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生活史の検索結果41 - 80 件 / 236件

  • 実家から逃げ出して進学し7年が経った - 限界苦学生生存報告書

    はじめに これはわたしが実家から逃げ出し学位取得を目指した7年間の記録です。あらかじめ断っておきますが、格差の是正や高等教育の漸進的無償化といった崇高な目的のために書かれた文章ではありません。わたしの生活史に資料的価値があると考えるほど思い上がってもいません。平凡な18歳が親の援助なしで自立した場合のありふれた経過について書かれていると思っています。ではなぜこんな文章を書き公開しようと思ったかと言えば、ひとえに承認欲求を満たしたいからです。実を言うと、年々強まる自己責任論へのある種のカウンターになればとも(ほんの少しだけ)思っていますが、こういうことは言わない方がよさそうなので言わないでおきます。 中学卒業から大学入学まで 叔父は文字だ。文字通り。 (円城塔,2014,「これはペンです」,『これはペンです』,新潮社.) これはペンです (新潮文庫) 作者:円城 塔 発売日: 2014/02

      実家から逃げ出して進学し7年が経った - 限界苦学生生存報告書
    • 岸政彦監修 『東京の生活史』プロジェクト

      1216頁に織り込まれた 150万字の生活史の海。 いまを生きる人びとの膨大な語りを 一冊に収録した、 かつてないスケールで 編まれたインタビュー集。 ……人生とは、あるいは生活史とは、要するにそれはそのつどの行為選択の連鎖である。そのつどその場所で私たちは、なんとかしてより良く生きようと、懸命になって選択を続ける。ひとつの行為は次の行為を生み、ひとつの選択は次の選択に結びついていく。こうしてひとつの、必然としか言いようのない、「人生」というものが連なっていくのだ。(……) そしてまた、都市というもの自体も、偶然と必然のあいだで存在している。たったいまちょうどここで出会い、すれ違い、行き交う人びとは、おたがい何の関係もない。その出会いには必然性もなく、意味もない。私たちはこの街に、ただの偶然で、一時的に集まっているにすぎない。しかしその一人ひとりが居ることには意味があり、必然性がある。ひと

        岸政彦監修 『東京の生活史』プロジェクト
      • 石原慎太郎との対談(週刊朝日別冊「小説トリッパー2001年秋季号)|斎藤環(精神科医)

        (はじめに) 石原慎太郎さんが亡くなられた。意外に思われる人もいるだろうが、私はたまたま石原さんの知遇を得ていて、ひところは折に触れて対談や会食の機会があった。確か2020年の春にも電話が来て「コロナ空けたら食事でもしましょう」と約束していたのだった。再会がかなわなかったことは残念でならない。ご冥福をお祈りします。 石原さんとはじめて出会ったのがこの対談だった。ほとんど政治の話はしていない。政治以外の石原さんの自分語りをかなり引き出したという点では結構珍しい対談だったのではなか。石原さんの稚気、衒いのなさ、ユーモアが前面に出ていて、今でも面白く読めると思う。追悼の気持ちを込めて再公開する(テキストの公開については編集部の許諾は得てあります)。なにしろ20年近く前の対談なので、不適切な内容の箇所もあるだろうが、あまり修正はしなかった。なお、人名などは一部伏せ字にしてあります。 −−−−−−−

          石原慎太郎との対談(週刊朝日別冊「小説トリッパー2001年秋季号)|斎藤環(精神科医)
        • 7年間も動かず12年に1回しか交尾しない動物とは?

          by Javier Ábalos ドラゴンの幼体であるとする民間伝承から「ベビードラゴン」との呼び名もある体長20~30cmの白いトカゲ「ホライモリ」は、鋭い聴覚や嗅覚と、退化した目を持ち、最長で100年生きるとされるクロアチアの天然記念物です。そんなホライモリを長い歳月をかけて研究した結果から、7年以上にわたり全く動かないという驚きの生態が明らかになりました。 Extreme site fidelity of the olm (Proteus anguinus) revealed by a long‐term capture–mark–recapture study - Balázs - - Journal of Zoology - Wiley Online Library https://zslpublications.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/

            7年間も動かず12年に1回しか交尾しない動物とは?
          • 増田の言ってること、分かりみが深い。共感する。 俺も酒場で色んな人の話..

            増田の言ってること、分かりみが深い。共感する。 俺も酒場で色んな人の話を聴くのが好きだ。色んな人に色んな人生があって、そういうものは興味深い。 しょぼくれたおじさんが昔は一流企業のバリバリ企業戦士だったけれど、そのレールから外れた経緯とか、中年女性の語る「今までつきあった男のアブノーマル逸話ベスト10」とか、普通のサラリーマンに見える人が若い頃世界を旅してびっくりした思い出とか、そういうの。 もっと地味な「あそこの酒場は良い」とか、「あのスーパーの仕入れ担当は優秀」みたいな小ネタさえ面白い。 酒場というのは皆、誰も彼も、少し誰かと話したい。というか、誰かに自分の話を聞いてもらいたいんですよね。だから俺とか増田のような「聞きたい」という人は聞き上手として好かれるのです。多くの人は聞きたいのではなく話したいから。 書籍でそういう色んな人生を体験できれば酒場に通わずに済むので、多くの人は小説を読

