「オマージュ」 2023年3月11日(日)新宿武蔵野館にて。午後3時15分より鑑賞(スクリーン2/B-3) ~受難の時代をしなやかに描き出し映画への愛を綴る 女性の置かれた環境は厳しい。特に映画界は長らく圧倒的な男世界だった。最近は女性の進出も目覚ましいが、それでも依然として男性優位の世界だ。 韓国の映画界でも、女性は長い間不遇の時代が続いていたようである。それを告発する映画が「オマージュ」だ。 主人公は中年の女性監督ジワン(イ・ジョンウン)。3作目の監督作が不入りで、新作を撮る目途が立たない。夫と大学生の息子と暮らすが、息子からは「母さんの映画はつまらない」と言われ、夫に「生活費を入れてくれ」と言ったら「自分で稼げ」と返される始末。おまけに何やら体調も悪い。そんなグダグダの毎日に不満を感じつつ、一方であきらめの感情もある。 そんなジワンはバイトとしてある映画の修復作業を引き受ける。それは