国旗掲揚と国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版(東京)の高校日本史教科書の使用を希望した神奈川県立高校二十八校の全校長が、県教育委員会の再考要請を受けて、他の教科書に変更した問題で、県教委は二十日、各県立高校が来年度に使用する教科書を採択した。実教出版の教科書は希望校がなく、採択されなかった。県教委の介入で、各校が当初の希望教科書を断念する異例の結果となった。 県教委の具志堅幸司委員長は二十日、実教出版の教科書について「県教委の方針とは相いれない。それが全委員の意見だ。教科書採択の最終決定機関は県教委だ」と強調。再考要請についても「混乱を避ける意味では、非常にいい判断だった」と繰り返した。 県教委が問題視した実教出版の「高校日本史A」と「高校日本史B」は、国旗掲揚と国歌斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述。県教委は国旗掲