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  • 今までの人生で脳汁が出たコンテンツ62本 - シロクマの屑籠

    今までの人生で脳汁がでるほど嵌ったコンテンツ125 +α本 - orangestarの雑記 数日前に、小島アジコさんが「今までの人生で脳汁がでるほど嵌ったコンテンツ125 +α本」という長ったらしい文章をブログに書いておられた。あの滅茶苦茶な長文は、不特定多数が読むことを度外視した、ふた昔ほど前のブログの文章、というよりウェブサイトの文章のようだった。 で、読んでいるうちに自分も同じことをやってみたくなった。そうすることで、私と小島アジコさんの嗜好の違いや来歴の違いだけでなく、「脳汁が出るほどハマッたものの定義の違い」みたいなものも詳らかになる気がしたからだ。このブログの常連読者さんでない人には読む価値の無い文章なので、それでも読みたい人だけ付き合ってやってください。 小学校低学年まで 小学校低学年だったのは昭和56年~59年ぐらい、ファミコンはまだ普及していなかったしビデオ録画もできなか

      今までの人生で脳汁が出たコンテンツ62本 - シロクマの屑籠
    • コロナ後の世界 - 内田樹の研究室

      『月刊日本』にロングインタビューが掲載された。「コロナ後の世界」について。 ■「独裁か、民主主義か」という歴史的分岐点 ―― 世界中がコロナ危機の対応に追われています。しかしたとえコロナが収束しても、もはや「元の世界」には戻らないと思います。内田さんはコロナ危機にどんな問題意識を持っていますか。 内田 新型コロナウイルス禍は、これからの世界のあり方を一変させると思います。「コロナ以前」と「コロナ以後」では世界の政治体制や経済体制は別のものになるでしょう。 最も危惧しているのは、「新型コロナウイルスが民主主義を殺すかもしれない」ということです。こういう危機に際しては民主国家よりも独裁国家の方が適切に対処できるのではないか・・・と人々が思い始めるリスクがある。今回は中国が都市閉鎖や「一夜城」的な病院建設や医療資源の集中という、民主国家ではまず実施できない政策を強権的に下して、結果的に感染の抑制

      • 「大学生にオススメな本のリスト」をアメリカの有名大学が公開、大学生は一体どんな本を読むべきなのか?

        「学生のうちにたくさん本を読んだ方がいい」とよく言われますが、多くの人々にとっては何を読めばいいのかを判断すること自体が困難な課題です。そこで、1冊の本をじっくり読み込む「Great Books curriculum(グレート・ブックス・カリキュラム)」を実践しているアメリカのセント・ジョンズ・カレッジが、「大学生にオススメな本のリスト」を公開しています。 Great Books Reading List and Curriculum | St. John's College https://www.sjc.edu/academic-programs/undergraduate/great-books-reading-list 以下のリストが公式ページで紹介されている全書籍というわけではなく、日本語訳で単著として出版されており、比較的入手しやすい書籍を優先的にピックアップしているほか、科学

          「大学生にオススメな本のリスト」をアメリカの有名大学が公開、大学生は一体どんな本を読むべきなのか?
        • 菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 安保法制、特定秘密保護法、辺野古などで政府に異論:東京新聞 TOKYO Web

          政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」が、新会員として内閣府に推薦した法律・歴史学者ら6人の任命について、菅義偉首相が拒否していた問題。6人は安全保障関連法や特定秘密保護法などで政府の方針に異論を示してきた。政府の意に沿わない人物は排除しようとする菅政権の意図が浮かぶ。 ■東京大社会科学研究所教授の宇野重規(しげき)教授(政治思想史) 2013年12月に成立した特定秘密保護法に対し、「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判。「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼び掛け人にも名を連ねていた。07年に「トクヴィル 平等と不平等の理論家」でサントリー学芸賞受賞。 ■早稲田大大学院法務研究科の岡田正則教授(行政法) 「安全保障関連法案の廃止を求める早稲田大学有志の会」の呼び掛け人の1人。沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設問題を巡っては18年、他の学者らとともに政府の対応に抗議する声

            菅首相が学術会議の任命を拒否した6人はこんな人 安保法制、特定秘密保護法、辺野古などで政府に異論:東京新聞 TOKYO Web
          • 『リベラリズムはなぜ失敗したのか』(原書房) - 著者:パトリック・J・デニーン 翻訳:角 敦子 - 宇野 重規による解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

            著者:パトリック・J・デニーン翻訳:角 敦子出版社:原書房装丁:単行本(264ページ)発売日:2019-11-21 ISBN-10:4562057106 ISBN-13:978-4562057108 内容紹介: 多くの民主主義国家で不平等が拡大し、強権政治が台頭し、リベラリズムが機能不全となっている。注目の政治学者が政治、経済、教育、テクノロジーといった様々な分野で見られる問題を検証し、失敗の原因と是正をさぐる。 ヨーロッパ各地の極右政党、トランプ大統領誕生、ブレグジット……リベラリズムとデモクラシーはもう終わりなのか? 2018年7月にオバマ元米国大統領がフェイスブックで称賛、いまもアメリカで話題を読んでいる政治学書が日本でも先日翻訳出版された。政治学者・宇野重規による解説を公開する。 リベラリズムは死に体か?昨今、リベラリズムやデモクラシーの衰退を説く本は多い。無理もないだろう。これま

