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ブックマーク / sorae.info (12)

  • COVID-19は月の夜の表面温度を下げた ロックダウンによる地球の環境変化の影響

    【▲ 図1: 夜間の月には、地球からの光が届く「地球照」が発生しています。今回、地球からの光の量が減少し、月の夜間の表面温度に影響を与えていることが分かりました。(Credit: Stephen Rahn)】 「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」の世界的な流行では、感染の急激な拡大を防止するためのロックダウンが実施され、人々の移動や経済・産業活動がかつてないほど制限されました。その影響は、地球全体の環境が変化するという形でも現れています。そして今回、インド物理学研究所(Physical Research Laboratory)のK. Durga Prasad氏とG. Ambily氏の研究チームは、この影響は地球の衛星「月」にも及んでいることを発見しました。 Prasad氏とAmbily氏は、世界のほとんどの地域でロックダウンが行われていた2020年4月から5月にかけて、月の夜間

    COVID-19は月の夜の表面温度を下げた ロックダウンによる地球の環境変化の影響
  • 白色矮星が80億年以上 “年を取らない” ことがある理由を解明

    天の川銀河にある恒星の約97%は、最終的に「白色矮星」という天体を残します。白色矮星は核融合反応が停止した “死んだ星” であり、持っていた熱を徐々に放出し冷えていきます。しかし近年、この説明が当てはまらず、数十億年も冷却が停止していると見られる白色矮星が次々と見つかっています。白色矮星の熱は年齢を推定する指標となっているため、 “年を取らない” プロセスがあることは重要です。 ウォーリック大学のAntoine Bédard氏、ビクトリア大学のSimon Blouin氏、およびプリンストン高等研究所の程思浩氏の研究チームは、白色矮星の内部をモデル化した研究を行いました。その結果、固化した小さな塊が浮上することによって生じる重力エネルギーによって、白色矮星の表面温度が80億年以上も一定に保たれるほどの熱が発生することを突き止めました。この結果は、白色矮星の年齢を指標とした様々な研究に影響を与

    白色矮星が80億年以上 “年を取らない” ことがある理由を解明
  • 知的生命体の起源に関する新しい研究 海洋と陸上のどちらで出現しやすい?

    短期間で科学技術を発達させた人類は、地球の生態系や気候に大きな影響を与える存在となっています。この自らの経験をもとに、地球外生命探査では技術が存在する証拠として「テクノシグネチャー(technosignature)」が話題になります。宇宙から地球を観測したとき、人類はその存在を示すサインを生み出すことができる「技術的知性(technological intelligence:TI)」を持つ生物の典型といえるからです。 【▲ 地球外の工業文明とその存在を示すテクノシグネチャーのイメージ図(Credit: NASA/Jay Freidlander)】近年「人新世」という言葉が造られましたが、その背景にはこのような事実が想定されていると考えられます。 生命にとって、液体の水が存在することは欠かせない条件であり、地球の生命も海の中で誕生したと考えられています。私たちの太陽系では、木星の第2衛星エウ

    知的生命体の起源に関する新しい研究 海洋と陸上のどちらで出現しやすい?
  • 金星の海はあったとしても30億年前には乾いていた? 水の量がかなり少なかったと推定

    「金星」は地球の双子や兄弟星と呼ばれるほどに、直径や質量といった基的な性質が似ています。しかし、その表面の様子はとても似ているとは言えません。97%が二酸化炭素で構成された分厚い大気のもたらす猛烈な温室効果によって金星の表面温度は460℃に達しており、そのうえ表面気圧は地球の90倍もあります。 当然ながら水は液体の状態では存在できず、金星の表面は乾ききっており、金星表面の乾燥度は地球で最も乾燥しているアタカマ砂漠の更に100倍とも言われています。 【▲図: かつての金星は、地球と同じように水を湛えていたと推定されているが、その量や継続期間については大きな謎がある(Credit: NASA)】しかし、金星の表面は昔からこのような環境ではなかったと推定されています。過去の金星の気候はもう少し穏やかであり、地球の海のように豊富な液体の水が存在したのではないか、とも推定されています。 ただし、そ

