出版社は飛鳥新社で400ページ超えの本にもかかわらず定価が2273円+税で、みすず書房とかの本を買い慣れている人には「???」という感じなのですが、決して怪しい本ではありませんし、35歳の若さでオックスフォード大学の正教授になったという著者が、現代の政治がうまくいかない理由を実証と理論の両面から教えてくれる非常にためになる本です。 監訳者は『大阪 大都市は国家を超えるか』や『分裂と統合の日本政治』の砂原庸介ですが、砂原庸介・稗田健志・多湖淳の教科書『政治学の第一歩』と同じように、本書も集合行為論をキーにさまざまな問題が論じられており、具体的なテーマを通じて政治学の理論も学べる形になっています。 目次は以下の通り。 第1部 民主主義―「民意」などというものは存在しない 第2部 平等―権利の平等と結果の平等は互いを損なう 第3部 連帯―私たちが連帯を気にするのは、自分に必要なときだけ 第4部