              増田の言ってること、分かりみが深い。共感する。 俺も酒場で色んな人の話..
            • いきなり休校要請した安倍首相「時代錯誤」感

              新型コロナウイルスの感染が大きく広がる可能性が出てきた今、東京の街を歩くと、場所によってはふだんの人通りがないし、雰囲気も何となく殺伐としている。そして世の中には自粛ムードが広がる。東日本大震災で福島第一原発がメルトダウンした後の東京や、昭和最後の数カ月の街を思い出す。 非常事態が発生すると、そんなふうに周りをけん制する自粛ムードに陥りがちな国民性を私はあまり好ましいとは思わないが、自分の判断で動こうとする人たちや、他人の判断を尊重する人たちもたくさんいる。それなのに、首相による、自粛気味のムードに油を注ぐようなここ2日の要請はどうだろう。 一番の「犠牲者」は子どもである 27日のイベントの自粛要請だけでも驚いた。言われるまでもなく、すでにいろいろなイベントの主催者が自主的に延期や中止を決めている。そこへ昨夜、全国の小中高校に休校まで要請した。 規模が大きすぎるこの事態には、すでに批判の声

                いきなり休校要請した安倍首相「時代錯誤」感
              • 岸政彦編『東京の生活史』書評|誰にでも作れたかもしれないが、誰も作ろうとしなかった本 - The Bookend

                ほとんど奇跡のように存在し、なかば事故のように分厚いこの書物を先ほど読み終えた。読み終えた、という言い方が正しいかどうかさえ、正直よく分からない。ある意味では「聞き終えた」とも言えるし、「語り終えた」とさえ言えるかもしれない。 それどころか、150人の聞き手を公募し、約480人もの応募のなかから抽選などで絞り込みを行い、それぞれの聞き手が東京に住んでいる人、住んだことのある人などから生活史の聞き取りを行い、50000字や60000字に及ぶそれぞれの語りを文字に起こし、10000字以内に編集をかけ、それを一冊の本にまとめ上げたという途方もない舞台裏を「あとがき」を通して知ってしまうと、いや、自分はこの本を最後まで読み終えることで、本当の意味でこの本を「作り終えた」んじゃないかという気さえしてくるのだ。 そんな途方もない本にどのような評が可能なのかさっぱり分からないままこの文章をとりあえずは書

                  岸政彦編『東京の生活史』書評|誰にでも作れたかもしれないが、誰も作ろうとしなかった本 - The Bookend
                • 福岡市アイランドシティ中央公園の魅力🦋オオマダラ - にゃおタビ

                  福岡県福岡市に浮かぶ人工島アイランドシティの中央公園 福岡市内から車で20分。 海に浮かぶアイランドシティ中央公園です。 写真オオゴマダラは公園内にある有料施設に入場料100円を払うとみることが出来ます。 オオゴマダラは東南アジアに広く暮らし、日本では沖縄などに分布しています。 ふんわりゆったり飛んで花に集まり、季節を問わず繁殖するので体験学習施設ぐりんぐりんの中では一年中見ることが出来ます。 福岡県福岡市に浮かぶ人工島アイランドシティの中央公園 オオゴマダラとは オオゴマダラとは オオゴマダラは、チョウ目(鱗翅目)タテハチョウ科の一種で、白黒のまだら模様が特徴的な大型のマダラチョウです。この美しい蝶は、蛹が金色になることでも知られています1。以下に詳細を示します。 特徴: 前翅長は約7センチメートルで、開長は13センチメートルにも及び、日本のチョウとしては最大級です1。 翅は白地に黒い放

                    福岡市アイランドシティ中央公園の魅力🦋オオマダラ - にゃおタビ
                  • 黒電話と『1973年に生まれて』とらくらくホン

                    黒電話と『1973年に生まれて』とらくらくホン 2023.08.08 Updated by yomoyomo on August 8, 2023, 15:34 pm JST 「どうも、納得がいきません」 「何がでしょう」 「一生というものが短かすぎます。私などはやっと今、プロローグの段階が終って、これから仕事でも遊びでも本格的にと思ったら、もう残された時間がすくなくて、何をするにも時間制限が気になります」 「わかりますがね、しかし、贅沢(ぜいたく)をいっていらっしゃる」 (色川武大「暴飲暴食」) 以下、敬称略。 前回帰省した際に、実家でこなすべきミッションが一つありました。誰も使用しなくなって久しい固定電話の解約です。以前、NTTに問い合わせたところ、黒電話を返却する必要があると言われ、実家にそれが残っていないか確かめる必要がありました。少し探してみましたが、黒電話は見つかりません。捨てた

                      黒電話と『1973年に生まれて』とらくらくホン
                    • 研究者のゲーム事情:第1回は社会学者の橋迫瑞穂さん。ポリフォニーとしてのホラーゲーム実況と,その魅力に迫る

                      研究者のゲーム事情:第1回は社会学者の橋迫瑞穂さん。ポリフォニーとしてのホラーゲーム実況と,その魅力に迫る ライター:橋迫瑞穂 普段は論文や講義で活躍している研究者たちは,プライベートではどんなゲームに,どのように触れているのだろうか? 本連載「研究者のゲーム事情」は,研究者が個人的に遊んでいるゲームについて,専門的な知見も交えて自由に語ってもらう企画である。 初回はスピリチュアリティ研究で知られる社会学者の橋迫瑞穂さんが登場。人気ホラーゲーム「犬鳴トンネル」の実況を題材に,ホラーゲーム実況の魅力を比較検討してもらった。 ※カッコ内の名前と年度は,参考文献表に対応している。 実況によるホラーゲームの広がり 現代社会では怪談やホラーについて語るのに,ホラーゲームは見過ごせないジャンルとなりつつある。家庭用ビデオゲームが普及して以来,名作と呼ばれるほどのホラーゲームが次々とリリースされるように

