作曲家として都はるみ「北の宿から」や日立グループ「日立の樹」などの名曲を生み出し、俳優としてもTBS系ドラマ「寺内貫太郎一家」に主演するなどマルチに活躍した小林亜星(こばやし・あせい)さんが5月30日、心不全のため死去したことが14日、分かった。88歳だった。 小林さんが音楽に出会ったのは、小学生の頃。小児ぜん息のため、生まれ故郷の東京から長野・小諸市に引っ越したことで音楽にのめり込み、ハーモニカを演奏するようになった。終戦と同時に上京すると、音楽嫌いの父親に隠れ、ギターを抱えて米軍キャンプへ繰り出した。 父のすすめで慶大医学部に進学したが、反発して3年生時に両親へ黙って経済学部に転部し、バンド活動に精を出した。1956年、大手製紙会社に入社したが、音楽への情熱は燃えたぎるばかりで、数か月で退社。作曲家・服部正さんの弟子になった。 3~4年ほど不遇の時期を過ごしたが、61年にCMソングの処