『文藝春秋』の6月号。半藤一利、保阪正康、福田和也、戸部良一、黒野耐の5人による座談会形式。小見出しは次の通り。 派閥抗争が改革をつぶした 宇垣一成と荒木貞夫 エリート教育システムの欠陥 東條英機と永田鉄山 天才戦略家の光と影 石原莞爾と武藤章 良識派は出世できない 栗林忠道、今村均、本間雅晴 暴走する参謀コンビの無責任 服部卓四郎と辻政信 凡庸なリーダーと下克上の論理 杉山元と瀬島龍三 「空気」に支配された集団 阿南惟幾と梅津美治郎 ご覧いただけばおわかりの通り、特に新しい論点はみあたらない。また、各小見出しに人名が続いていることで大体の雰囲気はつくと思うが、この種の「人物評」って『文藝春秋』の読者は好きなんだろうな。保阪正康が武藤章を評価している、といったあたりが面白い。戸部良一はさすがに研究者らしく「ちょっと酷なことを言うようですが、子煩悩とか家庭的といったようなことは、軍人を評価す