◇演説巧み、外交に不安要素--野田佳彦財務相(54) 「やりたかったのは文部科学相。歴史、信仰、道徳を教わっていない人がリーダーになった時、どう乗り切るか」 今年7月、横浜市で開かれた日本青年会議所主催の講演で、野田佳彦財務相は教育の重要性を訴え、自身が保守系政治家であることをアピールした。02年の民主党代表選で掲げた政策でも「戦後教育のゆがみを見直す」と打ち上げている。 05年10月には、小泉純一郎内閣に対して提出した質問主意書で「A級戦犯は戦争犯罪人ではない。合祀(ごうし)を理由に首相が靖国参拝しない論理は破綻している」と主張した。「A級戦犯の名誉は、国会決議などで法的に回復された」と考えているためだ。ただ、靖国参拝を強行した小泉首相を後押しするような内容に、党内から批判の声もあった。 保守色が、対アジア外交に影響を及ぼす可能性もある。今年5月にベトナム・ハノイであった東南アジア諸国連