった運命 地域の歴史を忘れず、伝えるために 高所へ逃げろ。「津波記念碑」という本の表紙には、そうメモ書きされていた。2011年3月11日、東日本大震災による大津波は、この本を所蔵していた岩手県の陸前高田市立図書館を襲い、職員7人全員が落命、蔵書8万冊も全て流出した。津波に浸水し、ボロボロとなってしまったこの本は、その後、どのような運命をたどったのだろうか?
――県図書館は地震の揺れでガラスが割れたり、100万冊以上の書籍が落下したりする被害が出た。ただ、来館者や職員ら約400人は全員無事だった。 「本棚は、建物の骨組みに固定していたため、倒れずに済みました。2003年の県北部連続地震以降、本棚の高い位置から本が落下するのを防ぐ装置を増やしていたことなどもあり、けが人も出ませんでした。ただ、それでも落ちた本は膝下の高さまで積み重なり、床は足の踏み場もない状態になりました」 ――余震が追い打ちをかけ、被害が拡大した。 「本を棚に戻す作業が終わりかけた11年4月7日、余震で再び約50万冊が落ちました。再開は当初、4月下旬の予定でしたが、余震のたびに作業が中断し、5月13日までかかりました」 ――被災した図書館の支援に取り組んでいる。県内では4か所の図書館が津波で全壊となり、9か所が揺れなどで大きな被害を受けた。 「県図書館には、市町村立の図書館を援
2014年10月17日から11月16日まで、神戸大学社会科学系図書館において、資料展「つたえる・つながる~阪神・淡路大震災20年~」が開催されています。 発生から20年を迎え、震災を経験していない世代が多くなった今、改めて当時の被害や様子を広く「つたえる」と共に、未来へと、人々へと「つながる」ために今も懸命に行われている様々な取り組みについても紹介されているとのことです。 2014年12月24日から2015年1月29日にかけて第2期の展示もあるようです。 神戸大学附属図書館平成26年度 資料展 つたえる・つながる~阪神・淡路大震災20年~ (神戸大学附属図書館) http://lib.kobe-u.ac.jp/www/html/tenjikai/2014tenjikai/2014tenji.html 参考: 神戸大学附属図書館の「震災文庫」、被災地域に阪神・淡路大震災の関連資料を提供 Po
日本レコード協会が、東日本大震災の津波により被災し、その際全ての音楽CDも流出する被害のあった陸前高田市立図書館に、音楽CD500枚を寄贈したとのことです。8月20日に贈呈式が実施されています。 日本レコード協会のレコード寄贈事業は、今年で51年目を迎える事業で、今年度の被災地復興支援としては、東日本大震災被災地の臨時災害FM局、福島・岩手・宮城の社会福祉協議会や老人クラブ連合会などに音楽CDを寄贈してきたとのことです。 レコード寄贈事業 岩手県陸前高田市立図書館にて贈呈式を実施(日本レコード協会、プレスリリース、2013/8/21付け) http://www.riaj.or.jp/release/2013/pr130821.html レコ協岩手県陸前高田市立図書館でレコード寄贈贈呈式を実施、約500枚を寄贈 http://www.musicman-net.com/business/282
福島県立図書館では、2012年4月に、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故とそれに伴う県内の被災・復興についての関連資料を「東日本大震災福島県復興ライブラリー」として開設し、また2013年2月に、同館の職員がこのライブラリーの資料を実際に読み、感じたことを伝える「ブックガイド」を開始しています。このブックガイドについて、第3号が2013年7月31日付けで公開されています。 東日本大震災福島県復興ライブラリー ブックガイド No.3 http://www.library.fks.ed.jp/guide3.pdf 東日本大震災福島県復興ライブラリー ブックガイド No.1、No.2 http://www.library.fks.ed.jp/guide1-2.pdf ※冒頭にブックガイドの説明あり。 参考: 福島県立図書館、福島県復興ライブラリー資料一覧を、3月11日付けで改定 Pos
