◇削除求める裁判手続きが増加、「表現の自由を制約」の指摘も インターネットの検索サイトに、検索結果を削除するよう求める裁判手続きが増加している。欧州ではネット上の個人情報を一定期間の経過後に消去できる「忘れられる権利」が定着。日本でも先月、検索結果の削除を命じる仮処分決定が出た。ただ、情報を瞬時に抽出する検索サイトに「過去の事実」の削除を課すことは、知る権利や表現の自由を脅かしかねない。検索サイト側は難しい対応を迫られており、今後の司法判断に注目が集まっている。 【スペイン、訴訟少なくとも200件】「忘れられる権利」訴訟 欧州では氷山の一角 東京地裁では、自分の名前を検索すると過去の逮捕歴が表示されるとして、男性が米グーグル社に検索結果の削除を求める訴訟を起こしている。別の仮処分で地裁は10月、犯罪を連想させる事実の表示の削除を命じる決定を出したが、訴訟で認められた例はない。 男性側