「製造業とサービス業という区別をすることに意味がない時代がやってきた」。今更感のあるテーマですが、iPod問題を考える上では、面白い論点の一つかと思います。先日参加させていただいた経営情報学会でも、同じ問題が提起されており、「そうそう、iPodにも、もの的側面とサービス的発想と両方があるよね。」と思い出したので、今回は、その視点から、「産業分野横断的なビジネス戦略に弱い日本企業」というお話を書いてみようと思います。 産業分野別に見れば外貨獲得能力が高く国際競争力があるのは自動車、家電(?)といった「ものづくり」分野です。様々な生産性に関する統計を見ても、製造業の優位は明らかです。このため、「製造業は立派だけど、サービス業は今ひとつだ」といった図式が成り立ちやすい。確かに、サービス業の名目GDPに占める比率は21世紀に入って逆転したのに、実質GDP比でみると見事に変化が無く、サービス業が製造