              『リベラリズムはなぜ失敗したのか』(原書房) - 著者:パトリック・J・デニーン 翻訳:角 敦子 - 宇野 重規による解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
            • おすすめ新書リスト200|高見温| On Takami

              とりあえず読んで良かった新書を羅列していきます。人文系に偏っているのは、性格上仕方がないのでご理解ください。とりあえず質うんぬんは大学院から考えて、インプット型の読書は量に限ります。 岩波新書・マイケル・ローゼン『尊厳』 ・スティーブン・グリーンブラット『暴君』 ・原武史『平成の終焉』『昭和天皇』 ・赤江達也『矢内原忠雄 戦争と知識人の使命』 ・山田隆司『名誉毀損』 ・岡本薫『著作権の考え方』 ・川島武宣『日本人の法意識』 ・諸富徹『グローバル・タックス』 ・枝廣淳子『地元経済を創りなおす』 ・渡邊泉『会計学の誕生』 ・志賀櫻『タックス・イーター』『タックス・ヘイブン』 ・宇沢弘文『経済学の考え方』 ・高島善哉『アダム・スミス』 ・菊地暁『民俗学入門』 ・山出保『まちづくり都市金沢』『金沢を歩く』 ・井戸まさえ『日本の無戸籍者』 ・栗原俊雄『勲章 知られざる素顔』 ・山田登世子『贅沢の条件

                おすすめ新書リスト200|高見温| On Takami
              • 「リベラル」なリベラリズムの再生に向けて――『リベラリズム 失われた歴史と現在』ヘレナ・ローゼンブラット(青土社)/三牧聖子(訳者) - SYNODOS

                2021.02.05 「リベラル」なリベラリズムの再生に向けて――『リベラリズム 失われた歴史と現在』ヘレナ・ローゼンブラット(青土社) 三牧聖子(訳者)国際政治学 #「新しいリベラル」を構想するために 『リベラリズム 失われた歴史と現在』は、Helena Rosenblatt, The Lost History of Liberalism: From Ancient Rome to the Twenty-first Century, Princeton University Press, 2018の全訳である。著者ヘレナ・ローゼンブラットは、ジャン=ジャック・ルソーおよびバンジャマン・コンスタンの研究者として知られる。それらの個別研究を踏まえ、またフランス・リベラリズムについての共著の公刊も経て(注1)、より広い視点から政治思想としての「リベラリズム」の歴史そのものの見直しに正面から取り

                  「リベラル」なリベラリズムの再生に向けて――『リベラリズム 失われた歴史と現在』ヘレナ・ローゼンブラット(青土社)/三牧聖子(訳者) - SYNODOS
                • 世界史をやり直したら、自分の時代錯誤に気づいた

                  まず、自分の歴史認識が古いこと。 学校で習った「歴史」は、石油危機と東西冷戦のあたりで終わっている。そして当然、私が生きているあいだも歴史は書かれていく。 しかし、私はそれらを「ニュース」として知る。 メディアやネットを通じた出来事として接する。大きな事件や紛争の報道には、そこに至る経緯も解説されるが、それだけだ。私は少し心を痛め、赤十字に募金し、次のニュースを見る。ニュースは上書きされ、私の関心や、日本との関わりが遠いほど速やかに流されてゆく。 食糧問題は解決した? 例えば、飢餓人口について。 どこかで「飢えに苦しむ人は大幅に減少している」と耳にしたことがあった。食糧問題や貧困は大きく解消に向かっているという主張だったと記憶している。 しかし、サハラ以南ではここ半世紀一貫して増加していることを知った(下図参照)。また、世界全体から見ても、2014年を境に増加に転じていることが分かった(※

                    世界史をやり直したら、自分の時代錯誤に気づいた
                  • ノア・スミス「エリート過剰生産仮説」(2022年8月26日)

                    [Noah Smith, “The Elite Overproduction Hypothesis,” Noahpinion, August 26, 2022] 2000年代から2010年代に,アメリカは鬱憤をためた大卒者を輩出しすぎたのかも? “We’re talented and bright/ We’re lonely and uptight/ We’ve found some lovely ways/ To disappoint” — The Weakerthans ♪オレらはまぶしいほど才能にあふれながら / 孤独でピリピリしてる / オレらが見つけた最高の / 絶望の方法 ――The Weakerthans 目を見張ってしまうちょっとしたデータを見てもらおう:アメリカ国内で人文学を専攻してる大学生の割合は,2010年以降に完璧に崩壊してる. @ipeds_nces just r

                      ノア・スミス「エリート過剰生産仮説」(2022年8月26日)
                    • 2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな

                      2010年代になって自分の読書傾向は、完全に哲学・思想、心理、社会、歴史といった人文科学から政治、経済などの社会科学に移りました。その中でいろいろな面白い本に出会うことができたわけですが、基本的に社会科学の本、特に専門書はあまり知られていないと思います。 人文科学の本は紀伊國屋じんぶん大賞など、いろいろと注目される機会はあるのに対して、社会科学の本はそういったものがないのを残念に思っていました。もちろん、いい本は専門家の間で評価されているわけですが、サントリー学芸賞などのいくつかの賞を除けば、そういった評価が一般の人に知られる機会はあまりないのではないかと思います。 そこで社会科学の本の面白さを広めようとして書き始めたこのエントリーですが、最初にいくつか言い訳をします。 まず、「社会科学の本」と大きく出たものの、法学や経営学の本はほぼ読んでいませんし、以下にあげた本を見てもわかるように社会

