JUGEMテーマ:時代小説 ・史実を元にした歴史短編小説「文学王妃の甘美なる二次創作」の2話目(全4話)です。 (他のページはこちら→ 1/3/4 ) ・エブリスタさんにも重複投稿しています。エブリスタ版は補足説明が無い代わりルビが多めです。 (→エブリスタ版はコチラ) 思えば物心ついた頃から、私の周りには不義の恋があった。 私の実の父からして、当然のように愛人を持ち、城には腹違いの姉妹がいた。 母は、そんな父の愛人を、忌み嫌って遠ざけるでもなく、侍女としてそばに置き、腹心として様々な相談を打ち明けていた。 姦通は罪だと、教会では教えながら……その実、貴族も平民も、当たり前のように夫や妻以外の相手と恋のやりとりをしている。 過ちを犯しても、 懺悔(ざんげ)さえすれば許される――後には、金で罪を 購(あがな)う免罪符なる代物まで現れるほど、人々の罪に対する意識は薄かった。 その一方で、愛によ