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科学的手法の検索結果1 - 40 件 / 96件

  • 「平常に戻る」ことはない

    イギリスNESTA(科学技術芸術国家基金)より。日本にも当てはまる。 パンデミックは世界を永久に、そして根本から変えるだろう。例えば、各国が今後数か月でCOVID-19の蔓延を抑制できたとしても、政治的、経済的、社会的、技術的、法的、環境的な影響が何十年も続くことになるだろう。 この記事では、世界がどのように変化するかについて、様々な見方(しばしば反対の見方)を要約し、総合的にまとめている。明らかに、これらは空論である。未来がどのようなものになるか誰にも分からない。しかし、危機は必ず深く予期しない変化を促し、パンデミック前の正常な状態に戻ることを期待している人々は、以前のシステム、構造、規範、仕事の多くが消滅しており、戻る事はないと知って愕然とするかも知れない。 そのため、適応能力とイノベーションはこれまで以上に重要になってくる。数か月でビジネスが通常どおり再開することを期待する経営陣にと

    • 脳に収まるコードの書き方

      Mark Seemann 著、吉羽 龍太郎、原田 騎郎 訳、Robert C. Martin まえがき TOPICS 発行年月日 2024年06月 PRINT LENGTH 312 ISBN 978-4-8144-0079-9 原書 Code That Fits in Your Head FORMAT Print PDF EPUB ソフトウェアは複雑さを増すばかりですが、人間の脳は限られた複雑さしか扱えません。ソフトウェアが思い通りに動くようするには、脳に収まり、人間が理解できるコードを書く必要があります。 本書は、拡張を続けても行き詰ることなくコードを書き、複雑さを回避するための実践的な方法を解説します。最初のコードを書き始めるところから機能を追加していくところまでを解説し、効率的で持続可能なペースを保ちながら、横断的な問題への対処やトラブルシューティング、最適化を行なう方法を説明します

        脳に収まるコードの書き方
      • 麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 - HONZ

        麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 歴史の本、特に最悪の医療の歴史などを読んでいると、あ〜現代に生まれてきてよかったなあと、身の回りに当たり前に存在する設備や技術に感謝することが多い。昔は治せなかった病気が今では治せるケースも多いし、瀉血やロボトミー手術など、痛みや苦しみを与えるだけで一切の効果のなかった治療も、科学的手法によって見分けることができるようになってきた。 だが、そうした幾つもの医療の進歩の中で最もありがたいもののひとつは、麻酔の存在ではないか。正直、麻酔のない世界には生まれたくない。切ったり潰したりするときに意識があるなんてゾッとする──現代の医療に麻酔は絶対絶対必須だ。そのわりに、患者に麻酔を施す麻酔科医の仕事は光が当たりづらい分野である。何しろ実際に手術や治療を担当することはめったにないから、麻

          麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 - HONZ
        • 追追記🐈追記😸社会学へのバッシングが凄まじい

          https://togetter.com/li/1660066#comment コメント欄があまりにもひどい。「社会学は学問ではない」「イデオロギーだ」という主張を非科学的な手法で、感情論に任せて行う。まさに社会学叩きこそがイデオロギーと化している。自己矛盾としか言いようもない。 社会学の学問としての是非はともかく、叩き方があまりに雑すぎるのではないか。 心理学系の論文の再現性を検証した論文が何年か前に話題になっていたが、学問の科学的手法をとった批判とはあのようにあるべきだろう。 ・研究者の人格が気に食わない ・研究者の思想が気に食わない ・研究者のTwitter上の発言が酷い としても、そうした属人的な事情は学問つまり研究結果や論文とは分けて考えるべきだ。仮に社会学者に人格破綻者が多かったとしても、学問自体の問題ではない(雇用主である大学側としては問題かもしれないが)。 ・社会学な査読シ

            追追記🐈追記😸社会学へのバッシングが凄まじい
          • デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」|designing

            デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」 イノベーションを促進する方法として、2000年代のビジネス界に瞬く間に広まった「デザイン思考」。しかし、そのなかで「デザインは問題を解決するためのもの」という誤った意識が強まってしまったと、あるデザイナーは警告する。 2023.06.01 アップルの台頭とともに高まった企業のデザインへの関心。 その流れを追い風に広まったのが「デザイン思考」ではないだろうか。 しかし、そのなかで「デザインはアップルの成功を追随させてくれるもの」「デザイナーは問題を解決する人」という認識も強まってしまい、デザイナーの役割を窮屈にしててしまった——ノースカロライナ州立大学グラフィックデザイン学科助教授で、自身もデザイナーのジャレット・フラーは言う。 では、デザイナーの真の力を発揮するためにもつべきマインドセットとは何か? フラーはスウェーデン政府イノベーシ

              デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」|designing
            • 科学の世界に革命をもたらしえる力──『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 - 基本読書

              因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか 作者:ジューディア・パール,ダナ・マッケンジー文藝春秋Amazonこの『因果推論の科学』は、その名の通り因果推論について、その先駆者の著者が書いた一般向けのサイエンス本である。とはいえ、大半の人の反応は「因果推論ってなんなんだ」であろう。僕も何もわからぬまま読み始めたが、著者がこれは「科学の世界の革命」であると自賛するだけのことはある概念であることはすぐにわかった。 その一方、相当に難しい、とっつきづらい概念でもあり、いかな一般向けの著作といえども本書を読んで理解するハードルは他のサイエンス本と比べても高いといえるだろう。数式も出てくるし、統計学の用語もぽこぽこ出てくるので、素人がスルスルと読み通せる本ではない。とはいえ根気強く読んでいけば理解できるように書かれているし(数式自体は別に読み飛ばしても問題はない)、理解すれば因果推論の科学がいか

                科学の世界に革命をもたらしえる力──『因果推論の科学 「なぜ?」の問いにどう答えるか』 - 基本読書
              • 『LeanとDevOpsの科学』をきちんと解読する 〜Four Keys だけじゃ絶対もったいなくなる話〜

                スクラムフェス福岡2024での講演資料です。 --- 皆さん、職場でFour Keysを導入していますか? Yesと答えた皆さん、『LeanとDevOpsの科学』は読みましたか? あくまで僕の周囲のみの観測で語るのですが、Four Keysを職場で導入しているという人はとても多いのですが、そのうち、出典である『LeanとDevOpsの科学』をきちんと読んだ人はかなり少ないようです。 そして、ここで敢えて強めの主張をするのですが 『LeanとDevOpsの科学』を読まずにFour Keysをきちんと利用することはほぼ不可能です。 Forsgrenらは徹底した研究の結果として4つのメトリクス(指標)を見出すのですが、その裏には彼女らの沢山の思いが詰まっています。その思いや彼女らの思考を理解し、彼女らの考えをきちんとトレースして始めて、Four Keysは意味を持ちます。 そして『LeanとDe

                  『LeanとDevOpsの科学』をきちんと解読する 〜Four Keys だけじゃ絶対もったいなくなる話〜
                • 現代のソフトウェア工学を示す「継続的デリバリーのソフトウェア工学」 - Shin x Blog

                  年末年始に「継続的デリバリーのソフトウェア工学」を読みました。新年を迎えて、気分を一新して開発を始めるのに良い本でした。 ソフトウェア開発に役立つプラクティスを示した本 学びのエキスパート 複雑さ管理のエキスパート 実践的なツール データに基づく指標 ソースコードに限らずに広く適用 ソフトウェア開発者としての矜持 TDD あちら側とこちら側 「継続的デリバリー」は 1 要素 さいごに ソフトウェア開発に役立つプラクティスを示した本 ソフトウェア工学とは、ソフトウェアの実際的な問題に対する効率的、経済的な解を見つけるための経験的、科学的アプローチの応用のことである。 1.2 「ソフトウェア工学と何か」 本書では、ソフトウェア開発の現場で役立つプラクティスを、ソフトウェア工学としてまとめています。ここでいう科学的アプローチとは、「特徴づけ」「仮説の定立」「予測」「実験」という形で思考を組み立て

                    現代のソフトウェア工学を示す「継続的デリバリーのソフトウェア工学」 - Shin x Blog
                  • アルゴリズム分析で「売れる本」量産、83億円調達のAI出版社日本上陸へ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

                    Inkitt(インキット)はアマチュア作家が小説を投稿、公開できる無料プラットフォームを提供するスタートアップだ。同社はInkittに掲載された小説の「読者による読まれ方」をアルゴリズム分析し、「ヒットセラーになりそうな」小説を選択、別に運営する有料アプリ「Galatea(ガラテア)」で正式に公開するというシステムに乗せて刊行物を次々に世に問うている。また、ストーリー展開のABテストをして読者の反応をみる、といったAI編集機能も実装している。 「ハリー・ポッター」の刊行、出版社13社が断った つまりInkittは、読まれる小説の卵のデータを「読者から」収集、データ解析、選別したのち、有償で販売する、という、古い出版業界の度肝を抜くような新規のビジネスモデルで大成功している出版社なのだ。 同社のコミュニティにはこれまでに少なくとも、700万人の読者と30万人の作家が参加している。また、コロナ

