外資コンサルティング会社での働き方を語る本書が類書の中で目立つ売れ行きを示しているという。特に強く支持しているのは就職を控えた学生ということだが、一読した感想は「さもありなん」。20年にわたって外資コンサルティングの業界で働いた評者から見ても内容はよくまとまっていると思う。抽象的なノウハウ論と具体的な根性論とが臨場感のあるコンサル現場のエピソードを織り交ぜながら語られるので読んでいて飽きることがない。コンサルティング業界に関心のある人でなくても、何らかの知的生産に従事している人であれば仕事上のヒントを得るところがあるだろう。 と、ポジティブに評価した上で、本書が就職学生に支持されているという社会状況について感じたことを書いておきたい。かつてオウム真理教事件が起きた際、名だたるエリートがカルト教団に帰依していたことに世間は衝撃を受けた。しかしわたしはむしろ、エリートだからこそカルト教団にハマ