大倉幕府跡のほぼ真ん中に立つ石碑(中央)。左側の道の奥は、源頼朝の墓がある法華堂跡。武家政権発祥の中心地だ=鎌倉市雪ノ下で 「武家の古都」を前面に押し出して臨んだ鎌倉の世界文化遺産への登録。調査に当たった国際記念物遺跡会議(イコモス)は、武家が政権を樹立して支配したことを証明する肝心の「武家遺跡」がないことを挙げ、「不登録」を勧告した。 登録に致命的ともいえるこの「弱点」については、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦段階から指摘されていた。源頼朝が支配の拠点とした「大倉幕府」跡は、武家政治の原点だが、世界遺産を構成する文化資産には入っていない。