                      アルゴリズム分析で「売れる本」量産、83億円調達のAI出版社日本上陸へ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
                    • 2023年、読んで印象に残った本 - Don't Repeat Yourself

                      あけましておめでとうございます。年がもう明けてしまいましたが、2023年に読んでよかった本について簡単に書いていこうと思います。noteで書いていましたが、こちらのブログをしっかり使わないといろいろもったいなと思ったので、技術に関係ない話題ではありますがこちらに書いていきます。 技術書 単体テストの考え方/使い方 フロントエンド開発のためのセキュリティ入門 知らなかったでは済まされない脆弱性対策の必須知識 プロを目指す人のためのTypeScript入門 安全なコードの書き方から高度な型の使い方まで 技術書でないもの サピエンス減少 縮減する未来の課題を探る ネガティヴ・ケイパビリティで生きる 2050年の世界 見えない未来の考え方 訂正可能性の哲学 GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた ドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ 2024

                        2023年、読んで印象に残った本 - Don't Repeat Yourself
                      • 書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など

                        「社会正義」はいつも正しい: 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン・プラックローズ,ジェームズ・リンゼイ,Helen Pluckrose,James Lindsay早川書房Amazon 本書はアメリカのアカデミアで吹き荒れる行き過ぎたポリコレ,アイデンティティ・ポリティクス,社会正義運動,キャンセルカルチャーがどのような思想的な流れの上に発生したものか,代表的な議論はどのようなものか,そしてこれに対抗するにはどうすればいいのかを語る本になる.著者たちはこれらの運動の基礎にあるのは1970年代に一世を風靡し,その後その非生産性とシニカルさから衰退していったと思われていたポストモダニズムにあるのだと喝破し,詳しく解説してくれている.著者は第2のソーカル事件(不満スタディーズ事件)の首謀者でもある数学者のジェームズ・リンゼイと評論家のヘレン・プラックローズ.原題

                          書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など
                        • 推しのために英語勉強したら英検1級に合格した - まるまるこふこふ

                          ※ 画像は Hololive 公式サイトからお借りしました。 Gawr Gura ちゃんかわいいですよね。 Gawr Gura ちゃんは Hololive の VTuber の一人です。英語圏向けのVTuberグループ Hololive EN に所属していて、英語でゲームを実況したりしています。 デビュー当初からずっと追っています。しかし残念なことは、英語を喋るので、何を言ってるのか聞き取れないことです。 英語の勉強に取り組み始めたきっかけは「Gawr Gura ちゃんの言うことを理解したいから」でした。 学習開始時の英語力 英検2級 TOEIC 545 これまで英語は学生時代の受験のタイミングでしか、取り組んだことはありませんでした。また決して得意だったというわけではありませんでした。 確か就職活動時にTOEICを受けたことがあります。ちょこっと過去問対策をした上で受験して、たしかスコア

                            推しのために英語勉強したら英検1級に合格した - まるまるこふこふ
                          • ゲームの「作業感」をどう軽減するか? 『Fortnite』開発者が語る、ゲームUXのフレームワーク

                            2020年3月28日、NPO法人国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)主催の特別ウェビナー「『Fortnite』のユーザーエクスペリエンス」が開かれました。講演者は、世界的ヒットゲーム『Fortnite』のUXディレクターで、書籍『ゲーマーズブレイン UXと神経科学におけるゲームデザインの原則』の著者としても知られるセリア・ホデント氏。自身が携わった『Fortnite』開発時の事例を中心に、ゲームのUXデザインや人間の脳のしくみについて解説しました。 ※この記事はIGDA日本に許可をいただき、ログミーTechが独自に編集したものです。内容についての責任は弊メディアにあります。 『Fortnite』のUXのフレームワーク セリア・ホデント氏(以下、セリア):では次に、『Fortnite』のチーム内で使っていた、ゲームUXのフレームワークをちょっと紹介したいと思います。 ゲームのUXは基本的

                              ゲームの「作業感」をどう軽減するか? 『Fortnite』開発者が語る、ゲームUXのフレームワーク
                            • デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」|designing

                              デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」 イノベーションを促進する方法として、2000年代のビジネス界に瞬く間に広まった「デザイン思考」。しかし、そのなかで「デザインは問題を解決するためのもの」という誤った意識が強まってしまったと、あるデザイナーは警告する。 2023.06.01 アップルの台頭とともに高まった企業のデザインへの関心。 その流れを追い風に広まったのが「デザイン思考」ではないだろうか。 しかし、そのなかで「デザインはアップルの成功を追随させてくれるもの」「デザイナーは問題を解決する人」という認識も強まってしまい、デザイナーの役割を窮屈にしててしまった——ノースカロライナ州立大学グラフィックデザイン学科助教授で、自身もデザイナーのジャレット・フラーは言う。 では、デザイナーの真の力を発揮するためにもつべきマインドセットとは何か? フラーはスウェーデン政府イノベーシ