                        2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな
                      • 世界で最も「市場原理主義的」だった国|マクシム

                        さてこの国はどこでしょう ・消費が80%とGDPの大半を占める ・国民が政治に非常に高い関心を持っている ・企業は銀行よりも株式市場から資金調達がち ・経営者は短期的利益ばかり求められ業績が悪いと即クビ ・解雇、採用が頻繁に行われ、転職率も高い ・労働組合は主に産業別に組織されている — マクシム(経世済民) (@thksngy) June 26, 2021 上記に挙げた要素はすべて現代日本とは真逆の要素を示していて、まるで海の向こうにある強欲な国のようにも思われます。 ・・・しかし結論から言うと、この質問の答は「1920年代の日本」なのです。ちょっとずるいけど、現代のアメリカもフランスもドイツも投票率は8割いってませんし、消費はGDPの8割もいってません。なのでハズレです。日本に入れてくれた人は意外とたくさんいましたが、大半はアメリカを選択してくれました。また選択肢を見て深く考えてくれた

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                        • 「リベラルとは何か」書評 「自由と再分配」の危機と可能性|好書好日

                          リベラルとは何か 17世紀の自由主義から現代日本まで (中公新書) 著者:田中拓道 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット リベラルとは何か [著]田中拓道 リベラルという言葉の使い方は実に難しい。もともと多義的なことに加え、現在ではしばしば(あるいはほとんどの場合)否定的な含意を込めて使われるからだ。日本では1990年代半ばの政治改革期に、それまでの革新という言葉に代わり、突如として用いられ始めた。リベラルを掲げる政治勢力に属する政治家が、「ところでリベラルって何だ」と聞いたという笑えない逸話も残っている。 本書の最大のメリットは、この言葉を明確に絞り込んで使っている点である。例えば本欄でも取り上げられたヘレナ・ローゼンブラットの『リベラリズム 失われた歴史と現在』が、古代ローマ以来の射程でこの概念を捉えるのに対し、本書の基軸となるのは20世紀に生まれた現代リベラルであ

                            「リベラルとは何か」書評 「自由と再分配」の危機と可能性|好書好日
                          • 「暴君」書評 無法で無能な統治者は自滅する|好書好日

                            暴君 シェイクスピアの政治学 (岩波新書 新赤版) 著者:河合祥一郎 出版社:岩波書店 ジャンル:新書・選書・ブックレット 暴君 シェイクスピアの政治学 [著]スティーブン・グリーンブラット 「混乱の時代に頭角を現し、最も卑しい本能に訴え、同時代人の深い不安を利用する人物」、それが暴君だ。「統治者としてふさわしくない指導者、危険なまでに衝動的で、邪悪なまでに狡猾(こうかつ)で、真実を踏みにじるような人物」であるにもかかわらず、国全体がそのような暴君の手に落ちてしまう。暴君はあからさまな嘘(うそ)をつくが、いくら反論されても押し通し、最後は人々もそれを受け入れてしまう。ナルシシストである暴君は法を憎み、法を破ることに喜びを感じる。 これは現代の話ではない。『マクベス』や『リア王』、『ジュリアス・シーザー』などの作品に登場する暴君たちの描写を分析する、シェイクスピア研究の世界的権威の著作の一節

                              「暴君」書評 無法で無能な統治者は自滅する|好書好日
                            • <特別編・前編>宮台真司の『ミッドナイト・ゴスペル』評:サラダボウルの中にいた「見たいものしか見ない」主人公が「倫理」に気づく

                              <特別編・前編>宮台真司の『ミッドナイト・ゴスペル』評:サラダボウルの中にいた「見たいものしか見ない」主人公が「倫理」に気づく リアルサウンド映画部にて連載中の社会学者・宮台真司による映画批評。今回は特別編として、6月1日放送のミュージシャン・ダースレイダーとのライブ配信企画「100分de宮台」の第4回目を対談形式にて掲載する。前回の『呪怨:呪いの家』評(参照:宮台真司の『呪怨:呪いの家』評:「場所の呪い」を描くJホラーVer.2、あるいは「人間主義の非人間性=脱人間主義の人間性」)では、汎システム化による1988年以降の日本社会の劣化を指摘した宮台。本稿の前編では、アメリカに目を向け、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害された事件を発端とする「Black Lives Matter」運動で揺れる社会の分断に始まり、そんな「脆弱さ」を露呈したリベラルの現状を90年代から予測していた

                                <特別編・前編>宮台真司の『ミッドナイト・ゴスペル』評:サラダボウルの中にいた「見たいものしか見ない」主人公が「倫理」に気づく
                              • ノエル・ジョンソン&マーク・コヤマ「近代国家と経済成長にはどんな関係があるのか:国家行使能力(State Capacity)に関する経済史研究のサーヴェイ」(2017年4月1日)

