北欧フィンランドは、約540万人の全国民に月額800ユーロ(約11万円)の「ベーシックインカム」を支給する検討を始めた。2016年11月までに最終決定される見通しで、導入されれば世界初となる。 まだ実際に導入が決まったわけではないが、反響は大きい。日本でも今月このニュースが報じられると、インターネット上で「壮大な社会実験が始まった」「日本も導入を検討してもよい」などと称賛する声が上がった。 ベーシックインカムとは、就労や資産の有無にかかわらず、すべての国民に対して生活に最低限必要な収入を現金で給付する社会政策である。社会保険など従来の所得保障がなんらかの受給資格を設けているのに対し、無条件で給付するのが最大の特徴だ。 全国民に漏れなく最低限度の収入を保障することで、「ワーキングプアなど従来の社会保障で救えなかった人々も助けることができる」と期待する声がある。 だが、本当にベーシックインカム