                        研究者のゲーム事情:第1回は社会学者の橋迫瑞穂さん。ポリフォニーとしてのホラーゲーム実況と,その魅力に迫る
                      • 書評 「招かれた天敵」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                        招かれた天敵――生物多様性が生んだ夢と罠 作者:千葉聡みすず書房Amazon 本書は進化生物学者千葉聡による天敵を利用した生物的防除の歴史を扱う大作.千葉は「歌うカタツムリ」でカタツムリを題材に淘汰と浮動の進化観をめぐる壮大な進化学説史を語ってくれたが,本書では生物的防除の成功と失敗の歴史を滔々と語り,そのストーリーテラーの才能をまたも披露してくれている. 序章にあたる「はじめに」では,「自然」という著しく複雑で多様な系に対して科学の手法であるモデル化で対応することの限界とリスクが指摘され,より良い解決を望むなら歴史を知ることが有益ではないかと示唆されている.本書は有害生物防除についての歴史を知るために書かれているのだ. 第1章 救世主と悪魔 冒頭はレイチェル・カーソンの「沈黙の春」から始まる. 1939年に殺虫効果が発見されたDDTは人体への危険がほとんどないと認識され,マラリア撲滅の切

                          書評 「招かれた天敵」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                        • 水族館館長「この白いナマコ、種類をご存知の方はいらっしゃいますか?」種類はわからないがこんな声が殺到し、見事に命名される

                          鈴木香里武🐠幼魚水族館 館長 - Karibu Suzuki - @KaribuSuzuki 沼津の漁港で発見されて、幼魚水族館に連絡をいただいた白いナマコ✨ 僕には全然わからないのですが、どなたか種類をご存知の方はいらっしゃいますか?? 情報をいただけたら嬉しゅうございます🙇‍♂️ pic.twitter.com/oO3gMiMgIg 2023-02-10 11:19:27 鈴木香里武🐠幼魚水族館 館長 - Karibu Suzuki - @KaribuSuzuki ごきげんようぎょ!🐠タモ網を使い漁港の“足元の海”で幼魚を探す【岸壁幼魚採集家】🐠小さな体で生き抜く彼らの生き様に惚れています🐠漁港は魚の生態と海の環境を知る身近な入り口🐠大学院で観賞魚の癒し効果と稚魚の生活史を研究🐠【幼魚水族館】館長🐠【海あそび塾】塾長🐠スペシャリスト集団【カリブ会】会長🐠心理学修士

                            水族館館長「この白いナマコ、種類をご存知の方はいらっしゃいますか?」種類はわからないがこんな声が殺到し、見事に命名される
                          • 2023年版:有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:社会学|有斐閣書籍編集第2部

                            こんにちは、有斐閣書籍編集第二部です。 3年前に出したシリーズ記事「有斐閣の編集者が新入生におすすめする本」が長く好評をいただいていました。 ずいぶん時間も経ったので、この続きを各分野の担当者に聞いていこうと思います。企画の第1回は社会学分野から。編集部のマツイ、ホリ、シカマに話を聞いていきます。 いま、新入生におすすめする1冊目——前回(2020年)の記事から時間が経ちましたけど、いまあらためて新入生や初学者に「1冊目におすすめ」できる本はありますか? 前回答えてくれたシカマさんどうですか? シカマ:う〜ん、『質的社会調査の方法』は今でも自信を持っておすすめしますし、変わらず好評なんですが、じつは1冊目の本としては別の本も一緒におすすめしています。 ——どんな本ですか? シカマ:ちくまプリマー新書の『社会を知るためには』です。この本を書いた筒井淳也先生は家族社会学などを専門とする研究者で

                              2023年版:有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:社会学|有斐閣書籍編集第2部
                            • 対談 岸政彦×林雄司 聞いたそのままが面白い――いまなぜ生活史か 文學界11月号 | インタビュー・対談

                              2021.10.26インタビュー・対談 対談 岸政彦×林雄司 聞いたそのままが面白い――いまなぜ生活史か 文學界11月号 出典 : #文學界 ジャンル : #ノンフィクション 150人の声を集めた『東京の生活史』が刊行された。無名の人々が語る人生を記録する「生活史」はなぜ面白いのか? 編著者と「デイリーポータルZ」編集長がその謎を語り合った。 「文學界 11月号」(文藝春秋 編) ■作らない、ただ聞く 林 聞き手として参加しておいて言うのも何ですが、すげえデカい本が送られてきてびっくりしました。 岸 『東京の生活史』(筑摩書房)って、面白い本で、厚ければ厚いほどちっぽけになるんです。ひとりの人に二、三時間話を聞けば、五、六万字にはなるけど、一人一万字までにしてもらって、一五〇人で二段組み一二〇〇ページを超える厚さになった。でも、東京の昼間人口は一五〇〇万人ですから、全員の話を聞こうと思った

                                対談 岸政彦×林雄司 聞いたそのままが面白い――いまなぜ生活史か 文學界11月号 | インタビュー・対談
                              • 岸政彦さん、個人の生活史追い続け 「一人の話から社会は描ける」 | 毎日新聞

                                荻上チキさんのラジオ番組「Session」に出演する社会学者の岸政彦さん。著書の執筆に加えて、近年はメディアへの登場も増えている=東京都港区のTBSラジオで2021年8月27日、長谷川直亮撮影 研究も文学も自分の目に映ったありのままの姿を著してきた。大阪に暮らす社会学者で立命館大大学院教授の岸政彦さん(54)は、市井の人の視点に合わせて社会を描く。その文章には意味付けや、派手な展開は存在しない。 岸さんは8月27日、東京都内で複数の取材や打ち合わせをこなす合間に、TBSラジオの情報番組「荻上チキ・Session」にゲスト出演した。リスナーから出口の見えない新型コロナウイルス禍について意見が寄せられると、営業時間の短縮などによって打撃を受けている飲食店経営者の立場を憂えた。 「飲食業の経営者になることは他人に雇われずに自分たちだけで生きていこうとする、ものすごく大きな選択肢だった。だから、自

