JUGEMテーマ:ファンタジー恋愛もの ・「囚われの皇妃の回想」シリーズの第1弾です。 ・他のページはコチラ→「囚われの皇妃の回想2/3/4/5/6/7/8/9/10」 【Prologue 囚われの皇妃は塔の中で】 囚われの皇妃は閉ざされた塔の中、ひとり思案に暮れる。 彼女が居るのは大陸でも随一の財力と軍事力を誇る帝国・ガルトブルグの宮殿の中。複雑に入り組んだ広大な宮殿の北の端にある塔の最上階だ。 皇妃の居室としてはやや手狭だが、さすがに宮殿の一室らしく、調度品は豪華な一級品ばかりだった。 だが、部屋への唯一の扉は分厚い鋼鉄でできており、外から固く施錠されている。 どれほど高価な品が溢れていようと、どれだけ居心地良く整えられていようと、そこは結局牢獄であり、彼女は幽囚の身だった。 何故このような状況に陥ってしまったのかと、彼女は己に問いかける。だが囚われて十年の歳月を経ても尚、その答えは見