米テキサス州ヒューストンのドライブスルー検査場で、新型コロナウイルスの自己検査キットを手渡す医療従事者。(PHOTOGRAPH BY CALLAGHAN O'HARE, BLOOMBERG VIA GETTY IMAGES) 今年に入って減少傾向にあった新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が、7月以降に世界各地で増加し、目の前に見えていたトンネルの出口が遠ざかってしまったような徒労感を覚える。 2021年5月、米国、ヨーロッパの一部、中東ではワクチン接種率の上昇に伴って新規感染者数が減少すると、社会的規制や旅行制限が解かれ、店は一斉に営業を再開した。ところが、喜んだのもつかの間。7月に入って米国ではワクチンの接種者数を示すグラフが横ばいとなり、感染力の強い変異株が猛威を振るうようになる。公衆衛生当局は再び方針を転換し、マスクの着用を推奨し、ワクチン接種を呼びかけた。 世界保健機関(WHO