数ヶ月ぶりに帰省(きせい)したら、地元の駅に自動改札ができていた。 古くさいばかりの田舎の駅が、急に近代化したようで、違和感ばかりを強く覚えた。 駅前にあったコンビニは、いつの間にか潰(つぶ)れていた。 駅前なのに潰れるなんて、さすがは田舎だな、と変な納得(なっとく)の仕方をしながら、迎えの車に乗り込んだ。 時間が止まったかのような、変化の乏(とぼ)しい地方の町でも、数ヶ月離れているだけで、いろいろとあるものだ。 大学に進学するため地元を離れて、もう二年が経(た)とうとしている。 長期休暇も、バイトだサークルの合宿だで何かと忙しく、実家には数えるほどしか帰っていない。 たまの帰郷は片道時間からして長くて、ちょっとした旅行気分だ。 大学に入ってすぐの頃は、周りの景色に慣れなくて、疎外(アウェー)感が強かった。 まるで自分が、場違いな“異物”のようで、あの街に馴染(なじ)める気が、まるでしなか