                                デザイン思考が生んだ、問題解決というデザインの「誤解」|designing
                              • 【論説】そろそろ本気でVTuberの話をしないか? - 0と1の間でティータイム

                                こんにちは。ミカグラです。 自粛期間が続いてstay homeを余儀なくされる今、すっかり私はバーチャルユーチューバー、VTuberにハマってしまいました。 2, 3年前にもVTuberを追っていた時期があって(当時は電脳少女シロの追っかけをしていました)、現在のVTuberはそのころのものとはかなり違う印象を受けました。 そこで今回は、現在爆発的に人気を博しているVTuberというカルチャーについて、黎明期のVTuber、さらにインターネットにかつて存在した「ニコ生」といった生配信文化との相違について論じ、そこから現在のVTuberの人気の理由を探っていきます。 結構気合を入れて書きましたので、かなり重たい文章となっています。最後までお読みいただけるとありがたいです。 1 現在のVTuberについての概観 1.1 新時代の「令和VTuber」 1.2 簡単な箱紹介 1.3 「VTuber

                                  【論説】そろそろ本気でVTuberの話をしないか? - 0と1の間でティータイム
                                • 書評 「進化が同性愛を用意した」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                  進化が同性愛を用意した: ジェンダーの生物学 作者:坂口 菊恵創元社Amazon 本書は進化心理学者坂口菊恵による同性愛を扱った一冊.坂口は進化心理学的に性淘汰産物としてのヒトの行動性差,個人差について探究し,その後その至近要因にも踏み込んで内分泌行動の研究も行ってきた研究者だ.単著としてはナンパや痴漢のされやすさの個人差に関する「ナンパを科学する」に続く2冊目ということになる. 本書は同性愛を科学的に考察するものだが,まず同性愛行動そのものが複雑で多層的な側面を持つこと,またラディカルなフェミニズムや社会正義運動の吹き荒れる昨今,同性愛はなかなか社会的に微妙なテーマとなっていること,さらに(環境要因として)同性愛の社会史や文化史まで視野に入れていることから,かなり複雑で込み入った構成となっている. Part 1 同性愛でいっぱいの地球 第1章では動物界に同性愛行動がありふれていることが強

                                    書評 「進化が同性愛を用意した」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                  • 脳は「美」にどう反応しているのか?

                                    有史以来、人類は美しい物にひかれ、美を追求することに情熱を傾けてきました。しかし、人間がどのように「美」を感じているかについては、現代の最新科学でもほとんど分かっていません。アメリカの科学誌Scientific Americanが、「人間の脳が美しさを捉えるメカニズムはどこまで解明されているのか?」を解説しています。 Seeking the “Beauty Center” in the Brain: A Meta-Analysis of fMRI Studies of Beautiful Human Faces and Visual Art | SpringerLink https://link.springer.com/article/10.3758/s13415-020-00827-z How the Brain Responds to Beauty - Scientific Amer

                                      脳は「美」にどう反応しているのか?
                                    • 「お金持ちだからではない」頭のいい子が育つ家庭に共通する"幼児期のある習慣" 英才教育よりも確実な科学的手法

                                      「頭のいい子」に育てるにはどうすればいいのか。幼児向け科学絵本『ロケットかがく for babies』の翻訳を手掛けた、NASAジェット推進研究所技術者の小野雅裕さんは「科学的に証明された最も効果的な教育法がある。ポイントは、子供に向けて話しかけられた『言葉の量』だ」という――。 子どもの頭の良さは「親の経済力」だけで決まるのか 1989年にネイチャー誌に掲載された、親の経済力と子どもの知能の関係を示した興味深い研究がある[1]。 38人の養子として育った子どもを次の4グループに分類し、16歳になった時点でIQを比較した。被験者に養子を選んだ理由は生まれと育ちの影響を分離して検証できるからだ。 ① 低い社会的・経済的ステータス(SES)の家庭に生まれ、低SES家庭の養子になった子(n=10:nはサンプル数) ② 低SES家庭に生まれ、高SES家庭の養子になった子(n=10) ③ 高SES家

                                        「お金持ちだからではない」頭のいい子が育つ家庭に共通する"幼児期のある習慣" 英才教育よりも確実な科学的手法
                                      • 単純化した構造で歴史を語る危うさ『グローバル・ヒストリー』

