東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳科学)らのグループは20日、子供が長時間テレビを見て生活すると、脳の発達や言語能力に悪影響を及ぼすとの研究結果を発表した。200人超の追跡調査で影響を明らかにし、論文が英国の神経科学雑誌に採択された。 調査は宮城県の5~18歳を対象にテレビの視聴時間や家庭環境を調べ、脳画像の解析や知能テストを実施。そのうちの216人を追跡調査した。 視聴時間を「見ない」から「4時間以上」まで7段階に分けて分析した結果、テレビを長時間見た子供の方が脳の成長が遅い傾向が出た。脳は神経細胞の接続を3歳ごろから減らすことで成長するが、その減少傾向が鈍かった。 川島教授は「長時間の視聴には、より一層注意が必要。子育て中の世代に、生活習慣を考え直すきっかけにしてほしい」と話している。