jqがjqlang organizationに移譲され、数名の新たなメンテナーを入れた開発体制に移行してから三か月が経ちました。 私にとってこの三か月はとても濃厚で、これまでのOSS活動の中でも特に大変な期間でした。 itchyny.hatenablog.com github.com リポジトリの管理権限をいただいてからまずやったことは、既存のissueやPRの整理でした。 500ほどのissueとPRに目を通し、ラベルをつけて、解決済みのものを閉じて、直近で入れたいものを独断でリリースマイルストーンに入れていきました。 この整理がついた頃には他のメンテナの活動も活発になり、私の作ったマイルストーンのissueやPRを確認してくれました。 そして先日、ようやく1.7をリリースしました。 1.6から実に五年弱、一時は開発が完全に止まってしまいプロジェクトの存続を危ぶむ声も上がるような状況から
プログラミングを行う上でバージョン管理システムとしてよく利用される「Git」において、ほとんどの操作をやり直せるコマンド「git undo」をTwitterで働くエンジニアのarxanasさんが開発・公開しています。 git undo: We can do better https://blog.waleedkhan.name/git-undo/ Gitはユーザーのさまざまなうっかりミスに対してデータが失われにくい構造に設計されているものの、実際に操作ミスをしてしまった際にもとの状態に戻すにはそれぞれの状況に応じて別のコマンドを使わなくてはならず、「初心者がさらに間違いを重ねて複雑怪奇な状態にしてしまう」というケースがありがち。 こうした状況を解決するためにarxanasさんが開発したのが「git undo」です。git undoはその名の通り、間違って行ってしまった操作をやり直せるコマン
PCで再生中の音声をリアルタイムで文字起こしできると、字幕機能がない動画の再生や、外国とのオンライン会議で便利である。 先日、OpenAIが公開したWhisperは、音声ファイルから文字起こしするするツールが提供されているが、リアルタイムで処理するツールは提供されていない。 そこで、Pythonスクリプトで、リアルタイムで文字起こしするツールを作成した。 ループバック録音 SoundCardを使うと、PCで再生されている音声を録音することができる。 pip install SoundCardでインストールする。 import soundcard as sc with sc.get_microphone(id=str(sc.default_speaker().name), include_loopback=True).recorder(samplerate=SAMPLE_RATE, chan
H(uman-friendly) な grep コマンド hgrep をつくりました. github.com '\w+ で検索した時の出力 ファイルを特定のパターンで検索し,マッチした箇所を構文ハイライトしたコード片で表示します.超ざっくり言うと,ripgrep で検索して bat でマッチ箇所付近を表示するような感じです. grep -C によるコンテキスト表示に似ていますが,マッチ行が近い時は1つのコード片にまとめる,周囲何行を表示するかをヒューリスティックに少し賢く決めているなど,ちょっと出力は工夫しています. 動機 手元のリポジトリでコードを検索する時は 単純に grep で検索してマッチ結果を眺める grep | fzf のように検索結果を fzf で絞り込んだりプレビューする vim $(grep -l ...) のように検索結果をエディタで開く あたりを使い分けているのですが
Vectorが1990年代から提供してきたホームページのサービス(hp.vector)を、年末に終了することが分かった。7月17日ごろから利用者宛てにサービス終了の告知が届いているようだ。 告知によると12月20日をもってホームページサービスは終了し、内容はすべて削除される。Vectorは、当該ホームページを連絡先としているソフトウェアの開発者などに対応を求めている。ソフトウェアのダウンロードサービスは継続する。 Vectorは、1990年代のインターネット黎明期からある、フリーソフトなどの配信プラットフォーム。ホームページサービスは、ソフトウェアを自作する人に向け、ソフトの説明や更新告知などのために無料で提供されているもので、現在もhp.vector上には当時の人気ソフトのホームページが多く存在する。 サービス終了を受け、X上では「オンラインソフト作者の長屋みたいな感じで安心感があるドメ
Linuxのコマンドラインで文字列を検索する際に必要不可欠なコマンドといえば「grep」です。しかし、grepは動画ファイルやPDFファイルの文字列を検索できないのが弱点。そんなgrepの弱点を克服し、動画ファイルのメタデータやデータベースのレコード、画像ファイル内の文字列まで検索可能なコマンドが「ripgrep-all(rga)」です。 GitHub - phiresky/ripgrep-all: rga: ripgrep, but also search in PDFs, E-Books, Office documents, zip, tar.gz, etc. https://github.com/phiresky/ripgrep-all rgaはLinuxに限らずWindowsやmacOSでも利用することが可能。今回はUbuntu 20.04でrgaを利用してみます。以下のコマンドを