                                  岸政彦さん、個人の生活史追い続け 「一人の話から社会は描ける」 | 毎日新聞
                                • 2019年 今年の一冊 - HONZ

                                  HONZメンバーが選ぶ今年最高の一冊。令和元年となった2019年もこのコーナーがやってまいりました。 今年はHONZが始まって以来一番の、ノンフィクションの当たり年であったと言えるのではないでしょうか。こんなにも次から次へと面白そうな本が出ては読みきれません。そしてどこまでも自由なHONZメンバーたち。今年は初の試みとして、原稿の催促を一切しないでみましたが、やはりただ待っていても、原稿は届かないものです。 そんなワケで、今年は原稿の到着が遅かった順に掲載してみます。早く送ってくれた方々、どうもすみません! 麻木 久仁子 今年最も「元号を感じた」一冊 半藤一利さんといえば「歴史探偵」の異名を持つ昭和史の水先案内人のようなお方、多くの人々に昭和史探検の楽しさを教えてくれた方である。かくいう私も半藤さんの『日本のいちばん長い日』や『昭和史1926~1845』『昭和史 戦後編1045~1989』

                                    2019年 今年の一冊 - HONZ
                                  • 書評 「進化的人間考」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                    進化的人間考 作者:長谷川眞理子東京大学出版会Amazon 本書は長谷川眞理子による「ヒトの特殊性」についての本になる.もともとは東京大学出版会のPR誌「UP」に2010~2012年にかけて「進化的人間考」として連載されたもので,それに少子化,犯罪,進化心理学についてのいくつかの雑誌寄稿*1を加え,最新の知見等にあわせ一部改訂し,一冊にしたものだ. 第1章ではヒトを探究する学問についての俯瞰的な解説がなされている.もともと人間についての探求は哲学として始まり,法学,経済学,社会学,倫理学,心理学,民族学,文化人類学と広がり,片方で自然人類学がある.自然人類学は長らく化石からの考察が中心だったが近時ゲノム解析が進み生態学,行動学,神経科学を取り込んで包括的に人類進化を解明できるようになった.そしてこれらを統合できないかというのが著者が長年取り組んできたことになる. ここから社会生物学論争,人

                                      書評 「進化的人間考」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                    • 書評 「人間性の進化的起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                      人間性の進化的起源 作者:ケヴィン・レイランド,豊川航勁草書房Amazon 本書はヒトの知性や認知能力や心のあり方の進化的な起源を「文化進化」を深く考察することにより探索する本だ.そしてその中では累積的文化進化,ニッチ構築,遺伝子と文化の共進化にからむ正のフィードバック過程がキーコンセプトになる.著者はケヴィン・レイランド.原題は「Darwin’s Unfinished Symphony: How Culture Made the Human Mind」 本書全体は第1部「文化の基礎」で模倣や文化にかかる行動や能力がどのように進化しうるのかをまず整理し,第2部「人間らしさの進化」でヒトを特別にしているものは何か,それはどうして(ヒトだけに)進化したのかを扱うという構成になっている. 第1部 文化の基礎 第1章 ダーウィンの未完成交響曲 冒頭で,ダーウィンは土手を覆い尽くす生物たちの多様性を

                                        書評 「人間性の進化的起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                      • nai_inhexについて - 敏感肌ADHDが生活を試みる

                                        まず、今すぐに以下の記事を読んでください。 nai-inhex.hatenablog.com これはわたしが実家から逃げ出し学位取得を目指した7年間の記録です。あらかじめ断っておきますが、格差の是正や高等教育の漸進的無償化といった崇高な目的のために書かれた文章ではありません。わたしの生活史に資料的価値があると考えるほど思い上がってもいません。平凡な18歳が親の援助なしで自立した場合のありふれた経過について書かれていると思っています。 読みましたか? 今日は、これを書いた人間の話をしたい。これを書き記した人物、はてなid:nai_inhexは、2021年12月2日に27歳で亡くなりました。自死です。皆さんにお伝えしたいのはまずこのことです。nai_inhexは死にました。自殺しました。この、苛烈な生きざまを苛烈な文章で表した、魂の記録を記した人物はもうこの世にいません。どうか嘆いていただきた

                                          nai_inhexについて - 敏感肌ADHDが生活を試みる
                                        • 日本は元々ミニマリストの国!服を減らせたのは着物のおかげです - 貯め代のシンプルライフと暮らしのヒント

                                          大島紬と「布のいのち」本 2023/02/12更新しました 30年ほど前は結婚に際して、着物をそろえてあげる親御さんが多かったのですが、娘だった女性たちも、すでに50代後半から60代。 着物を「買い取り」に出すのが、ブームの昨今です。 「買うときは30万円もしたのに、たった千円にしかならなかった」という声も。 私が服を減らせたのは、着物を好きになってから。 日本は元々、ミニマリストの国だったと考える理由をお伝えします。 スポンサーリンク 虫干しで長持ちする和服 着物のメリット 自分で着てみました 簡単に着るコツ 日本はミニマリストの国 まとめ 虫干しで長持ちする和服 着物の虫干し 秋晴れの日に着物に風を通すと、絹地の風合いが変わらないので私は毎年、たとう紙から出して虫干し。 画像右から大島紬、真ん中が結城紬、左のえんじ系は山形・米琉絣の置賜紬でしょうか。 アンティーク着物ばかりです。 着物