                                        「開国」という言葉に違和感がある。 なぜなら、江戸時代は鎖国をしていたというが、オランダや中国、朝鮮や琉球、アイヌと交易を行っていたからだ。近代化に向けた啓蒙のニュアンスを感じるからだ。 確かに、鎖国方針の停止は大きな転換点だ。しかし、普通にあった西洋以外との交易を無視して、欧米との交易開始を、「国を開く」と強調することにもやっとしている。 ドイツの歴史学者・ゼバスティアン・コンラートによると、この「開国」というレトリックは、日本だけでなく、中国、朝鮮にも適用されているという。西洋以外とのつながりを無視し、欧米との関係の開始を際立たせるために用いられる表現になる。 コンラートは同様に、「国民」「革命」「社会」といった概念に注意を向ける。あまりに馴染んでしまっているので普通に見えるが、これらは、ヨーロッパの局地的な経験を、普遍的な理論として他の地域に押し付けるための用語になるという。 ヨーロ

                                          単純化した構造で歴史を語る危うさ『グローバル・ヒストリー』
                                        • スクラム実践者が知るべき97のこと

                                          アジャイル開発手法のなかで最もよく使われる手法の1つがスクラムだ。スクラムは、複雑な問題に取り組むためのシンプルなフレームワークであり、シンプルであるがゆえに実践には要所を押さえるスキルが必要になる。 本書は、世界中で活躍するスクラム専門家が自らの経験と知見に基づいて執筆したエッセイ集である。スクラム適用の戦略、スクラムで進める上での戦術やパターン、さまざまな職種のコラボレーション、組織への影響などについて幅広い視点で紹介する。 日本語版では、及部 敬雄、小林 恭平(kyon_mm)、高橋 一貴、長沢 智治、平鍋 健児、安井 力(やっとむ)、和田 卓人、永瀬 美穂、原田 騎郎、吉羽 龍太郎による10本の書下ろしを収録。 訳者まえがき はじめに 第Ⅰ部 始め、適応、繰り返し 01 スクラムについて誰も教えてくれない5つのこと マーク・ロフラー 02 プラクティスよりマインドセットが重要 ギル

                                            スクラム実践者が知るべき97のこと
                                          • 科学としての歴史 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

                                            過去の出来事を科学的に分析することで、未来を予想できるとする「歴史動態学」が登場した。既存の歴史学者は懐疑的だが、このアプローチは興味深い。 SOURCE:REF.1 「歴史は繰り返す」という格言は、時に真実であるように思われる。例えば米国では、1861~65年の南北戦争後に民族間・階級間の反目による暴力事件が都市部で急増し、それが全米に広がって、1870年頃にピークに達した。国内騒乱が次に増加したのは1920年頃で、人種的反感による暴動、労働者のストライキ、反共感情の高まりなどにより、多くの人が近いうちに革命が起こるかもしれないと思った。米国社会は1970年頃にも不穏な状態に陥り、激しい学生デモ、政治的暗殺、暴動、テロが頻発した(『暴力の周期』参照)。 コネチカット大学(米国ストーズ)で個体群動態学の研究をしているPeter Turchinは、米国の政情の不安定さがピークに達した3つの時

                                              科学としての歴史 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio
                                            • 麻酔で意識が落ちる時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 - 基本読書

                                              意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか 作者:ヘンリー・ジェイ・プリスビロー出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/12/18メディア: 単行本歴史の本、特に最悪の医療の歴史などを読んでいると、あ〜現代に生まれてきてよかったなあと、身の回りに当たり前に存在する設備や技術に感謝することが多い。昔は治せなかった病気が今では治せるケースも多いし、瀉血やロボトミー手術など、痛みや苦しみを与えるだけで一切の効果のなかった治療も、科学的手法によって見分けることができるようになってきた。 だが、そうした幾つもの医療の進歩の中で最もありがたいもののひとつは、麻酔の存在ではないか。正直、麻酔のない世界には生まれたくない。切ったり潰したりするときに意識があるなんてゾッとする。そのわりに、患者に麻酔を施す麻酔科医の仕事は光が当たりづらい分野である。何しろ実際に手術や治療を担当す

                                                麻酔で意識が落ちる時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 - 基本読書
                                              • 医学の発展に貢献したにもかかわらず、歴史から抹消されてしまった人々を掘り起こす──『帝国の疫病 - 植民地主義、奴隷制度、戦争は医学をどう変えたか』 - 基本読書

