北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故は、運航会社「知床遊覧船」(斜里町)のずさんな運航管理とともに、それを見抜けなかった国の姿勢も問われています。国土交通省が昨年同社に行った改善指導は守られていなかったのに、同社の言い分をうのみにして運航許可を与えていました。なぜ、おざなりのチェックで済ませたのか。国の対応の徹底検証が不可欠です。 会社の言い分をうのみ カズワンは昨年5月、浮遊物と衝突して負傷者を出し、同6月には浅瀬に座礁しました。国交省北海道運輸局は2件の事故について知床遊覧船に特別監査を実施し、同7月に行政指導しています。 同省は13日、行政指導の内容や経過を示す当時の報告書などを公表しました。一連の資料からは国の検査が極めて甘く、安全置き去りの運航会社の姿勢を事実上放置してきた実態が浮かびます。 北海道運輸局は、安全確保を最優先する意識の