    金星の海はあったとしても30億年前には乾いていた? 水の量がかなり少なかったと推定
  • スペースX、ワンウェブの通信衛星を打ち上げ

    【▲ ワンウェブの通信衛星を搭載したファルコン9ロケット(Credit: SpaceX YouTube)】スペースXは日時間2023年1月10日に、「ファルコン9」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていた「OneWeb(ワンウェブ)」社の通信衛星は無事に軌道へ投入されたことが、同社のSNSや公式サイトにて報告されています。 打ち上げに関する情報は以下の通りです。 ■打ち上げ情報:ファルコン9(OneWeb 16)ロケット:ファルコン9 ブロック5 打ち上げ日時:日時間 2023年1月10日13時50分【成功】 発射場:ケープカナベラル宇宙軍基地(アメリカ) ペイロード:ワンウェブ衛星 40機 アメリカの衛星通信会社「ワンウェブ」は高速かつ低遅延のインターネットサービスを提供するために、648機の通信衛星からなる衛星コンステレーション(協調した動作を行う衛星群)の構築を目指してい

    スペースX、ワンウェブの通信衛星を打ち上げ
  • 観測史上地球に最も近いブラックホール「Gaia BH1」を発見

    一般に知られているように、「ブラックホール」はその強大な重力により、一定の距離 (シュバルツシルト半径) よりも近付いたものは光でさえ逃げ出すことができない非常に極端な天体です。 一方で、その極端な性質にもかかわらず、ブラックホールの存在はかなり一般的であると推定されています。太陽の5倍から100倍の質量を持つブラックホールは、天の川銀河だけでも1億個はあると推定されています。質量が太陽の数倍から数十倍の恒星質量ブラックホールに限っても、この宇宙に存在する普通の物質 (暗黒物質と暗黒エネルギーを除いた成分) のうち約1%を占めているとも推定されています。 しかし、 “黒い” を意味する言葉が示しているとおり、ブラックホールは単独では電磁波をまったく放射しません。近くにある別の物質が吸い込まれる過程で放出されるX線によって間接的に観測できるブラックホールもありますが、そのような活動的なブラッ

    観測史上地球に最も近いブラックホール「Gaia BH1」を発見
    ltzz
    ltzz 2022/12/10
  • 惑星に含まれる放射性元素の量が生命の居住可能性を左右する?

    放射性元素の量が異なる3つのケースを描いた図。上:放射性元素が多く火山は活発だが磁場を持たない惑星。中:磁場を持ち地質活動も生じている地球のような惑星。下:放射性元素が少なく磁場は持つが地質活動が生じない惑星(Credit: Melissa Weiss)カリフォルニア大学サンタクルーズ校(UCSC)のFrancis Nimmo氏らの研究グループは、惑星に含まれる放射性元素が生命の居住可能性に及ぼす影響を調べた研究成果を発表しました。研究グループによると、放射性元素の量が居住可能性を左右する重要な要素となっている可能性があるようです。 ■放射性元素が少なすぎると地質活動が生じず、多すぎると磁場が生成されない可能性地球の内部にはウラン(U)やトリウム(Th)といった放射性元素が含まれていて、これらの元素が崩壊する時に放出されたエネルギーは最終的に熱(崩壊熱)となります。放射性元素の崩壊熱は惑星

    惑星に含まれる放射性元素の量が生命の居住可能性を左右する?
  • 天の川銀河に存在する反物質星の数が推定される

    【▲ ガンマ線の分析によって絞り込まれた14個の反物質星の候補の分布図(Credit:S. Dupourqué/IRAP)フランスの天体物理学・惑星学研究所は4月28日、サイモン・デュプケさん率いる研究チームが、私達の天の川銀河に存在する反物質星(anti-stars)の数を推定することに成功したと発表しました。研究チームによれば、天の川銀河において、30万個の普通の恒星に対して、最大で、1個の反物質星が存在すると推定されるといいます。 ■そもそも反物質ってなに?反物質とは、反陽子、反中性子、反電子などによって、つくられた物質です。反陽子、反中性子、反電子は、普通の陽子、中性子、電子に対して、電荷は反対ですが、質量などのその他の性質はほぼ同じです。例えば、電子はマイナスの電荷を帯びていますが、反電子はプラスの電荷を帯びています。しかし、その他の性質はほぼ同じです。 ビックバンによって宇宙が