                                                帝国の疫病――植民地主義、奴隷制度、戦争は医学をどう変えたか みすず書房Amazon「疫病(えきびょう)」とは、集団発生する伝染病などのことを指す。少し前ではコレラや赤痢。最近ではコロナウイルスなどのような病のことである。同様の病は昔からあったが大きな問題になるようになったのは多文化がより頻繁に交錯するようになったこの数百年のことで、疫病の広がりと共に疫学もまた発展を遂げてきた。 本書は主に疫病に対抗する疫学がどう発展してきたのかの歴史をたどるわけだが、そこからさらに踏み込んで「疫学の発展に大きな貢献を果たしてきたにもかかわらず、これまで歴史からその存在を抹消されてきた人たち」に光を当てた一冊である。どういうことかといえば、1700年〜800年代はまだまだ観測技術や遺伝子についての理解も進んでいなかったから、医学の理論や検証のために用いられてきた主な手段は現場を観察し法則を見つけたり検証を

                                                  医学の発展に貢献したにもかかわらず、歴史から抹消されてしまった人々を掘り起こす──『帝国の疫病 - 植民地主義、奴隷制度、戦争は医学をどう変えたか』 - 基本読書
                                                • 「ダークマターは存在しない」と研究者が主張する理由とは?

                                                  ダークマター(暗黒物質)は天文学の現象を説明するために提唱された物質であり、光学的に観測できないという特性もあって依然として「謎の物質」とされています。近年の科学会ではダークマターの存在を前提とした宇宙理論が主流ですが、中にはダークマターの存在を支持していない研究者も存在しており、ドイツ・ボン大学の天体物理学者であるPavel Kroupa教授が「ダークマターは存在しないと主張する理由」について解説しています。 Dark Matter Doesn't Exist | Pavel Kroupa » IAI TV https://iai.tv/articles/dark-matter-doesnt-exist-auid-2180 ダークマターとは、「観測可能な物質だけでは銀河を形成するのに十分な重力を得られない」という研究結果を基に、1933年にスイスの天文学者であるフリッツ・ツビッキーが提唱

                                                    「ダークマターは存在しない」と研究者が主張する理由とは?
                                                  • 科学的根拠とは、科学的根拠に基づく認識とは何か。科学的根拠がないと指摘された空気を読む現象を例にして:自然科学における科学的根拠と、人文・社会科学 ~観察・実験・再現性から仮説、反証可能性、そして抽出された法則の数学化という自然科学と、未だ数学化にムラがあるも問題解決へと向かう人文・社会科学 - 日々是〆〆吟味

                                                    空気を読むことの科学的根拠 〜自然科学における科学的根拠と、人文・社会科学 丸山眞男の世界的評価 科学的根拠とはどのようなものだろうか 科学的根拠その1 〜観察・実験・再現性、そして仮説と法則 自然科学的手法の人文・社会科学への適用と挫折 科学的根拠その2 〜反証可能性 丸山眞男の分析と実証性 学界における払い落とし 蓄積されたデータと理論化 まとめ 気になったら読んで欲しい本 丸山眞男『現代政治の思想と行動』 丸山眞男『超国家主義の論理と心理』 『わたしの知的生産の技術』 メンデル『雑種植物の研究』 ベルナール『実験医学序説』 ポパー『科学的発見の論理』 平岩正樹『がんで死ぬのはもったいない』 理論と概念の本4冊 応用の本5冊 続きのお話 元となるお話 https://www.waka-rukana.com/entry/2019/11/19/190011 以前沢尻エリカについて書いてみま

                                                      科学的根拠とは、科学的根拠に基づく認識とは何か。科学的根拠がないと指摘された空気を読む現象を例にして:自然科学における科学的根拠と、人文・社会科学 ~観察・実験・再現性から仮説、反証可能性、そして抽出された法則の数学化という自然科学と、未だ数学化にムラがあるも問題解決へと向かう人文・社会科学 - 日々是〆〆吟味
                                                    • 在宅勤務にありがちな「なまけ心」に打ち勝つ10の科学的手法

                                                      在宅勤務をしているとついついなまけ心が顔をのぞかせるものだ。 なまけ心に打ち勝つのは大変なことだが、それを乗り越え、生産性を上げるための手法はある。 研究者によると、10分間のアラームをかけたり、環境を変えたりするのが効果的だという。 多忙なスケジュールのなかでも、適宜休憩を入れるのは良いことだし、ときには必要なことでさえある。 それでも、日中こなした仕事に満足いっていないのなら、休憩以外に生産性を上げるための方策を何か考えるべきタイミングなのかもしれない。 在宅勤務中に集中力を長時間維持するのは簡単なことではない。企業ランキングサイト「ベストカンパニー・ドットコム」でブログ運営を担当するリンゼイ・マークスは、自宅からPCにログインするとだらけやすいと語る。 「自宅で働いていると、子どもやペット、洗濯などの家事……邪魔が入る要素がたくさんあります。それと同時に、在宅勤務はなまけ心が起こりや

