東大宗教学の柳川啓一門下の兄弟弟子で、院生時代も重なる二人が*1、どうしてこういう論争(といいますか、島田氏による一方的な断罪にも見えるのですが)をしなければならなかったのかということに興味を持ち、表題の書籍を購入して読みました。(亜紀書房、2007年、1700円) 別に読む前に「爽やかさ」を期待していたわけではないのですが、読めば読むほどぬるく重い感じを受けてしまいました。これは学術書ではもちろんなく、最初はちょっとした事実を悪いほうへ悪いほうへ捉えていったらこうもあろうかという、そういう不確かな告発本でしかないのではと思えました。 ただ最後まで読んで、それ以外の側面として感じたものがあります。 それは、この本がオウム事件にけりをつけたがっている島田氏の弁明の書であり、そのためにも中沢氏に何か語って欲しいという挑発の書としての在り方です。むしろこう杜撰に責めることによって(粗がありますか