2022年5月下旬に発売された『日本共産党 「革命」を夢見た100年』(中公新書)が456ページと大部であるにもかかわらず4刷4万部を超えてと勢いよく売れている。しかし7月10日に行われた参院選では、日本共産党は議席を減らしており、支持者が増えているとは言えない――ではなぜ注目を集めているのか。著者の中北浩爾・一橋大学大学院社会学研究科教授と担当編集者の中央公論新社・白戸直人氏に訊いた。 10年前とは異なる共産党の存在感と、事実ベースで書いた書籍の不在 中公新書から刊行された政党(史)ものには、2017年刊の中北氏による『自民党 「一強」の実像』、薬師寺克行・東洋大学教授が前年に刊行した『公明党 創価学会と50年の軌跡』があるが、これらよりも今回の『日本共産党』は動きがいいという。 「全く売れるとは思っていなかったんです」と言って中北浩爾氏は笑うが、注目の理由をどう分析しているのか。 「戦