                                                        在宅勤務にありがちな「なまけ心」に打ち勝つ10の科学的手法
                                                      • 書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                        The Parasitic Mind: How Infectious Ideas Are Killing Common Sense 作者:Saad, GadRegnery PublishingAmazon 本書は進化心理学者ガッド・サードによる一冊.ガッド・サードは消費者心理やマーケティングを進化心理学的に分析考察する業績で知られている.題名は「寄生性の心:どのように感染性のアイデアが常識を殺すのか」という意味であり,一見したところミーム論の本のように見える(私としては進化心理学者の書いたミーム論だと思って手にした一冊になる).しかし実際に読んで見るとこれは現在アメリカのアカデミアで一大勢力を振るうウォークプログレシブによるキャンセルカルチャー告発の書であった.アカデミアのキャンセルカルチャーの問題を扱った心理学者がかかわった本としては以前にルキアノフとハイトの「The Coddling

                                                          書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                        • 全卓樹「ピーター・ターチンの数理的歴史学」――『不和の時代(仮)』(ピーター・ターチン著、青野浩ほか訳、今秋刊行予定)に寄せて|晶文社

                                                          全卓樹「ピーター・ターチンの数理的歴史学」――『不和の時代(仮)』(ピーター・ターチン著、青野浩ほか訳、今秋刊行予定)に寄せて ただいま晶文社では、コネチカット大学教授ピーター・ターチン氏の著書『不和の時代(仮)』日本語版の刊行準備を進めています(2022年秋刊行予定)。 ターチン教授は、理論生物学者として研究をはじめましたが、近年では歴史動態を数学的にモデル化する学際領域で注目を浴びている複雑性(複雑系)科学者です。 『不和の時代(仮)』は、その彼が数理的歴史学の手法によってアメリカ史を大胆に解読した一冊です。2020年代アメリカにおける騒乱状況を正確に予言した著作として大きな話題を呼びました(原著刊行は2016年)。 本書は、人文・社会科学の刷新を予感させるだけでなく、人類が平和な未来を築くためにも重要な意義をもちうる仕事ですが、多くの人にとってきわめて難解であることも事実です。 そこ

                                                            全卓樹「ピーター・ターチンの数理的歴史学」――『不和の時代(仮)』(ピーター・ターチン著、青野浩ほか訳、今秋刊行予定)に寄せて|晶文社
                                                          • 「日本はUFOのホットスポットだ」アメリカ国防総省がまじめに指摘 日本政府はどう考えている?「想定外」を議論する必要性 | 47NEWS

                                                            今年8月、アメリカ国防総省のある部署が開設したウェブサイトに、衝撃的な情報が掲載された。 ひと言で言えば、「日本は『未確認異常現象』(UAP)報告のホットスポット」だというのだ。 UAPとは、ごく簡単に言い換えれば未確認飛行物体いわゆる「UFO」などの総称。つまり「日本はUFOの目撃例が多い」に等しい。正直言って驚いた。私はUFOに遭遇した経験など一度もなく、存在すら信じてこなかった。ただ、アメリカの政府機関が真面目に公表した情報だと考えると、軽々しく「まゆつばだ」と切り捨てるのもどうかと思った。 もやもやしながら考え始めると、次々に疑問が浮かぶ。なぜ日本なのか?UFOが飛来しているのなら、日本政府は今までどう対応していたのか?同盟国のアメリカ政府の報告を、政府はどう受け止めているのか? そこでUFOを巡る国内事情や、政府対応などを調べてみた。すると、アメリカ軍が識別不能な物体を実際に撮影

                                                              「日本はUFOのホットスポットだ」アメリカ国防総省がまじめに指摘 日本政府はどう考えている?「想定外」を議論する必要性 | 47NEWS
                                                            • 政治や科学者の分断がもたらす新型コロナウイルス禍の拡大—イタリアはなぜ混乱しているのか - 山猫日記