                                            日本は元々ミニマリストの国!服を減らせたのは着物のおかげです - 貯め代のシンプルライフと暮らしのヒント
                                          • SNSは私たちの「適応度標示」の見せびらかしの場である~進化心理学とSNSマーケティング | ウェブ電通報

                                            本連載では、電通メディアイノベーションラボ・天野彬氏が、自身の近著や業務で得た知見などから、ショート動画を中心としたSNSマーケティングについての知見を発信していきます。 前回は、ショート動画が流行する理由をTikTokに代表されるサービスの特性や生活者の行動心理から読み解きました。今回はやや角度を変えて、筆者がいま注目する進化心理学(※1)について取り上げつつ、それがソーシャルメディアマーケティングにどう関係するのかを論じます。 実は私たちの根源的なつながりの欲求や「見せびらかし(誇示的消費)」のモチベーションこそが、SNSを駆動していると言えるのかもしれない──そんな仮説に迫ります。 ※1 人間の心的活動の基盤が、その生物学的進化の過程で形成されてきたとする心理学の一分野。人類学・社会生物学・認知科学など多くの領域にまたがる学問分野。 ソーシャルメディアと進化心理学 そもそも、人々はな

                                              SNSは私たちの「適応度標示」の見せびらかしの場である~進化心理学とSNSマーケティング | ウェブ電通報
                                            • 攀縁 - SCP財団

                                              01 じゃあそのインタビューとやらは、これで一旦終了ということで宜しいですか。いえいえ、こちらこそ有難うございます。私も久々に学生さんとお話が出来て、楽しかったですよ。 いやいや。私なんて、もうとっくにおじさんです。あなたも覚悟しておいた方が良いですよ。三十路になるとね、本当に急に体力が落ちるんですから。あはは。 それにしても、民俗学ですか。大変ですねえ。今はこういう伝承が残っているようなことも中々ないでしょう。今はそういうのを話す人もですが、好んで聞きたがる人も居りませんので。 ああ、そういえばあなたは元々怪談がお好きだって言ってましたか。そっか、ちょうどテレビでも心霊ものとかがよく映ってましたもんね、あの頃だと。あ、それじゃあだいぶ前、「おつかれさま」っていうネットの怪談が流行ったの、知ってますか。 お、知ってますか。そうそう、ええっとねえ。私がちょうどあなたぐらいの年齢のときに、うち

                                              • 精神医学の歴史外伝最終回⑥「他職種を巻き込んだ精神生物学」 - まだなにも決まっていない blog

                                                みなさん、こんにちは、私です。 精神医学の歴史外伝 maedaaaclinic.hatenablog.com の続きになります。 今回が精神医学の歴史外伝、最終回となります。 日本では明治維新前後 世界では精神疾患の理解が深まっていく兆しが見られます。 クレペリンが点在していた病名を 今でいう統合失調症と双極性障害 「早発性痴呆」と「躁うつ病」にまとめ、 のちにブロイラーが早発性痴呆を精神分裂病とします。 maedaaaclinic.hatenablog.com そしてイギリスのジャクソン(1835-1911)は精神分裂病の症状を発展させます。 陽性症状と陰性症状 ジャクソンは神経系の発達進化(系統発生・個体発生)を想定し、 ヒトの神経学的・心的構造は進化と分化により獲得した階層的な機能から成り立ち、 神経および精神の障害は、低次(古層)の機能水準への解体または退行と考えた。 精神症状を陽

                                                  精神医学の歴史外伝最終回⑥「他職種を巻き込んだ精神生物学」 - まだなにも決まっていない blog
                                                • 【一期一会】 在宅医療・介護の主役は誰? - 作業療法士20年、義足で30年の私が語る、人生を幸せにする方法。

                                                  こんにちは。広島の作業療法士の川本健太郎です。 この記事は私の好きな言葉でもある【一期一会】をもとに、作業療法士としての日々の出会いや色々な思いを綴ったショートストーリーです。 思わずクスッと笑える話から、ちょっと心のどこかに届くような話しなど、サクッと読めるように心がけていますので、お気軽に読んでみてください。 (*´▽`)ノノ 在宅医療・介護の主役は誰? 「こうしてあげた方が(私は)良いと思う」 ( ー`дー´)アタリマエヨ! 「こうしてあげないとああゆうタイプの人はダメになると(私は)思う」 ( ・`ω・´)ソウヨ! 在宅医療・介護に関係する仕事をしていると、こういった会話はよく聞く内容の話です。 一見すると、相手のことを思っての会話のように聞こえますが、その多くは 「自分(医療者・介護者側)が考えたことが良いに決まってる」 (・`ω´・ ●)アッタリマエヨ! という思考になっている

                                                    【一期一会】 在宅医療・介護の主役は誰? - 作業療法士20年、義足で30年の私が語る、人生を幸せにする方法。
                                                  • アレックス・タバロック「原始共産制の神話: 私的財産の所有は狩猟採集社会でもふつうのこと」(2022年4月26日)

                                                    [Alex Tabarrok, “The Myth of Primitive Communism,” Marginal Revolution, April 26, 2022] [▲写真]吹き矢筒の使い方を実演するヤグア族(ヤフア族)の男性.ペルーのイキトス市近くのアマゾナス川の中州のひとつにて.( JialiangGao www.peace-on-earth.org) AEON: 今日になっても,原始共産制を歴史的事実のように扱っている著述家・学者は多い.影響力のある一例を挙げると,「財産権は農業とともに共進化した」という話を経済学者 Samuel Bowles & Jung-Kyoo Choi は20年ずっと語り続けている.彼らにとって,「私的財産は農業が始まる前から存在していたのか」という問いはそれほど問題になっていない.それよりも,「どうして私的財産が農業が始まった時代に登場したのか

