【ジャカルタ=梁田真樹子】インドネシア政府は29日、派遣労働の禁止を求めていた労働組合側の要求を受け入れ、11月2日までに労働・移住大臣令を策定することで労組側と合意した。 政府と交渉していた労組の全国組織・インドネシア労働者評議会によると、大臣令では、清掃業や警備など5業種以外での派遣労働を禁止。5業種以外の業務では、企業が派遣会社を介さず、労働者と直接契約を結ぶよう定める。 同国労働法の規定は「会社の主要活動や生産工程に直接関係する業務では派遣労働者を使用できない」とあいまいで、実際には多様な業務で派遣労働がみられている。日系製造企業の工場でも、多くの派遣労働者が勤務している。 だが労組側は「経済が成長しているのだから、身分が不安定で賃金も低い派遣労働の存在は認められない」として派遣労働の禁止を政府に求めており、今月上旬にゼネストを行うなど、圧力を強めていた。