「テスト勉強やった?」「全然」 このやりとりを、あと何回繰(く)り返さなければいけないのだろう。 繰り返されるたびに、嫌な感じの違和感(いわかん)に襲(おそ)われる。 まるで「勉強なんてするな」と牽制(けんせい)し合っているようだ。 あるいは、周りの人間のダメさ加減(かげん)を確認して、安心したいみたいだ。 勉強なんて全然していない、と言いながら、本当はテスト前、焼け石に水のような勉強をしている。 これくらいは「勉強をやった」うちに入らないからと、自分で自分を誤魔化(ごまか)して「勉強なんて全然してない」と口にする。 だけど、それを口にするたびに、嫌な感じの罪悪感に襲われる。 俺は、嘘(うそ)をついているのだろうか。アイツらを騙(だま)しているのだろうか。 仲の良いクラスメイトとの、何気ない日常の中、ふと感じることがある。 「勉強なんて、つまらない」「努力なんて、くだらない」「お前もそう思
![最初に世界を呪ったのは、誰](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e41ec3bac48099938af4923bd3396b266da0eb78/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fsbo.syosetu.com%2Fn1270hb%2Ftwitter.png)