                                                      アレックス・タバロック「原始共産制の神話: 私的財産の所有は狩猟採集社会でもふつうのこと」(2022年4月26日)
                                                    • 性同一性障害当事者になりました & 訴訟を断念しました|みー

                                                      初めてノートを書きます。 使い方がまだ全然わからないので、お見苦しいところがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。 まず簡単に自己紹介を。 LGBTのL(レズビアン)&T(トランスジェンダー)当事者です。 以前結婚しており子供も何人かおりますが、10年ほど前に離婚して、その後女性と付き合い始め、今の彼女さんとはもう7年半ほどのお付き合いになります。 子供の頃から女の子を好きになることが多かったですが、結婚して出産するのが当たり前の時代だったので、違和感を持ちつつも結婚しました。 子供が欲しかったためだけなので、子供に不利益がなければ事実婚でも良かったんですけど…。元夫の地元に住むことになっており、田舎なので余計なトラブルは避けたいというのもありました。 そして、子供の頃は男の子として振る舞っていた時期もあり、スカートなんて大嫌い、少年野球チームに入って、地元プロ野球チームのキャップがトレード

                                                        性同一性障害当事者になりました & 訴訟を断念しました|みー
                                                      • 「やっぱり愛していたからね」ベトナム難民の定住を支え続けた一人の女性の半生|ニッポン複雑紀行

                                                        1990年代以降、日本有数の外国人集住都市として知られるようになった静岡県浜松市。だが、実はそれよりも随分前から浜松市がベトナム難民の集住地だったという歴史まで知っている人はあまり多くないかもしれない。 1975年に終結したベトナム戦争とその後の社会主義国化によって発生したたくさんの難民たち――彼らの多くは欧米諸国に移り住んだが、日本に定住した者も少なくない。なかでも浜松市は神戸市などと並んでベトナム難民にとって主要な定住先のひとつとなり、その後家族の呼び寄せも行われた。さらに、現在では難民のルーツを持つ人々に加えて留学生や技能実習生として来日するベトナム人も増えており、2019年8月時点で市内に3,000人弱のベトナム人が暮らす。 当時ボートピープルとして日本への仮上陸を許可された難民たちは、まず長崎県大村市にある「大村難民一時レセプションセンター」を経由したのち、国際連合難民高等弁務官

                                                          「やっぱり愛していたからね」ベトナム難民の定住を支え続けた一人の女性の半生|ニッポン複雑紀行
                                                        • 書評 「進化と人間行動 第2版」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                          進化と人間行動 第2版 作者:長谷川 寿一,長谷川 眞理子,大槻 久東京大学出版会Amazon 本書は進化心理学,人間行動進化学の(日本語で書かれた)最も優れた入門書として読まれ続けてきた本*1の22年ぶりの改訂版である.著者には初版の長谷川夫妻に大槻久が加わり,この間の様々な知見の進展に合わせた全面的なアプデートを行っている.トピック的には生活史戦略,協力行動の進化(特に間接互恵性),文化の重要性の部分の改訂が大きい.また全体を3部構成にして見通しをつけやすくする工夫も加わっている. 第1部 進化とは何か 第1部は本書のテーマについての序章と進化学についての概説(ダーウィンの進化学,分子進化学,行動生態学)がおかれている*2 第1章 人間の本性の探求 第1章は序章的な部分になる.人間の理解のためにはヒトの進化と適応という観点が有用であること,遺伝と環境の問題(ヒトの行動には遺伝も環境も影

                                                            書評 「進化と人間行動 第2版」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                          • 新刊無料公開『新しいカレーの歴史 上』 その3 アングロインディアンとカレー粉|近代食文化研究会

                                                            新刊では海外の最新研究動向をふまえ、嘘・間違いだらけの日本のカレー史研究を全面的に刷新します。 『新しいカレーの歴史 上』冒頭部分無料公開 その3です。 3.アングロインディアンとカレー粉 インドからイギリスにカレー粉がもたらされた18世紀後半は、イギリスがインドを半植民地化していった時期に当たる。 当初貿易会社であったイギリスの東インド会社は、1757年の「プラッシーの戦い」以降、「会社」とは名ばかりの、半植民地化したインドを統治するための軍事・行政組織へと変貌し、巨大化していく。 “the numbers of British soldiers in India increased from a few hundred in the 1740S to 18,000 by 1790” “1740年代には数百人しかいなかったインドのイギリス兵は、1790年までに18,000人に増加した”

                                                              新刊無料公開『新しいカレーの歴史 上』 その3 アングロインディアンとカレー粉|近代食文化研究会
                                                            • 伊勢海老の養殖とクラゲライダー - ゲーム好き主婦のひとりごと

                                                              私はこれまで、鰻、ウニ、アワビ、などの養殖事情を 記事にしてきました。 俗にいう高級食材の中に伊勢海老もあります。 伊勢海老の年間漁獲量は1960年代からの後半の 1600トンから、近年およそ1200トンまで減少しています。 漁獲量減少の理由が明確でない上に、漁業規制や若いエビ以降を 対象とした人口礁の設置程度の対策しか取りようが ありませんでした。 三重県の水産試験場が全国で初めて人口ふ化させた稚エビを 海に放流しました。 人口ふ化させた伊勢海老を人の手で育て、 伊勢海老の安定的な漁獲に向けた大きな一歩は踏み出せませました。 皆さんが好きな高級食材の中に当然伊勢海老もあると思いますが、 伊勢海老は、養殖したいけど出来ないという話がありました。 伊勢海老が養殖出来ない理由 鰻養殖などで注目が集まるようになった養殖技術ですが、 実は、伊勢海老の養殖がされない理由は、それは伊勢海老の とても面