                                近年の政治経済学と開発経済学における研究は揃って、経済成長を実現させた国とさせられなかった国を分かつ要因を説明する上で、「国家行使能力」(state capacity)の重要性を強調している。 アブストラクト 「国家行使能力」(State capacity)は、開発経済学や政治経済学で最も議論される概念の1つとなってきている。このサーヴェイでは、近代国家が行使能力を獲得するプロセスについて、経済史研究が重要な洞察を提供していると論じる。ヨーロッパとアジアの様々な国における国家建設のプロセスを検討することで、国家行使能力と経済成長の関係を「解きほぐす」(decompress)ことができる。本稿での分析は、国家建設プロセスが多様な性質を持っていることを強調する。また本稿では、国家行使能力と経済成長を関係づけるメカニズムの解明にとって手助けとなる近年の研究に焦点を当てる。 [1] … Conti

                                  ノエル・ジョンソン&マーク・コヤマ「近代国家と経済成長にはどんな関係があるのか:国家行使能力(State Capacity)に関する経済史研究のサーヴェイ」(2017年4月1日)
                                • 民主主義入門 | 第1章 民主主義とは何か 〜4つの危機〜

                                  民主主義はいま「4つの危機」に直面している──『民主主義とは何か』の著者である宇野重規先生はそう指摘します。第1章では民主主義に対する議論の根本にある矛盾を指摘しつつ、現在、民主主義が抱えている問題を解説します。 宇野重規 1967年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。主な著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』、『未来をはじめる 「人と一緒にいること」の政治学』、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』、『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』など。

                                    民主主義入門 | 第1章 民主主義とは何か 〜4つの危機〜
                                  • じつは、東日本と西日本は大きく違っていた…民俗学が明らかにした「社会構造」(宇野 重規,若林 恵,畑中 章宏)

                                    2月20日に、ジュンク堂書店池袋本店で『『忘れられた日本人』をひらく――宮本常一と「世間」のデモクラシー』(黒鳥社刊)発売記念トークイベントが行われた。 参加者はこの新刊で対談している民俗学者の畑中章宏氏とコンテンツディレクターの若林恵氏、加えて若林を聞き手として昨年秋に刊行された『実験の民主主義――トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ』(中公新書)の政治哲学者・宇野重規氏。 6月3日からは、畑中氏を指南役に起用したNHK Eテレの人気番組「100分de名著」で宮本常一『忘れられた日本人』が放送されているが、その予習としても楽しみたい、「民主主義」と「民俗学」と「世間」とをめぐる鼎談を4回に分けてお届けする。 民俗学と政治思想史 若林 『『忘れられた日本人』をひらく』では宇野先生に帯の文言をいただいたんですよね。 宇野 「宮本常一は民主主義の理論家だ!」って、すごいこと言ってますね

                                      じつは、東日本と西日本は大きく違っていた…民俗学が明らかにした「社会構造」(宇野 重規,若林 恵,畑中 章宏)
                                    • 憲法学の散歩道第38回 ソクラテスの問答法について

                                      はせべ・やすお  早稲田大学法学学術院教授。1956年、広島生まれ。東京大学法学部卒業、東京大学教授等を経て、2014年より現職。専門は憲法学。主な著作に『権力への懐疑』(日本評論社、1991年)、『憲法学のフロンティア 岩波人文書セレクション』(岩波書店、2013年)、『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年)、『Interactive 憲法』(有斐閣、2006年)、『比較不能な価値の迷路 増補新装版』(東京大学出版会、2018年)、『憲法 第8版』(新世社、2022年)、『憲法学の虫眼鏡』(羽鳥書店、2019年)、『法とは何か 新装版』(河出書房新社、2024年)ほか、共著編著多数。 筆者はいわゆるロースクールに所属している。法曹養成を任務とするロースクールでは、ソクラティック・メソッドと呼ばれる問答を通じた教育が推奨されている。アメリカのロースクールでは、そうした教育方法が

                                        憲法学の散歩道第38回 ソクラテスの問答法について
                                      • 【2021年3月版】世界史関連の新刊50冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

                                        2020年12月〜2021年3月の世界史関連の新刊の紹介 恒例の世界史関連の新刊紹介です。 今回は安価な新書と高額な専門書が多めになっています。 こちらの記事ですが、特に全部読む必要はなく、ザッと中身を見たりブックマークしたりして、気になる本をメモするためにお使いください。個人的にも、書店に行ったときにこの記事を見返して探したりします。 今回は50冊あります。それではどうぞ。 1. 『太平天国』 菊池 秀明 著 岩波新書 2020/12/18 税抜860円 太平天国――皇帝なき中国の挫折 (岩波新書 新赤版 1862) 作者:菊池 秀明 発売日: 2020/12/19 メディア: 新書 「滅満興漢」を掲げて清朝打倒をめざし、皇帝制度を否定した太平天国。その鎮圧のために組織され、台頭する地方勢力の筆頭となった曽国藩の湘軍。血塗られた歴史をもたらした両者の戦いの詳細を丹念にたどり、中国近代化へ

                                          【2021年3月版】世界史関連の新刊50冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
                                        • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                                          2024年6月30日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,053点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

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                                          • 選挙制のエリート主義、抽選制と熟議民主主義(読書メモ:『選挙制を疑う』) - 道徳的動物日記