Intro 以前から騒がれていた Apple によるサイドローディング周りの緩和について、正式な情報公開があった。 Apple announces changes to iOS, Safari, and the App Store in the European Union - Apple https://www.apple.com/newsroom/2024/01/apple-announces-changes-to-ios-safari-and-the-app-store-in-the-european-union/ ストアやペイメントの緩和もあるが、ここでは WebKit に関する部分だけを抜粋し、どのような条件があるのかをまとめておく。 筆者が公開情報を読んで解釈したものなので、内容は保証しない。 前提 iOS/iPadOS に入れられるブラウザには、 WebKit を用いる必要が
Brave の紹介は必ず「すごく速いウェブブラウザ」「プライバシーを重視したブラウザ」みたいな感じになっている。そのおまけみたいに BAT(Basic Attention Token)の説明が付いてくる。実はそのトークンとトークンによって作られるエコシステムこそが彼らの狙い。BAT でそのエコシステムが回れば、クリエイターとユーザーが広告を使って共に協調しあう素晴らしい社会が生まれる。 今、Brave を使ってる人もまだ使ってない人も BAT というトークンを軸にして考えてみるとまったく新しい web3 のエコシステムが見えてくるはず。 「今後ほぼ全ての企業がトークンを発行してその経済活動を行うだろう」「スターバックスもトヨタもディズニーも街角のパン屋さんもトークンで顧客とつながるようになる」そんな話を聞いても「はぁ?」という感想を持つかもしれない。でも Brave が作り出そうとしている
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだスタジオに行ってセッションする、というのを気軽にはしにくいのが実情です。そんな中、自宅に居ながらバンドメンバーがネット越しに接続してセッションできるという夢のようなサービス、SYNCROOMを6月29日にヤマハがリリースし、誰もが無料で使えるようになりました。これを有効的に利用するにはWindowsかMacとともにオーディオインターフェイスを用意し、光回線を利用する……など多少ハードルはあるものの、多くのDTMユーザーにとっては即タダで利用できる画期的なサービスだし、「DTMはちょっと……」と敬遠してきた人でも、SYNCROOMのために各種機材を導入しても損はないと断言できるシステムです。 もともとNETDUETTOβという名称で実験的にサービス展開されてきたものが、正式リリースされた格好ですが、このタイミングでWindows版、Mac版に加えて、An
yagisan-reports開発チームリーダーのterurouです。 デンキヤギでは yagisan-reports という「Webで使うことを前提とした」商用の帳票エンジンを開発しています(厳密にはyagisan-reportsはエンジン単体の製品ではなくクラウドサービスとして開発していますが、この記事では帳票エンジンとして記載しています)。 yagisan-reportsとは 「Webブラウザ単体で動作すること」にこだわっている帳票エンジン です。 2023年11月現在、アーリーアクセス版を提供しています。既に3社5システムで本番稼働しており、一番長いものでは3年ほど本番稼働を続けています。開発中のシステムも含めると、さらに数社あります。 元々はアーリーアクセス版の公開から早めにパブリックベータに移行する計画だったのですが、ありがたいことに早期から大口の導入相談が複数あり、こちらを優
ファイルを一括でリネームしたいことはありませんか。私はあります。ということで作りました。 インストールはHomebrew brew install itchyny/tap/mmv または以下のコマンドでできます。 go get github.com/itchyny/mmv/cmd/mmv スクリーンショットではvimが起動していますが、 $EDITOR が設定されていればそれを使って編集することができます。 エディターでファイル名を編集して一括でリネームするというのは、新しい発想ではありません。 実際、多くのソフトウェア (特にファイラー) がこの機能を実装しています。 massren vimv qmv Vim plugin vimfiler Defx Vaffle fila.vim Emacs Dired 私はvimfilerの一括リネーム機能をよく使っていました。 特に不満はないのです
Tailwind CSS作者のAdam Wathan氏による「CSS Utility Classes and "Separation of Concerns"」の日本語訳です。翻訳に当たって原著者の許諾を得ています。 2021年10月29日に全文再翻訳しました。 この数年の間で、私のCSSの書き方は、非常に「セマンティック」なアプローチから「ファクショナルCSS」と呼ばれるものに変わりました。 この書き方でCSSを書くと、多くの開発者からかなりの反感を買うことがあります。そのため、私がいかにしてここまでたどり着いたかを説明することで、その過程で得た教訓や洞察について共有したいと思います。 第1段階 「セマンティック」なCSS よいCSSのためのベストプラクティスとして、耳にするであろうことのひとつは「関心の分離」です。 考え方としては、HTMLにはコンテンツについての知識のみを含めるべきで
