ツイッターの検索窓に「マッドマックス」という言葉をいれると、「マッドマックス つまらない」と、関連ワードが出てきます。 しかし実際に個々のツイートを読んでみると、「マッドマックスと比較すれば●●はつまらない」とか「マッドマックスをつまらないと感じる人なんているのか」といったニュアンスの、絶賛の感想ばかり出てくるのです。 そんなわけで『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に興味を持ちました。子供のころミニカーで遊んだこともない私にとって、本作が人生で初めてのアクション映画であり、シリーズの過去作品はひとつも観ていません。 しかし「過去作品を観ていなくても楽しめる独立した一編」「アクション映画に興味が持てない人にこそ観てほしい傑作」「男性にはもちろん女性にも楽しめる、フェミニズム的な視点のある映画」と、友人たちが口々にすすめてくれます。いま自分が新作エンターテインメント小説を執筆中ということも
テレビをつけるといつも外国人から見た日本や日本人というテーマの番組が放送されている。実際、番組表を調べてみると、「YOUは何しに日本へ?」「ネプ&イモトの世界番付」「とっておき日本」「世界が驚いたニッポン! スゴ〜イデスネ!!視察団」などなど、盛りだくさんだ。 番組で繰り返し語られるのは日本の美しさや素晴らしさ。日本人は外国人から尊敬され、羨まれているという内容である。 テレビに映る「日本」は、まるで楽園のようだ。だが、その実情はどうなのだろうか。 中国・アジア事情に通じるノンフィクション作家・安田峰俊の新刊『境界の民 難民、遺民、抵抗者。国と国の境界線に立つ人々』は、国民国家体制の狭間で生きる人々を追ったルポルタージュである。 本書の主人公たちは、在日難民2世、ウイグル人、台湾人、中国人と日本人のハーフたち。彼らは様々なかたちで日本や日本人と接点を持っており、その点で本書はよくあるマイノ
『モーニングNo.4・5』(公式)で山岸凉子新連載がスタートした。 タイトルは『レベレーション─啓示─』。 “わたしは解放される 解放される 疑ってはならない 信じています 疑ってはならない 信じて…” 牢獄の扉が開かれる。 “「ジャンヌ・ダルク 今日そなたを処刑する」” 手錠で拘束されたジャンヌが歩く。 “嘘です 嘘です わたしは…信じています” 「魔女よ!」「魔女ジャンヌ!」「火あぶりだ!」と叫ぶ人々。 “では…では “あれ”はなんだったのですか!” 処刑シーンから始まり、回想で、13歳のジャンヌ・ダルク、姉が嫁ぐ祝いのパーティーへ。 つまりこれは、ジャンヌ・ダルクが処刑されるまでの歴史をこれから山岸凉子が描くということでないか。 導入でグッと掴まれる。 処刑台と、少し遠巻きに集まる人々が、少し上空の視点から描かれる淡いカラーの見開きタイトルページ。 ジャンヌ・ダルク×山岸凉子 惹句は
アハもじゃの社長さんのおかげで『赤毛のアン』が出版されることになり大団円の『花子とアン』。 実は、村岡花子の訳した『赤毛のアン』には、大きな謎がある。 第37章、最後からひとつ前の章。 マシュウが心臓発作で死んでしまう。 その晩、残されたマリラはアンに、いかに自分がアンを愛しているかを語る。 このシーンを、村岡花子は訳していないのだ。 村岡花子訳『赤毛のアン』では、こうなっている。 “その声を聞きつけたマリラが部屋にはいってきた。 二人はともに泣き、心から語りあい、慰めあった。 二日たってから、マシュウ・クスバートは彼が耕した畑やたいせつに育てた果樹園を通って運ばれていった。” (赤毛のアン』村岡花子訳・新潮文庫・昭和六十一年四月三十日七十四刷P376) この部分、原文ではこうである。 Marilla heard her and crept in to comfort her. "Ther
「和歌山毒物カレー事件」は1998年に起こった事件で、4人が亡くなった。知らない人のために簡単に説明すると、地域の夏祭り会場でふるまわれたカレーに毒物ヒ素が入っており、67人が吐気などで救急搬送された事件だ。 当日カレー鍋の見張りをしていたうちの一人、林眞須美が犯人だとされ、裁判の結果2009年に死刑判決が下った。動機は不明、物的証拠も無い。それでも死刑になったので、疑問に思う人が少なくない事件なのだ。現在は再審請求中となっている。 『和歌山カレー事件 獄中からの手紙』は、林眞須美本人に加え、夫の林健治などの手紙やインタビューをまとめた本で、この事件の発生前から死刑判決を経た今までの流れを見る貴重な物になっている。真実はともかく、動機も証拠もない人が死刑になってしまう、その例を知るだけでも読む価値のある本だと僕は思う。 1998年、事件当時の報道は連日、異常とも言える加熱ぶりだった。ワイド