                                            選挙制を疑う(サピエンティア) (サピエンティア 58) 作者: ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック,岡?晴輝,ディミトリ・ヴァンオーヴェルベーク 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2019/04/05 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 最近は感想を本を読んだ時の感想やメモはまとまった形に残すのではなく、引用メモや雑感をTwitterの方にスレッドの形でダラダラと呟くことにしているのだが、この本は面白かったしなにより読みやすかったので感想を書くのも簡単そうだ。なのでこちらに感想を残すことにした。 本の内容のまとめや社会的背景の解説などは、政治学者の吉田徹氏が書いた以下の記事を参照してほしい。 gendai.ismedia.jp 上記の記事で紹介されているように、この本では、現代の各国で行われている選挙型の代議制民主主義は過度な選挙戦や政党政治による硬直化を招いて政

                                              選挙制のエリート主義、抽選制と熟議民主主義(読書メモ:『選挙制を疑う』) - 道徳的動物日記
                                            • 「民衆暴力」書評 仁政なき世に人々の怒りどこへ|好書好日

                                              民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代 (中公新書) 著者:藤野裕子 出版社:中央公論新社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代 [著]藤野裕子 暴力はいけない、それは間違いない。ただ、それだけでいいのか。過去に民衆がふるった暴力を、安易に正当化するのでも、あるいは単に否定するのでもなく、まずは理解し、その上で暴力とは何かを考えようとするのが本書である。江戸の百姓一揆を助走に、新政反対一揆、秩父事件、日比谷焼き打ち事件、関東大震災時の朝鮮人虐殺の四つの事件について、最新の研究の知見をもとに詳細な検討が加えられる。 江戸の百姓一揆はやみくもに暴力をふるうものではなかった。訴願を聞き入れられるよう一定の作法があり、領主の側にも百姓の生業を維持する仁政イデオロギーがあった。やがて商品経済が発達する中、作法を逸脱する一揆も出てきたが、明治維新後に起きた新政反対一揆

                                                「民衆暴力」書評 仁政なき世に人々の怒りどこへ|好書好日
                                              • 【学校教育×地域×はたらくを考える 特別座談会】その地域・学校ならではの学びから、“社会をつくる力”を身に着ける - techtekt

                                                栃木県茂木町(もてぎまち)では、活力あるまちづくりを推進するため、雇用や観光、子育て、教育などをテーマにさまざまな取り組みを行っています。 取り組みテーマの一つである「教育」において、株式会社Prima Pinguino(以下、プリマペンギーノ社)が手掛ける「高校魅力化プロジェクト」を2021年に導入した茂木町。栃木県立茂木高校に開校した無料の公営塾「ゆずも塾~VIVAもてぎ~」では、教科学習はもちろん、地域と連携した学びを通じて高校生が自らの進路について考え、つかみ取るための学習をも支援しています。 パーソルキャリアでは、「キャリアオーナーシップを育む社会を創造する」というメッセージのもと、転職はもとより“はたらく”を考えるすべての人が、自分の可能性を信じ、自ら選択・行動できるような社会を創っていきたいと考えています。 そこで、前回は公営塾の探究学習にて、パーソルキャリアのメンバー2名に

                                                  【学校教育×地域×はたらくを考える 特別座談会】その地域・学校ならではの学びから、“社会をつくる力”を身に着ける - techtekt
                                                • 【書評】奇跡の社会科学  中野剛志  PHP 新書 - 京都のリーマンメモリーズ

                                                  今週のお題「あまい」 ダイエットのために、甘いモノを一切控えていた時期がありました。最近は、ブラックコーヒーのお供に、チョコレートなど甘いモノを食べています。甘いモノとコーヒーがなかなか合うんですよね。苦い抹茶に甘い和菓子を食べるように、一見正反対のものが、奇跡の融合を生み出すことがありますね。今回は、奇跡の社会科学という、現代社会問題の解決策が、既に出ていた事を教えてくれるすんごい本を紹介します。(笑) 【1.本書の紹介】 【2.本書のポイント】 【3.本書の感想】 【4.関連書籍の紹介】 【1.本書の紹介】 社会科学というと、とっつきにくい感じがしますね。 研究の先は、人間や社会であり、人間がどう行動するのかということを研究していますので、古い本であっても、人間の変わらない本質を言い当てていることが多々あります。 日本の失われた30年と言われますがその停滞の理由や、ロシアのウクライナ侵

                                                    【書評】奇跡の社会科学  中野剛志  PHP 新書 - 京都のリーマンメモリーズ
                                                  • W. ウォーカー・ハンロン「ヴェルナー・トレスケン著『自由の国と感染症――法制度が映すアメリカのイデオロギー』書評:ケンブリッジ大学出版」(2016年11月17日)

                                                    W. ウォーカー・ハンロン「ヴェルナー・トレスケン著『自由の国と感染症――法制度が映すアメリカのイデオロギー』書評:ケンブリッジ大学出版」(2016年11月17日) The Pox of Liberty: How the Constitution Left Americans Rich, Free, and Prone to Infection. By Werner Troesken. Chicago: The University of Chicago Press, 2015. Published online by Cambridge University Press: 17 November 2016 〔訳者まえがき:本サイトで、ジョージ・メイソン大のマーク・コヤマ教授の論考を翻訳したことをきっかけに、その論考で取り上げられていたピッツバーグ大のヴェルナー・トレスケン教授の著作『自由

