2013年12月15日、筆者が在外研究のために滞在していたスウェーデンの首都ストックホルム市では、日暮れの早い街並に家々の窓辺からクリスマスを迎える飾り付けが優しい光を放つ季節に、反人種差別を訴える市民のデモ行進が行われていた。ストックホルム中心部からメトロで15分ほど南の住宅街シャルトルプでのことである。 その2ヶ月ほど前から、このシャルトルプ地区では「スウェーデン抵抗運動」と名乗るネオナチの行動が目立つようになり、高校の校舎や駅ビルなどにナチスのハーケンクロイツのマークや人種差別的ないたずら書きがスプレーされたり、若者がネオナチからいわれのない暴行を受けたりする事件が発生していた。 小雨の降る土曜日の昼前から行われたこの日のデモは、この地区でのこうした動きを憂慮した「反人種差別ライン17」という活動家のネットワークが、ソーシャルメディアを通じて参加を呼びかけたもので、子どもから高齢者ま
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