カレントポータル担当者が見た第14回図書館総合展 2012年11月20日から22日にかけて,第14回図書館総合展が,学術情報オープンサミット2012とともに,パシフィコ横浜で開催された。図書館総合展事務局の発表によると,3日間で計27,357名が来場し,過去最高を記録したとのことである。公式ウェブサイトにはフォーラムの動画記録や事務局の作成したレポートが公表されている。そのため,ここでは総合展全体を通じたまとめではなく,カレントアウェアネス・ポータル担当者が参加したフォーラムを中心に,この3日間の“祭典”を振り返ることにしたい。 総合展1日目,筆者は,国立国会図書館(NDL)主催のフォーラム「電子図書館サービスの現在と図書館のこれから」の裏方を務めた後,筆者は,展示会場内で情報収集を行った。その際特に印象に残ったのが,「いわてを走る移動図書館プロジェクト」で東日本大震災発生直後から被災地支
福島大学附属図書館では、館内の「震災関連資料コーナー」に配置している約1,400点の東日本大震災関連資料のリストを25のカテゴリに分類してウェブサイトで公開しています。同館ではこれまでも震災関連資料を特設コーナーに配置するなどしていましたが、2011年度末に学内のうつくしまふくしま未来支援センターと協働して収集した1,400点の資料を、2012年度から「震災関連資料コーナー」として改めて提供しているということです。 震災関連資料コーナー(福島大学附属図書館) http://lib.fukushima-u.ac.jp/tenji/sinsai.html 福島大学附属図書館(News欄に2012/7/11付けで「平成24年度より「震災関連資料コーナー」を新たに配置しました」とあります) http://lib.fukushima-u.ac.jp/
NDL,調査研究リポート「東日本大震災と図書館」を刊行 国立国会図書館(NDL)は,2011年度の図書館及び図書館情報学に関する調査研究として「東日本大震災と図書館」をテーマとした調査を実施し,この度,その成果を『図書館調査研究リポート』No.13として刊行した。 この調査は,2011年3月11日からの約1年間を対象期間とし,図書館の被災・復旧状況,関連する支援活動・支援組織,記録保存活動等についての資料・情報を可能な限り広く収集・整理したものである。さらに,外部有識者による論考等を加えて報告書として取りまとめた。調査は外部調査機関に委託した。 報告書は9つの章で構成している。まず第1章「導入」では,東日本大震災の概況及び日本の図書館の概況をまとめている。続く第2章「概要」で報告書全体の要約を示した後,第3章「写真及び図表」では,被災した図書館の写真や,被害報告のあった図書館をマッピングし
震災の記録を広く収集し末永く保存することで震災で得た教訓を後世に引き継ごうとする、図書館による共同キャンペーン「震災記録を図書館に」が開始されました。実施図書館は、岩手県立図書館、宮城県図書館、福島県立図書館、仙台市市民図書館、岩手大学情報メディアセンター図書館、東北大学附属図書館、福島大学附属図書館、神戸大学附属図書館です。全国の自治体や図書館にポスターを配布して周知を行い、震災記録の寄贈を呼びかけるとのことです。 みちのく震録伝、saveMLAK、国立国会図書館、図書館振興財団、日本図書館協会、日本古書籍商協会、図書館総合展運営委員会が、賛同・協力団体となっています。 図書館共同キャンペーン「震災記録を図書館に」 http://www.library.tohoku.ac.jp/shinsaikiroku/ 図書館共同キャンペーン「震災記録を図書館に」の実施(東北大学 2012/3/8付
宮城県のせんだいメディアテーク内にある仙台市民図書館が、これまで収集してきた東日本大震災に関する資料を「3.11震災文庫」と名付けたと発表し、資料の充実を図るために、民間企業や団体、個人に対して以下のような資料の寄贈を呼びかけています。 (1)記録集、写真集(CD、DVDなどの電子資料を含みます) (2)団体・個人の手記や体験記、作文集、文芸作品 (3)ボランティアの活動記録、会報誌 (4)広報誌、ミニコミ誌、フリーペーパー、パンフレット、チラシ (5)避難所などで配布された資料、壁新聞、おしらせ (6)仮設住宅などで配布されている資料 (7)イベント、講演、講座などのポスターや配布資料 図書館からのお知らせ(2012/3/23付けで「『3.11震災文庫」への記録・資料の寄贈にご協力ください」というニュースが掲載) http://lib-www.smt.city.sendai.jp/lis