                                                      W. ウォーカー・ハンロン「ヴェルナー・トレスケン著『自由の国と感染症――法制度が映すアメリカのイデオロギー』書評:ケンブリッジ大学出版」(2016年11月17日)
                                                    • 何者でもない自分の存在価値を高めるための思想的所属の欺瞞 〜二流論者(偽物)の出世の階段/梯子としての思想(保守/左翼)の意味や特徴と、本来占められるべき地位に偽物が居座る問題 - 日々是〆〆吟味

                                                      二流以下における思想的所属の価値 思想的立場の違いによる嫌悪感 出世の階段としての思想的グループ 小さな者を大きく見せるカラクリとしての所属 本来占められるべきでない人々によって占められた、責任ある場所 気になったら読んで欲しい本 立花隆,佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方』 絓秀実『1968年』 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/12/13/193016 二流以下における思想的所属の価値 思想的立場の違いによる嫌悪感 思想的立場の違いと理解を一流同士の場合で考えてみました。するとやっぱり立場が違っても一流同士であればそれなりに相手のことを評価するのではないか、と思われましたね。ではなぜクモやゲジゲジのようにとことん嫌ったりするものなのでしょうか。 出世の階段としての思想的グループ ちょっとそうした考えのヒントになりそうなことを佐藤優が言っ

                                                        何者でもない自分の存在価値を高めるための思想的所属の欺瞞 〜二流論者(偽物)の出世の階段/梯子としての思想(保守/左翼)の意味や特徴と、本来占められるべき地位に偽物が居座る問題 - 日々是〆〆吟味
                                                      • フランス革命の影響と社会の変化/混乱に対するバークの異議申し立てという保守主義による保守の誕生 〜既成の社会秩序の維持と破壊への反対という保守思想【バーク『フランス革命についての省察』 】 - 日々是〆〆吟味

                                                        フランス革命と保守主義の誕生 フランス革命と社会の大混乱 フランス革命と保守主義 〜エドマンド・バークの『フランス革命についての省察』 イギリスと保守的風土 気になったら読んで欲しい本 バーク『フランス革命についての省察』 池田理代子『ベルサイユのばら』 ギタール『フランス革命下の一市民の日記』 トクヴィル『フランス二月革命の日々』 前回のお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/22/190030 フランス革命と保守主義の誕生 フランス革命と社会の大混乱 資本主義が成立することによって経済システムが変わり、それに伴って社会システムも変わってしまい政治システムも変わってしまいました。しかしこんな激変が起こったら、その社会が大混乱に陥るのは目に見えています。事実混乱は起こりました。その際たるものがフランス革命ともいえるかもしれませんね(だって貴

                                                          フランス革命の影響と社会の変化/混乱に対するバークの異議申し立てという保守主義による保守の誕生 〜既成の社会秩序の維持と破壊への反対という保守思想【バーク『フランス革命についての省察』 】 - 日々是〆〆吟味
                                                        • 自由論 - 内田樹の研究室

                                                          アメリカにおける自由と統制 アメリカの話をしようと思う。自由を論じるときにどうしてアメリカの話をするのかと言うと、私たち日本人には「自由は取り扱いのむずかしいものだ」という実感に乏しいように思われるからである。私たちは独立戦争や市民革命を経由して市民的自由を獲得したという歴史的経験を持っていない。自由を求めて戦い、多くの犠牲を払って自由を手に入れ、そのあとに、自由がきわめて扱いにくいものであること、うっかりすると得た以上に多くのものを失うかも知れないことに気づいて慄然とするという経験を私たちは集団的にはしたことがない。「自由」はfreedom/Liberté/Freiheitの訳語として、パッケージ済みの概念として近代日本に輸入された。やまとことばのうちには「自由」に相当するものはない。ということは、自由は土着の観念ではないということである。 私たちはややもすると私たちは「自由というのはす

                                                          • フランスの大学入試、バカロレア資格とは何か? | The HEADLINE

                                                            公開日 2022年06月17日 12:22, 更新日 2023年09月19日 11:07, 有料記事 / 欧州 / 社会 日本時間6月15日午後、フランスの大学入試に相当するバカロレアの哲学試験が執り行われた。 今年の哲学筆記試験では「芸術の実践は世界を変えるか」「何が正しいかを決めるのは国家なのか」といった問題が出題された。いずれも難問揃いだ。このように「フランスでは高校生が哲学を学んでいる」という事実は、日本の暗記偏重教育を批判する際の根拠として引き合いに出されることが多い。 だが、フランス哲学を専門とする京都薬科大学准教授の坂本尚志氏は、バカロレアは自分の思ったことを自由に書けばよいという理解は誤っているとして警鐘を鳴らす。同氏によれば、バカロレアは厳密な採点基準が存在し、思ったことを何でも書いてよいわけではない。バカロレアの採点基準は、日本で思われているよりもはるかに形式重視なのだ

                                                              フランスの大学入試、バカロレア資格とは何か? | The HEADLINE
                                                            • 『怒りの時代 世界を覆い続ける憤怒の近現代史』 - HONZ

