大分県は8日、大分市荏隈の大分川の河川敷で人骨が見つかり、7月の豪雨で行方不明となっていた同県由布市湯布院町湯平、会社員渡辺知己さん(54)と確認したと発表した。県警が歯や顎の骨の鑑定などで特定した。 渡辺さんは7月8日未明、妻の由美さん(51)、長男健太さん(28)、義母の登志美さん(81)の3人と車で避難中に、大分川上流の花合野(かごの)川に流された。3人は同25日までに遺体で見つかった。7月の豪雨では、県内で一時6人の行方が分からなくなったが、これで全員の死亡が確認された。 (吉村次郎) 一時、家族4人が行方不明になった渡辺さん一家の中で、最後に発見された知己さん。家族には子どものような笑顔を見せる半面、勤務先では建設現場の監督として20年以上実績を積み上げ、頼れる存在だった。 家族で経営した湯平温泉の旅館「つるや隠宅」(大分県由布市)は義母の登志美さんと長男の健太さんに任せていた。