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/2/22現在) 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,『カレントアウェアネス-E』での既報(E1155,E1161,E1166,E1172,E1177,E1205,E1222,E1248参照)に続き,2012年1月から2月中旬にかけての主な情報をまとめた。 ●支援活動・被災地図書館の状況 2012年1月6日,宮城県名取市で「名取市図書館どんぐり子ども図書室」がオープンした。saveMLAKや日本ユニセフ協会の支援を受け,東海大学の震災復興応急住宅モデル「どんぐりハウス」を採用して建設された。 2月5日には,「いわてを走る移動図書館プロジェクト」を実施するシャンティ国際ボランティア会が,岩手県大槌町に「かねざわ図書室」を開設した。小説・実用書・子ども向けの本など5,000冊以上を備えている。 福島県立図書館は,全面開館に向けて,2月1日
2012年1月13日付けの東松島市のウェブサイトでは、東日本大震災当時からの写真や映像・動画、仮設住宅での会報や発行物、体験談や心境を綴った手記等について、東松島市図書館への提供を呼び掛けています。 震災に関する資料(写真や映像・動画、発行紙、体験談や手記など)を集めています (東松島市 2012/1/13付けの記事) http://www.city.higashimatsushima.miyagi.jp/topics_news/new/article/%E9%9C%87%E7%81%BD%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E8%B3%87%E6%96%99%28%E5%86%99%E7%9C%9F%E3%82%84%E6%98%A0%E5%83%8F%E3%83%BB%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%80%81%E7%99%BA%E8%A1
昭和18年9月10日午後5時36分57秒、その時何があったのでしょうか?その時、鳥取に起こったことをご存じの方は今どれくらい いらっしゃるのでしょう?地域の記憶を伝えることは、図書館が果たす役割の一つです。 そこで、昭和18年の「鳥取大震災」について、県民の方々の協力を得て、現段階での記憶を集め、将来へ伝える材料として残したい と思い、平成23年9月10日に第1回の「震災の記憶を語り継ぐ」を開催しました。おかげさまで貴重な証言を多くいただきました。 ただ、もっと多くの方の記憶を記録として残したいと考えます。 前回参加できなかった方、この機会に「ぜひ伝えたい」という方、「その時どうだったのか聞きたい」という方、多数ご参加ください。 日時:平成24年1月29日(日) 午前10時30分~正午(午前10時受付開始) 会場:鳥取県立図書館 2階 小研修室 内容: ・はじめに 第1回「震災の記憶を語
川崎市の市立中原図書館で、2011年12月8日から26日までの間、「報道写真からみる図書館等における大震災」コーナーが開設されています。被災地の状況が分かる写真集や新聞の縮刷版や、日本図書館協会の協力による被災地の図書館に関するパネルの展示を行うとともに、震災発生以降に出版された本などの貸出用書架の設置などを行っているようです。 「報道写真からみる図書館等における大震災」コーナー開設しました/中原図書館:12月8日~26日(川崎市立図書館 2011/12/8付けのお知らせ) http://www.library.city.kawasaki.jp/info03_txt/0000000919/default.html 図書館通じ大震災知る 中原で企画展始まる(東京新聞 2011/12/9付けの記事) http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/2011
岩手県立図書館が、館報「としょかん いわて」のNo.169(2011年10月号)を東日本大震災特集とし、同図書館の取り組みや支援活動を紹介しています。 としょかん いわて No.169(2011.10) http://www.library.pref.iwate.jp/riyoannnai/kanpopdf/kanpo169_pdf/kanpo169.pdf としょかん いわて http://www.library.pref.iwate.jp/riyoannnai/kanpopdf/index.html 岩手県立図書館 東日本大震災情報ポータル http://www.library.pref.iwate.jp/0311jisin/index.html
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く