DevToysは開発者の日々の作業をサポートする様々なミニツールを集約したオープンソースのデスクトップアプリです。Windowsエコシステムを採用するように設計されており、Windows 10のビルド1903以降で動作するそうで、Windows専用のアプリとなっています。 JSONのフォーマット、テキストdiff、RegExpのテスト、base64のエンコーダー/デコーダー、ハッシュ化ツール、 UUIDジェネレーター、loremipsumツール、JSON⇔Yaml変換、カラーシミュレーター、PNGとJPGのコンプレッサー、Markdownプレビュー、HTMLやURLのエンコーダー/デコーダーなどが1つのアプリにまとめられています。 また、クリップボードのデータを扱えるようになっており、作業を円滑に進める事が出来ます。勿論オフラインで動作しますし、OSSなのでアプリを加えたり日本語化も可能で
オンライン百科事典「Wikipedia」は調べ物をする際に有用なサービスですが、「インターネットに接続しないと閲覧できない」という問題も存在します。「Kiwix」はWikipediaなどのオンライン上のデータをローカルに保存していつでも閲覧可能にするアプリで、Windows、macOS、Linux、iOS、Androidなど各種OSで使用可能とのこと。データ通信量を削減しつつWikipediaを閲覧できて便利そうだったので、インストール手順や閲覧手順をまとめてみました。 Explore Offline Wikipedia and Educational Content with Kiwix- Kiwix https://kiwix.org/en/ KiwixはPC本体ではなくUSBメモリやSDカードなどの外部ストレージにインストールして持ち運ぶことも可能です。今回はWindows版Kiwi
自分の Qiita 記事からブログへの転載です。そこそこいいものが作れたなぁと思っています (∩´∀`)∩ qiita.com 読み方: Re:Backlogs (リ・バックログ) https://github.com/kaishuu0123/rebacklogs 2019/12/23: 使い方の記事を書きました。 Re:Backlogs の使い方を Twitter もどきアプリの開発を例に紹介します 画面紹介 マスターバックログ カンバン (Kanban) プロジェクト設定画面 説明 セットアップ方法 開発動機 ソースコード 使っている技術 実装してて楽しかったところ Drag & Drop による操作と、バックエンドのソート順保持 見やすい色を自動的に決めるアルゴリズム webpacker でのパフォーマンスチューニング 開発者なりにユーザビリティを考えること 最後に 2019/01/
Teedyはさまざまな種類のファイルの中身を読み取って検索できる状態にしてくれるドキュメント整理ツールです。受信したメールを自動で取り込む設定もできるとのことなので、実際にセルフホストして使い勝手を確かめてみました。 sismics/docs: Lightweight document management system packed with all the features you can expect from big expensive solutions https://github.com/sismics/docs TeedyのインストールにDockerを利用するので、下記のリンクから自分の環境に合った方法でDockerをインストールします。 Install Docker Engine | Docker Documentation https://docs.docker.com
昨日当ブログで紹介した「MORISAWA BIZ UDゴシックとUD明朝がオープンソースになったぞ!!」のMORISAWA BIZ UDゴシックを使用したプログラミング用合成フォントが早くもリリースされたので、紹介します。 UDEV Gothic -GitHub 作者の方によると、昨日から衝動的に作成しはじめ、本日v0.0.2がリリースしたとのことです。v0.0.2では全角スペース可視化、異体字シーケンスに対応しており、今後は半角ゼロをスラッシュ付きにするなどが予定されています。 【追記: 2022/3/24】 リガチャに対応したv0.0.3がリリースされました。 ユニバーサルデザインなBIZ UDゴシックと、開発者向けフォント JetBrains Mono を合成したフォント『UDEV Gothic』 全角スペース可視化、異体字シーケンスに対応した v0.0.2 をリリースしました🎉h
3D再構成とカメラ追跡アルゴリズムを提供するフォトグラメトリフレームワークのAliceVisionに基づくオープンソースの3D再構成ソフトが「Meshroom」です。MeshroomはWindowsとLinux向けにリリースされており、無料でインストールすることができます。 AliceVision | Meshroom - 3D Reconstruction Software https://alicevision.org/#meshroom Meshroomがどんなソフトなのかは以下のムービーを見ればよくわかります。 Photogrammetry 2 – 3D scanning with just PHONE/CAMERA simpler, better than ever! - YouTube Meshroomは複数の大学やラボの協力によって開発された、フォトグラメトリソフトウェアです
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