どの店にいくつ星がついているのか、その選定は妥当なのか、ということではなく、そもそも「星付きの店しか掲載されていない」のが東京版が他のミシュランガイドに対して決定的に劣っているところではないだろうか。2009年版でも状況は変わらないようだ。 ミシュランガイド(The Red Guide / Le Guide Rouge)は、三つ星がどうこうという華々しいところだけ取り上げられる機会が多いが、元来はきわめて「実用的」なレストランガイドである。本来の目的が旅行者のためのガイドブックなのだから当然ともいえるが、高級店ばかりではなく、星なしのレストランがどの都市でも相当数リストされている。写真掲載はなく、一軒ごとにわずか数行のスペースでとても効率よく店の特徴・料理の内容・価格帯がわかるようになっている。ミシュランガイド東京版、あるいは日本の他のレストランガイドと比較しても比べ物にならないほど地味で