                                                              本書『怒りの時代││世界を覆う憤怒の近現代史』は、インドの評論家で作家のパンカジ・ミシュラのAge of Anger: A History of the Present を全訳したものである。原書は2017年1月、イギリスのアレン・レーンから刊行された。刊行直後からイギリスやアメリカを中心に話題となり、「ニューヨーク・タイムズ」や「ガーディアン」などの有力紙に書評が掲載され、大きな反響を呼んだ。『怒りの時代』は著者のミシュラの7冊目の著作に当たり、邦訳書としては20世紀初頭のアジアで 活躍した三人の思想家、イスラム活動家のジャマールッディーン・アフガーニー、中国の梁啓超 、英領インドの詩人ラビンドラナート・タゴールの業績と思想を解き明かした『アジア再興ーー帝国主義 に挑んだ志士たち』(園部哲訳、白水社、2014年)に次いで2冊目となる。 21世紀、グローバル化された世界で、人びとは新たに結

                                                                『怒りの時代 世界を覆い続ける憤怒の近現代史』 - HONZ
                                                              • ミルの『自由論』について - 内田樹の研究室

                                                                週刊東洋経済が古典の再評価という特集をした。どんな本をお薦めしますかというので、ミルの『自由論』を選んだ。 J.S.ミル『自由論』(引用は斉藤悦則訳、光文社古典新訳文庫による) 【よみどころ】 「人民の意志というのは、じっさいには人民のもっとも多数の部分の意志、あるいは、もっともアクティブな部分の意志を意味する。多数派とは、自分たちを多数派として認めさせることに成功したひとびとである。それ故に、人民は人民の一部を抑圧したいと欲するかもしれないので、それに対する警戒が、ほかのあらゆる権力乱用への警戒と同様に、やはり必要なのである。」(18頁、強調はミル) 「人間が判断力を備えていることの真価は、判断を間違えたときに改めることができるという一点にあるのだから、その判断が信頼できるのは、間違いを改める手段をつねに自ら保持している場合のみである。」(53頁) 「人の意見は、それをほんとうに信じてい

                                                                • スマニュー・鈴木健の熱血討論 アメリカを旅して見えた分断と民主主義 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

                                                                  アメリカの分断は、2000年代から始まっていたのか──。ニュースアプリ「スマートニュース」の米国版をローンチした2014年のこと。創業者の鈴木健は調査機関「ピューリサーチセンター」の記事を読んで衝撃を受けたという。 それは、すでに2000年代にはアメリカで共和党支持者と民主党支持者との間の分断が発生していたことを示すものだった。 「現地でスマートニュースの事業をどういうふうにやっていくのか考えている時に、この記事を読んで大変印象に残りました。こういう現象を理解するには実際にアメリカを回ってみるしかないと思い、ロードトリップをしようと思ったのです」 鈴木が旅立ったのは、トランプやヒラリー・クリントンが各党の候補になるために予備選挙を戦っていた2016年の初めだった。それ以来、昨年の大激戦の大統領選挙まで、鈴木はアメリカのスモールタウンまで分け入るように、長旅を重ねた。 分断がショートタームで

                                                                    スマニュー・鈴木健の熱血討論 アメリカを旅して見えた分断と民主主義 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
                                                                  • 連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回|本がひらく

                                                                    政治思想史家の重田園江さんによる好評連載「アナキスト思想家列伝」第8回! あらためて注目が集まっているアナキズム思想の現代的可能性をビシバシと伝えていく連載です。今回は3人目として日本の現役の思想家を取り上げる待望の回「ねこと森政稔」の前半です! ※これまでの各シリーズは下記よりお読みいただけます。 「序 私はいかにして心配するのをやめ、アナキストについて書くことにしたか」へ 「ジェイン・ジェイコブズ編」の第1回へ 「ヴァンダナ・シヴァ編」の第1回へ 駒場のねこたち 去年の秋のことだ。ミネルヴァ書房から本が送られてきた。送り主は森政稔。あれ、本を出すなんて聞いてないけど、と包みをビリビリ破ると、中から『猫と東大。』なる本が出てきた。「あっ、すごい」。表紙はおそらく、あとで森政稔との2ショット写真を載せるミレちゃん(現在推定14歳)だ。 この本には、ねこ好きやねこ飼いの東大の先生たちが出てき

                                                                      連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回|本がひらく
                                                                    • 3. トクヴィルの確信 - 宇野重規 | トイビト

                                                                      政治に参加する平等な権利を一人ひとりの市民に保障する民主主義。日本で暮らしていると当然のことのように思えますが、世界では、民主主義国家はむしろ少数派に属するそうです。この先、民主主義ははたして生き残れるのでしょうか。生き残るためには、何が必要なのでしょうか。民主主義の辿ってきた歴史から考えます。東京大学社会科学研究所 宇野重規教授へのインタビューです。 ――古代ギリシアで生まれて以来、「民主主義」は大半の期間で衆愚政治のようなニュアンスの悪口として使われてきたということでしたが、ポジティブな意味合いになったのはいつ頃からですか。 基本的には20世紀になってからだと思いますが、どんなに遡っても19世紀の前半でしょうね。きっかけの一つになったのはトクヴィル(1805-1859)の著した『アメリカのデモクラシー』(1835年発行)という本です。 先ほどお話した通り、アメリカでは建国以来、民主制よ

                                                                        3. トクヴィルの確信 - 宇野重規 | トイビト
                                                                      • フランスが植民地問題を謝罪しない理由(前編) – 橘玲 公式BLOG

