アイヌ民族の文化を振興するための拠点施設が北海道に建設されることになった。 政府はアイヌ文化を守るための法律をつくったり、日本の先住民族と認めたりしてきたが、国民の間で理解が深まっているとは言えない状況である。 差別意識も残っているとされ、社会的、経済的な格差解消が課題となっている。 アイヌへの認識を深めることで少数派の権利を尊重する機運を盛り上げたい。政府は「箱物」の建設でよしとせず、課題の解決に本腰を入れてほしい。 アイヌ民族は北海道や東北、千島列島などに住んでいた人々で、北海道の調査では道内に約2万4千人が暮らしている。明治以降の同化政策によって独自の言語や伝統的な習俗、狩猟などが制限され、日本人として生きることを強制された歴史がある。 2008年、衆参両院の決議を受け、政府は初めてアイヌを先住民族と認める官房長官談話を発表した。翌年、関係者も交えた「アイヌ政策推進会議」を