日本の小売業者にとっても他人事ではない。英国で老舗小売り大手、大型ディスカウントストア、スーパー、レストランなどが次々と店舗数の大幅縮小に迫られている。今年上半期ですでに総計約3万5000人の雇用が消える見込みだ。 5月、老舗小売り大手「マークス&スペンサー」が、2022年までに100店舗を閉鎖すると発表し、英国内に大きな衝撃が走った。1884年創業の通称「M&S」は国内で約6万人を雇用する小売業で、海外30カ国のフランチャイズ店を含めると約8万人が働く。英国では目抜き通りに必ずあるのがM&Sで、ここを中心に商店街が形成されている場合が多い。衣料品販売の小売りでは最大規模を誇り、「加熱するだけ」の食品の販売でもその質の高さを誇ってきた。 M&Sに何があったのか そんなM&Sが全1035店舗のうちの10%を閉店すれば、多くの雇用が影響を受けるばかりか、地域によっては商店街瓦解の道も作ってしま