小説のクオリティーとアピールする力は別物――今までの記事でも書いてきましたが、それを「別物」たらしめる最大の要因が「作者の性格」だと思っています。 アピールのために何が必要なのか分かっていたとしても、性格的にそれができない、ということがあるのです。 たとえば、謙虚な性格で「謙遜は美徳」と信じて育ってきた人間が「自分の小説、メチャクチャ面白いんで、ぜひ読んでください!」と大っぴらにアピールできるでしょうか? 他人に遠慮して「あまりグイグイ押していくと、迷惑になるかも知れないな…」と考えてしまう人間が「読んで!読んで!ブクマして!」と猛プッシュできるでしょうか? 人の好みは十人十色であることを知っていて「この小説、上手く書けたけど、他の人の『好み』に合うかは分からないな…」と冷静に分析している人間が「誰が読んでも絶対に面白い小説です!」などとアピールできるものでしょうか? 謙遜、遠慮、他者への