                                                                伊勢海老の養殖とクラゲライダー - ゲーム好き主婦のひとりごと
                                                              • シノドス・トークラウンジ「進化政治学の可能性―ヒトの政治的行動の進化的基礎」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                                peatix.com 進化政治学に関するオンライントークイベントがあるというので参加してきた.先日「進化政治学と国際政治理論」を出版した政治学者の伊藤隆太が聞き手に回って,(ここでは進化政治学の日本における先駆者という位置づけで)長谷川眞理子と対談するという内容.聴衆はこれから進化的視点を取り入れようと考えている政治学,社会学の研究者が想定されており,そういう視点からの質問を伊藤が行い長谷川が答えるという形式になっている. これは伊藤の本.私の書評はhttps://shorebird.hatenablog.com/entry/2020/04/20/113326 進化政治学と国際政治理論 人間の心と戦争をめぐる新たな分析アプローチ 作者:伊藤 隆太発売日: 2020/02/22メディア: 単行本 趣旨説明 冒頭で伊藤から趣旨説明がある. 進化政治学は英米で始まり,日本には遅れてようやく入って

                                                                  シノドス・トークラウンジ「進化政治学の可能性―ヒトの政治的行動の進化的基礎」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                                • 2019.12.20 『M世界の憂鬱な、先端』 - カメキチの目

                                                                  カメキチの目 (11月5日から長く書いた、『平成史講義』の本で紹介があった吉岡忍さん 《ルポライター》の『M世界の憂鬱な、先端』という本を読んだ。 宮﨑勤による連続少女誘拐殺人事件、神戸A少年事件を取材されたもの。 じつにていねいに書かれており、事件の残忍さゆえに途中でなんども読むのを やめようと思ったけれど、著者の「この事件のことをきちんと書き残して おかなければ…」というような強烈な執念を感じ、543ページもある大著だったが 読みとおした《私にはこんな分厚い本は初めてだった》。 たくさん付箋を貼るところがあった。 読んでほんとうによかった。 長くなるけれど、書きたい。 宮﨑事件は1988《昭和63》年から1989《平成元》年にかけて、 神戸A少年事件は1997《平成9》年に起きている。 私は当時は働き盛り。仕事が忙しかったこともあり、両事件とも詳しくは 知らなかった。 知るのは、せいぜ

                                                                    2019.12.20 『M世界の憂鬱な、先端』 - カメキチの目
                                                                  • 岸政彦「自分はまだ『小説』というものを『書いてない』」(小野 美由紀) @gendai_biz

                                                                    社会学者・岸政彦さんの著書『図書室』──三島賞候補となった小説「図書室」と自伝エッセイ「給水塔」が収録されている。なぜ小説で女性を書いたのか? 男性には内面がないのか? 「図書室」の話から次回作の構想まで、岸さんが縦横に語る。 マジョリティには「自己」がない? ──6月に発売された『図書室』は三島賞候補にもなり、発売即重版とかなりの話題作となっています。 岸:今回の作品は、女性一人称で書く、というところでだいぶ悩みました。 最初に「男でも女でもなくて、一人の人間が団地で暮らしていて、窓から見下ろすと雨が降っていて」というシーンが浮かんで、そこから始まったんですよ。で、そこから書く時、あくまでも僕個人の感覚なんですけど、男性一人称で書こうとすると、どうしても個人の内面みたいなものが、なぜか書けなくて。 「ビニール傘」の主人公には人格がないんですね。あれは「俺」って視点は定まっているんだけど、

                                                                      岸政彦「自分はまだ『小説』というものを『書いてない』」(小野 美由紀) @gendai_biz
                                                                    • 『終活』への取り組み エンディングノートの作成 - 作業療法士20年、義足で30年の私が語る、人生を幸せにする方法。

                                                                      『終活』を改めて振り返る 『終活』とは 人生の終わりについて考える活動 であり、その活動内容としては 自分の人生の最期に向けて、前向きな気持ちで準備を行う活動 何かあった時に困らないよう、また、家族の負担を減らすための活動 命の灯火が消えることを人生の一つの完成形として、「現実的な」準備をしておく活動 であることは過去のブログでもお伝えしています。 まだブログを読んで居ない方はぜひこの機会に一度読んでおいてください。 ↓ ↓ ↓ こうした取り組みを文章として残す方法の一つとして エンディングノートの作成 があります。 ではエンディングノートでは実際にどのようなことを書くのでしょうか。 エンディングノートを書く エンディングノートの書き方の方法はたくさんありますが、基本的には 自分自身の人生を振り返る 残される家族のことを考える 友人・知人・今までお世話になった人たちへの思いをつづる やり残

                                                                        『終活』への取り組み エンディングノートの作成 - 作業療法士20年、義足で30年の私が語る、人生を幸せにする方法。
                                                                      • 『東京の生活史』(筑摩書房)の流通に関する経緯報告

                                                                        先日の『東京の生活史』の流通に関する当店の問題提起に対して、版元の筑摩書房さん並びに取次を担当した子どもの文化普及協会さんより、丁寧な経緯説明をいただきました。以下はその報告と、それを受けての再度の意見表明です。 ※本来ならば10/5に開催された「独立系書店の新刊予約また既刊本の《これからの》流通を語る討論会」の前に公開したかったのですが、諸々あって間に合わずでした。この報告書ではイベント内で議論されたものに関してはあまり触れません。アーカイブも公開されているようなので、そちらでご確認ください。↓ まず、SNS上での問題提起というある種の強制力のある手法で問題提起をしたにもかかわらず、早急かつ真剣に対応をしていただいた筑摩さん並びに子どもの文化さんに感謝を申し上げます。この「注文した本が満数入らない」という類の問題は、その詳細に様々なバリエーションがあるとはいえ出版業界の長年の課題だと考え