    天の川銀河に存在する反物質星の数が推定される
  • 月にヒューロン湖に匹敵する水が存在する可能性。その源は地球の上層大気

    【▲2009年、インドのチャンドラヤーン1号にNASAが搭載した「Moon Mineralogy Mapper(月面鉱物マッピング装置)」が捉えた、月の南極(左)と北極(右)の氷の分布の画像。青色は氷の位置を表し、月面の画像にプロットしたもので、グレースケールは表面の温度に対応(暗いほど寒く、明るいほど暖かい)。氷は、最も暗く冷たい場所、つまりクレーターの影の部分に集中していることがわかります。この画像は、月面に水氷が存在する決定的な証拠を、科学者が初めて直接観測したもの(Credit: NASA)】月に水が存在することは確実視されています。水の有無は、NASAのアルテミス計画など、人類が月に長期に渡って滞在する計画の鍵を握っていると言えるでしょう。 月の水の大部分は、「後期重爆撃」と呼ばれる時期に小惑星や彗星の衝突によって堆積したと一般的に考えられています。また、太陽風が運んできた水素イ

    月にヒューロン湖に匹敵する水が存在する可能性。その源は地球の上層大気
  • 地球はどのようにして火の玉から居住可能な惑星になったのか? 奇妙な岩石が担った役割

    【▲火の玉のような岩石の塊であった初期地球の想像図(CreditSimone Marchi, Southwest Research Institute)】ほとんどの科学者は、地球の始まりの頃の大気(原始大気)は、金星の大気と同じだったと考えています。現在の地球の10万倍以上の二酸化炭素で満たされ、地表の温度は200℃を超えていた考えられています。このような条件下では、生命は誕生も生存もできなかったことでしょう。 イェール大学とカリフォルニア工科大学に在籍する日人研究者が、地球がどのようにして、炭素に覆われた火の玉のような岩石の塊から生命を維持できる惑星に変身したのかを説明する、大胆な新理論を発表しました。 この理論は、地球の太古の時代を対象としており、「奇妙な」岩石が海水と最も効果的な方法で相互作用し、生命物質が存在できるように仕向けたというものです。この研究は、宮崎慶統(Yoshin

    地球はどのようにして火の玉から居住可能な惑星になったのか? 奇妙な岩石が担った役割
  • 古代の火星では高い空の雲が温暖な気候をもたらしていた?

    【▲ ジェゼロ・クレーターで探査活動を行う火星探査車「Perseverance」を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】現在の火星は寒く乾燥した大地が広がる惑星ですが、かつては海や湖が形成されるほど温暖な時期があったと考えられています。シカゴ大学のEdwin Kite氏らの研究グループは、古代の火星において高高度の薄い雲が引き起こす温室効果によって温暖な気候がもたらされていた可能性を示す研究成果を発表しました。 ■当時の火星では水蒸気が一年近くも大気中に留まっていた可能性2021年2月、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」は火星のジェゼロ・クレーターへ着陸することに成功しました。ジェゼロ・クレーターは外部から流れ込んだ水によって湖ができていたと考えられていて、クレーターの西側に着陸したPer

    古代の火星では高い空の雲が温暖な気候をもたらしていた?
  • 大気と海があり生命存在の可能性がある「系外惑星」の新しい分類が登場

    【▲ 今回、新しく提唱された系外惑星の分類「ハイセアン(hycean)惑星」の想像図。水素を豊富に含む大気の下に惑星規模の海を持ち、生命が存在する可能性があるとされる(Credit: Amanda Smith)】イギリスのケンブリッジ大学は8月26日、ケンブリッジ天文学研究所のニック・マドゥダン博士率いる研究チームが、系外惑星の新しい分類として「ハイセアン(Hycean)惑星」を提唱したと発表しました。ハイセアン惑星は、水素を豊富に含む大気の下に、惑星規模の海が存在し、生命が存在する可能性があるといいます。 【▲ 地球から124光年のところにある系外惑星「K2-18b」の想像図。K2-18bはハイセアン惑星の最も有望な候補になります(Credit: Amanda Smith)】これまで系外惑星における生命探査は主に地球に近い大きさ、質量、温度、大気の組成などを持つ系外惑星についておこなわれ

    大気と海があり生命存在の可能性がある「系外惑星」の新しい分類が登場
    ltzz
    ltzz 2021/09/11
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