                                                                        ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2016年3月16日公開の「日本とはまったくちがう歴史認識 フランスでは植民地支配は肯定的に評価する!?」です(一部改変)。 rudall30/Shutterstock ****************************************************************************************** 2015年1月にパリの風刺雑誌シャルリー・エブドの編集部を襲撃したのはアルジェリア系フランス人の兄弟だった。だがフランスの人類学者エマニュエル・トッドは、『シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧』(堀茂樹訳/文春新書)のなかで「移民」や「イスラム」に

                                                                        • ポピュリズムとリベラル・デモクラシー(読書メモ:『ポピュリズム デモクラシーの友と敵』 - 道徳的動物日記

                                                                          ポピュリズム:デモクラシーの友と敵 作者:カス・ミュデ,クリストバル・ロビラ・カルトワッセル 白水社 Amazon 昨日の『福祉国家』に引き続き、オックスフォードのVery Short Introduction シリーズの邦訳書を紹介するシリーズ第二弾*1。 ポピュリズムとはそもそも捉えどころのない概念であり、定義すること自体が難しい。これは、「ポピュリズム」はリベラリズムやリバタリアニズムや共同体主義のように提唱者が明白で支持者も「自分は〜イズム(〜主義)を支持している」と自認できるような「自称」的な理論や概念ではなく、問題があるとされるものを名指しして批判するために使われる「他称」的な概念であることに由来している(そのほかの「他称的な概念」としてわたしの頭に思い浮かぶのは「新自由主義」「キャンセル・カルチャー」「弱者男性論」などなど)。 混乱の一端は、ポピュリズムというレッテルを、人な

                                                                            ポピュリズムとリベラル・デモクラシー(読書メモ:『ポピュリズム デモクラシーの友と敵』 - 道徳的動物日記
                                                                          • 中国から資本主義と民主主義を考える - 集英社新書プラス

                                                                            トクヴィルが論じた中国のデモクラシー 中島 今日の鼎談を楽しみにしていました。鼎談のテーマとして、デモクラシー、テクノロジー、資本主義、新しい人間観という四点を考えております。 『全体主義の克服』という本で、私はドイツの哲学者マルクス・ガブリエルさんと対談し、デジタル全体主義の問題を論じました。デジタル全体主義には、いま挙げた四点がすべて関わってきます。情報テクノロジーとデモクラシーや資本主義の関係をどう考えればいいのか。そしてデモクラシーや資本主義が新しい局面を迎えるのであれば、人間観も再定義していくことが必要なのではないか。今日は、中国を軸に据えながら、これらに問題について議論したいと思っています。 最初に中国とデモクラシーの問題から入りましょう。これは梶谷先生が主張されていることでもありますが、中国を異質な他者として排除するような仕方で理解するのはやめたほうがいい。そうではなくて、私

                                                                              中国から資本主義と民主主義を考える - 集英社新書プラス
                                                                            • 「自由の国の感染症」評の下書き|HAGINO M.D.

                                                                              以下をFacebookに投稿しました。 もう少し読み直して推敲し、Amazonレビューにしようと思っています。 【これは面白い】 畏友・西村 公男先生に御恵投頂きました。御多忙な中、このような訳業をなされたことに感服致します。ほんまようやるなぁ凄いわ、という感想。 また、みすず書房が本書の価値を理解して出版したのもポイント高いと思いました。将来的には講談社学術文庫でトクヴィル「アメリカのデモクラシー」の横に並ぶべき基本図書ではないでしょうか。 著者のトレスケンはピッツバーグ大学経済学部教授(在職中の2018年に没)、当然Covid-19 pandemic前に書かれた書物であるにもかかわらず、読んでいてそのことを忘れるような指摘があちこちにあります。というか、アメリカにおける今回のpandemicのおおまかな帰結は、過去の「感染症とアメリカ」を辿れば十分に予測可能な話であったとも言えます。大

                                                                                「自由の国の感染症」評の下書き|HAGINO M.D.
                                                                              • 宇野重規さんの推薦図書

                                                                                1967年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。現在、東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。主な著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』(2004年渋沢・クローデル賞LVJ特別賞受賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社学術文庫、2007年サントリー学芸賞受賞)、『民主主義とは何か』(講談社現代新書)など。

                                                                                  宇野重規さんの推薦図書
                                                                                • ハンス-ヨアキム・ボス他「ヒトラーのためのボーリング:極めて密な人間関係・熟議が、民主主義を崩壊させナチスの台頭を招いた可能性」(2013年8月5日)

                                                                                  ワイマール共和国の崩壊は、残忍なナチス政権を誕生させ、世界史の転換点となった。本論文では、ワイマール共和国での社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)に関する通説〔民主主義による個人主義と共同体の崩壊がナチスを誕生させた〕に反して、人々が深く繋がりあった社会が良くない結果を招く可能性について論じる。 Bowling for Adolf: How social capital helped to destroy Germany’s first democracy Posted by Hans-Joachim Voth, Nico Voigtländer, Shanker Satyanath 05 August 2013 ワイマール共和国の崩壊は、残忍なナチス政権を誕生させ、世界史の転換点となった。本論文では、ワイマール共和国での社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)に関する通説〔民主主義による

                                                                                    ハンス-ヨアキム・ボス他「ヒトラーのためのボーリング:極めて密な人間関係・熟議が、民主主義を崩壊させナチスの台頭を招いた可能性」(2013年8月5日)