7月1日の「号泣記者会見」で時の人となってしまった野々村竜太郎元県議。辞職やお詫び文の掲載も政務活動費問題の鎮火にはならず、虚偽公文書作成・同行使容疑で刑事告発、詐欺容疑での立件を視野に入れられている状態。 週刊誌の見出しにも彼の名前は踊り、中高時代のエピソードも続々と暴露されている。 野々村県議について、Twitterやまとめブログなどで、このようなことを言っている人々がいる。 「野々村議員は朝鮮飲みをしている。在日なのではないか?」 「朝鮮飲み」とは、韓国の礼儀作法のこと。韓国では目上の人の前でお酒を飲むとき、顔を横に背けて飲む。そのさい、飲んでいる口が見えないように手でコップや口を隠すこともあるだそう。 確かに、号泣記者会見の映像で、野々村氏が「記者から顔を背けて、コップと口を隠して水を飲む」シーンがある。これを受けて、さまざまな人が野々村氏を「在日」と称している。もちろん在日韓国人
NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」の今週火曜(3月4日)放送の第128回では、大阪大空襲のさなか、ヒロイン・め以子(杏)たちが地下鉄の心斎橋駅構内に逃げこみ、さらにはホームに入ってきた電車に乗ってより安全な梅田方面へ避難するという場面があった。そもそもめ以子が地下鉄駅に避難したのは、夫で大阪市職員として地下鉄建設にかかわった悠太郎(東出昌大)から渡された手紙に「地下鉄に逃げれば安全だ」と書かれていたからだ。 このエピソードは、実話にもとづくものである。1945年3月13日夜から翌日未明にかけての米軍による大阪大空襲(第1次)の際、街が火に包まれるなか、大阪市営地下鉄の心斎橋駅に避難してきた人々を救うべく、電車が梅田方面や天王寺方面へ運行されたというのだ。 もっとも、空襲下に地下鉄を走った救援電車について公式な記録は一切残っていない。というのも、戦時中の地下鉄は軍事輸送に使われることも多
「はたして平安時代の人はキスをしたのか?」 NHKの大河ドラマ「義経」(2005年)の打ち合わせ中に、そんな話題が出たという。時代考証担当のスタッフが調べたところ、平安中期の天台宗の学僧・源信による『往生要集』に「ウ」(「烏」に「欠」を組み合わせた漢字)という言葉が出てくることがわかった。 これは「鳥が互いにクチバシを突き合う」意味で、まさしくキスを指す。 《「いはんやウ抱(うほう。ウは前出の「烏」に「欠」を組み合わせた字)(接吻して抱き合うこと)して婬楽せんをや」(岩波書店『日本思想大系 源信』三八頁)。とすると平安時代すでにキスはあったということになる。しかし、九歳で比叡山に入った日本史上屈指の学僧源信はいかにしてこの言葉を知り、わざわざ自著に使ったのだろうか》(大森洋平『考証要集 秘伝! NHK時代考証資料』) 私は「アッー!」的な行為が比叡山であったからじゃないかと邪推してしまうの
「擬態語はひらがな表記、擬音語はカタカナというのがルール」と、ツイッターで話題になっていた(定期的に浮上してくるみたいだ)。 「超難しい小2国語のテスト」という問題の画像もツイートされている。 ひらがなで書くかカタカナで書くかを選ばせる問題で、それはこんなものだ。 1.星が(きらきら・キラキラ)している。 2.犬が(わんわん・ワンワン)ほえた。 3.うさぎが(ぴょん・ピョン)とはねた。 そして、答えはこう。 1.星がきらきらしている。 2.犬がワンワンほえた。 3.うさぎがぴょんとはねた。 わーーーん(T_T) 小2のテスト、俺は0点だな。 ツイッターでの議論が盛り上がっていて、 「自由でいいじゃないか」というものから、 「物書きのプロほど擬音語はカタカナ、擬態語はひらがなを徹底してる」 「難しいと感じるひとは恥じ入って勉強しましょう」といった内容のツイートまで、 まあ、あれこれ、あって驚
「犯罪とオタク趣味は無関係」という考え方は正しいか 10月8日、東京都三鷹市で高校3年の鈴木沙彩さんが刺殺された。同日、殺人未遂容疑(のちに殺人容疑に切替)で逮捕されたのは、沙彩さんの元交際相手、池永チャールストーマス。事件直後、池永はネット掲示板上で犯行を告白。同時に、海外サイトのURLを公開。リンク先には、沙彩さんとのハメ撮り映像などがアップロードされていた。いわゆる「リベンジポルノ」というやつだ。 フラれたことを受け容れずにストーカー化し、エロ画像をばら撒いたうえ、最後は逆恨みで殺害。2人の間にどんな愛憎があったかは分からないが、池永が最低の男であることは間違いない。 捜査やマスコミによる取材が進むにつれ、最低男の素性が明らかに。池永は元々ハメ撮りマニアで、出会い系やSNSで知り合った女性と性交中の映像を多数撮影。沙彩さん以外の女性とのハメ撮り動画も、ネットに流していたのだとか。
