印刷 「法安寺」跡とみられる土壇の上の白い礎石(杭3本は戦後の建物跡)=大阪文化財研究所提供 浄土真宗中興の祖・蓮如(1415〜99)が建てた石山本願寺(大坂本願寺)推定地(大阪市中央区)の南東で、室町時代の礎石建物跡が見つかった。本願寺の進出前からあった法安寺(ほうあんじ)の一部とみられる。同寺の可能性がある遺構が確認されたのは初めて。調査した大阪文化財研究所は「大阪の“空白の中世”を埋める貴重な資料」としている。 遺構は、現在の大阪城天守閣付近にある石山本願寺推定地の約600メートル南東で見つかった。周囲に溝を巡らせた東西7メートル、南北4メートル以上の土壇(高さ約50センチ)があり、均等に礎石が並んでいた。1辺5.5メートルの正方形の仏堂のような建物とみられる。出土した瓦や土器の種類から、室町時代の建立の可能性が高い。 土壇の下からは焼土や炭を含む平安時代末〜南北朝時代の大