                                                                          『東京の生活史』(筑摩書房)の流通に関する経緯報告
                                                                        • 「生活と結びついた言葉で語る沖縄の現実」 上間陽子『裸足で逃げる』『海をあげる』編集者インタビュー/上|じんぶん堂

                                                                          記事:筑摩書房 書籍情報はこちら 初めての印象は「すごいものを聞いた」 上間さんと初めてお会いしたのは、前の職場で「atプラス」という雑誌をやっていたときです。岸政彦さんに責任編集をお願いして、生活史の特集号をつくったんですね。寄稿いただく方たちとの顔合わせも兼ねて大阪で研究会をしたんですが、そのときに上間さんは完成原稿に近いものを持ってきました。「キャバ嬢になること」っていう、『裸足で逃げる』の頭の原稿です。いま思うとそれに打たれたような気がします。 ――文章の力に圧倒されたんでしょうか 最初は耳だったんですよね。上間さんがその原稿を朗読されて。ひとをいたわるような声というか、とってもいい声で。「すごいものを聞いた」と思いました。『裸足で逃げる』も『海をあげる』も、「聞く」というのがすごく大事なモチーフだと思います。僕の最初の印象も「聞いた、聞いてしまった」というものでした。 語りをなる

                                                                            「生活と結びついた言葉で語る沖縄の現実」 上間陽子『裸足で逃げる』『海をあげる』編集者インタビュー/上|じんぶん堂
                                                                          • 論争中の恐竜、実は若いティラノサウルスだった

                                                                            ティラノサウルス・レックスは、骨まで砕く巨大な肉食恐竜だった。だが未成熟個体のものと見られる化石は、彼らが10歳代の頃には、ナイフのような歯を持つスリムで俊足の捕食者だったことを示唆している。(ILLUSTRATION BY JULIUS T. CSOTONYI) 6600万年前、北米の大地には、王者ティラノサウルス・レックス(Tレックス)の足音が鳴り響いていた。Tレックスの化石は、白亜紀の地層から豊富に見つかっている。にもかかわらず、孵化してからあれほど巨大になるまでの成長過程については、これまでのところ手がかりが少なかった。 だがこのほど、未成熟なティラノサウルス類の骨の断面を詳細に分析した結果が、1月1日付けで学術誌「Science Advances」に発表された。論文は、Tレックスの成長速度がその時々で変化していたことを示唆。食物が少ないときには成長を遅くすることができ、進化上の利

                                                                              論争中の恐竜、実は若いティラノサウルスだった
                                                                            • 進化ジェンダー学研究会 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                                              先日進化ジェンダー学研究会にオンライン参加してきた.あまりこの手の講演会には参加した経験がないが,今回は進化生物学的な知見を取り入れるという試みということで聴講したということになる. 進化生物学による女性間の関係の理解 -持続可能なジェンダーパリティにむけて 開会挨拶・趣旨説明 松本晶子 持続可能なジェンダーパリティへ向けて,進化生物学的な女性間の関係性という視点から考えていきたいというのが本日の趣旨. ここで日本の現状を説明したい. 1990年に国連から指導者層の女性割合を30%以上にという勧告があった.2002年になってようやく政府は2020年までに30%をめざすという方針を立てたが,到達しそうにないとこれを10年先延ばしにして2030年目標と変更したという状況. 指導者層の女性割合を上げるメリットとしては様々な実証研究からの報告がなされていて,意思決定層の多様化による決定の質の向上,

                                                                              • 面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(後編)

                                                                                世界史を学びなおす最適な入門書から、歴史をメタに語る一冊まで、徹底的に熱く語り合った2時間をまとめた。 前編はこちら youtube動画はこちら 世界をバズらせる スケザネ:「書かれたものが世界を変える」という観点だと、これにつながりそう。『「世界文学」はつくられる:1827-2020』(秋草俊一郎、東京大学出版会)という本で、「世界文学」という概念がどのように作られ、変わっていったかがテーマです。以前の対談でも話題になってたやつです。 そこに、ゴーリキーの世界文学叢書が出てきます。ソビエト連邦という国家が誕生し、当代一流の世界文学を集めて出版しようという話になった。実はここに、政治的な動機がありました。 ロシア文学だけでなく、世界各国の言語から優れた作品を選び取り、なおかつ全集として出せるというのは、それだけロシアが文化的に先進的だという政治的なメッセージになるのです。国や言語を越境して

                                                                                  面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(後編)
                                                                                • 書評 「文化がヒトを進化させた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                                                  文化がヒトを進化させた 作者:ジョセフ・ヘンリック,今西康子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2019/11/01メディア: Kindle版 本書は文化進化リサーチの第一人者の1人ジョセフ・ヘンリックによる一般向けの文化進化解説本だ.ヘンリックは元々航空宇宙工学のエンジニアだったが,人類進化に関する興味からロバート・ボイドのもとで文化進化のリサーチャーに転身したという経歴を持つ.本書は社会科学と生物科学の知見を総合して人類進化と文化進化を調べてきたヘンリックによる20年間の知見をまとめた本ということになる.原題は「The Secret of Our Success: How Culture Is Driving Human Evolution, Domesticating Our Species, and Making Us Smarter」 第1章 不可解な霊長類 まず生物としてのヒト

                                                                                    書評 「文化がヒトを進化させた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など