携帯電話の応答メッセージ。 「録音が終わりましたら、シャープを押してください」 メッセージを入れ、シャープボタンを押して電話を切る。 そんな、普段の何気ない動作。 でも厳密に言うと、電話に「シャープボタン」なんか存在しない。 電話のボタンについて、国際的な電気通信を扱っている「財団法人日本ITU協会」が、こんな話をしてくれた。 「電話にある“#”は、シャープではなくて“井げた”(イゲタ)です。また勧告(通信業界の世界基準が書かれた文書)には“スクエア”と表記されておりまして、他にも“ハッシュ”や“パウンド”、“ナンバーサイン”という呼び方があります」 つまり、そもそも電話の「#」は、音楽のシャープと記号自体が違うというのだ。電話で使われている記号は縦線が斜めの「#」で、音楽のシャープは横線が斜めの「♯」。 すごく微妙な違いだけど、JIS規格でも2つは区別されている。JISでも「#」はやっぱ
「悪いことをしたら反省するのが当然」「反省してもらわなきゃ困るよね」って考えてると、どんどん犯罪者が増えるよ。 ええええー!? さらに、自分の子供を犯罪者にしてしまうよ。 って、ええええー!? どゆこと? と驚きながら読み進めていった。 『反省させると犯罪者になります』 すごいタイトル。 でも、読んでいくうちに納得してしまう力がこの本にはある。 第3章に、女優酒井法子の事例が登場する。 覚醒剤取締法違反で逮捕された彼女は、“自らが犯した事件を謝罪する目的で、「贖罪」というタイトルの著書を出版”する。 これが、まさに「模範的な反省文」になっているのだ。 “これでは自分自身をみつめたことにはなりません。酒井さんには失礼ですが、書名を「贖罪」とするには、内容としては表面的でしかありません”。 また、保釈された後の記者会見での言葉を引用し、“自分の弱さ故に負け”“自分の弱さを戒め”“二度と手を出さ
尖閣諸島を巡って、日中関係の緊張が増している。安倍首相に強硬姿勢を望む声は多く、それを踏まえて日本の右傾化を危惧する声もあがっているようだ。 右翼と聞いてまっさきに頭に浮かぶのは、派手な街宣車を乗り回し、戦闘服に身を包む右翼団体、いわゆる街宣右翼だろう。菊のご紋といかめしいスローガン、スピーカーから軍歌を大音量で流してまわる真っ黒い大型の改造車。しばしば街頭で見かける彼らの実態はいかなるものなのか。それを知ることができるのが今年の2月11日に発売された『右翼という職業』である。 本書の著者である武寛は、各右翼結社の連合団体で事務局長を務めたという幹部。本書はそんな氏が、ありのままの右翼団体の姿やそこでの体験を語るというノンフィクション。 生真面目な告発本でもなければ武勇伝の寄せ集めでもなく、ユーモアを交えながら彼らの「仕事」の数々から失敗談、ひいては女性関係まで語られている。 そもそも、右
寒い日が続き、”温かいうどん”などを食べたくなる季節ですよね。うどんを茹でて、アツアツの茹で汁を台所のシンクにザザーっと流して、”ボコッ”という音を立てているご家庭も多いのではないでしょうか。 また、パスタを茹でたり、カップ入りインスタント焼きそばを作ったりする時なんかにも、あの”ボコッ”音がして、びっくりしちゃうときってありますよね。 でもこの”ボコッ”音、実は絶対出してはいけない音だったのです! ■塩ビの耐熱温度は一般的に60℃。軟化・変形に要注意! TOTO株式会社キッチン洗面商品営業グループの三嶋典昭さんにお話を聞きました。 「キッチンの排水口から下の部分は、高温の液体を流すと、樹脂部分が熱で変形して破損するリスクがあります。熱湯の場合は100℃になりますし、カレーのような粘度が高いものは、排水口の配管経路の部分に長くとどまり、より破損リスクが高くなります。 茹で汁をそのまま流す場
漫画家・さかもと未明が、「PHP Biz Online 衆知(Voice)」に起稿した文章がネット配信され、大きな話題になっている。搭乗した飛行機内で泣き出してしまった幼児をめぐり、その母親や航空会社に対して独自の理論を展開したことが理由だが、ネットを中心に批判の声が広がっている。 記事によると、さかもとは今年夏、日本航空機(JAL)の国内便に搭乗した。その際、乗り合わせた1歳前後の赤ちゃんが、離陸から到着までの間、ずっと泣き通しだったという。さかもとは「赤ちゃんが泣き叫び通しだったのにブチ切れてしまったのだ。だって、客室乗務員さんが母親と一緒にあやしても泣きやむ気配はないし、逃げ込む場所もないんだもん」として、さらに泣き続ける赤ちゃんに耐えられなくなったのか、『もうやだ、降りる、飛び降りる!』と、着陸準備中にシートベルトを外して出口に向かって走った」と書いている。 さらに母親に対して「お
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