🌸源氏17歳夏から10月。 従者藤原惟光の母親でもある乳母の見舞いの折、 隣の垣根に咲くユウガオの花に目を留めた源氏が取りにやらせたところ、 邸の住人が和歌で返答する。 市井の女とも思えない教養に興味を持った源氏は、 身分を隠して彼女のもとに通うようになった。 可憐なその女は自分の素性は明かさないものの、 逢瀬の度に頼りきって身を預ける風情が心をそそり、 源氏は彼女にのめりこんでいく。 8月15日の夜、源氏は女の宿にすごし、 なお水入らずで落ち着ける場所をもとめ、 逢引の舞台として寂れた某院 (なにがしのいん、源融の旧邸六条河原院がモデルとされる) に夕顔を連れ込んだが、 深夜に源氏の夢に女性の霊(六条御息所とも言われるが不明)が現れて恨み言を言う。 ものに襲われる気がして目が覚めると、 灯火は消え、夕顔はそのまま人事不省に陥り、ようやく紙燭で照らすと、 夢の女が一瞬現われ、夕顔は明け方