                                                              本日は、新型コロナウイルスをめぐる内外の状況についての政治的な分析をアップします。(*以下の記事の前半部分は、2020年3月11日付の三浦瑠麗の公式メールマガジン「自分で考えるための政治の話」より抜粋、編集したものです。) 各国でのポピュリズム衝動の強化 今般の新型コロナウイルスをめぐる状況は非常に深刻です。ここ数日、特に世界経済の中心であるニューヨーク市場に危機感が広がったことによって深刻度は急速に高まっています。2001年の9.11危機、2008年の金融危機に匹敵するような経済的、地政学的な危機になる可能性があるということです。ただし、それは、今般の伝染病が直接的にそれだけの危機であるという意味では必ずしもありません。むしろ、ウイルスをめぐる各国内の対応及び国際的な反応によって危機が増幅されていると考えています。 第一の問題は、各国の反応が非常に情緒的であり、自国中心主義的な発想や排外

                                                                政治や科学者の分断がもたらす新型コロナウイルス禍の拡大—イタリアはなぜ混乱しているのか - 山猫日記
                                                              • ビッグデータ時代の文学研究に何ができるのか?/Ted Underwood 『遠い地平線』序文「文学の地平線の弧」和訳 - digitalnagasakiのブログ

                                                                3/15(金)、一橋講堂(千代田区一ツ橋)にて、DHの国際シンポジウム「ビッグデータ時代の文学研究と研究基盤」が開催されます。そこで基調講演をしてくださるTed Underwood先生は、ビッグデータ時代の文学研究に正面から取り組む英文学者として活躍しておられ、2019年、その成果として「Distant Horizons: Digital Evidence and Literary Change」をシカゴ大学出版局から刊行されました。この本の序文は、大変興味深いものであり、膨大なデジタルテキストをにどのように取り組めばよいのか、そして、それによって、人がただ読むだけではうまく見えてこなかった文学の様々な側面、特に文学史やジャンルがどのようにして見えるようになるのか、ということについて、ラディカルな議論と一つの解決の方向性を提示しておられます。本の全体としてはその具体的な方法も示されています

                                                                  ビッグデータ時代の文学研究に何ができるのか?/Ted Underwood 『遠い地平線』序文「文学の地平線の弧」和訳 - digitalnagasakiのブログ
                                                                • 「完全なリサイクルはできない」というリチウムイオン電池のリサイクル事業に新興企業が続々と参入している

                                                                  スマートフォンやノートPCなど身近な電子機器の多くに内蔵されているリチウムイオン電池ですが、従来の方法ではリサイクルや廃棄処理に高いコストがかかり、内包されている有用な物質をすべて回収できないという欠点が存在します。そんなリチウムイオン電池のリサイクル事業に新しい手法で携わろうとする企業が続々と誕生していることが、クリーンエネルギー問題を取り上げるメディア「Canary Media」により伝えられています。 EV battery recycling is costly. These five startups… | Canary Media https://www.canarymedia.com/articles/electric-vehicles/ev-battery-recycling-is-costly-these-five-startups-could-change-that 小型

                                                                    「完全なリサイクルはできない」というリチウムイオン電池のリサイクル事業に新興企業が続々と参入している
                                                                  • ノア・スミス「3度目の魔法――歴史・科学・人工知能」(2023年1月1日)

                                                                    歴史・科学・AIについて思い巡らせてみると 今回の記事は,8年前に書いた記事を書き直したものだ.大きなテーマで,当時はまだ考えがまとまってなかった.書き上がった文章に,我ながらひどく不満だったけれど,ほんのいくつかながらも面白い考えの萌芽なら含まれていると思っていた.そこで,いまあらためて再挑戦することにした.今回も,きっとうまくいかないと思う.それでも,挑戦してみてなにか面白い考えがまたひとつでてきてくれたらいいなと思ってる. 人類の生活水準は,他の動物たちにくらべてはるかに上等だ.その差はどこから来たんだろう.多くの人は,こんな風に答える―― 「知能がずっと高いことに理由があるんだよ」 「人間の方が言語によるコミュニケーション能力が高いおかげだ」 そういう長所が根底にあることの重要さを過小評価することなく,ぼくとしてはこんな考えを提案したい.「ぼくらの物質的な成功は,その大半が2つの大

                                                                      ノア・スミス「3度目の魔法――歴史・科学・人工知能」(2023年1月1日)
                                                                    • グレーム・ウッド「この先の10年はさらに悪くなるかもしれない:ある歴史学者は『社会の興亡を予測する鉄則』を発見したと信じてる。彼は、悪い知らせを携えている:ピーター・ターチンとは何者か?」(アトランティ|WARE_bluefield

                                                                      グレーム・ウッド「この先の10年はさらに悪くなるかもしれない:ある歴史学者は『社会の興亡を予測する鉄則』を発見したと信じてる。彼は、悪い知らせを携えている:ピーター・ターチンとは何者か?」(アトランティック誌2020年12月号):要約&意訳 〔本エントリは、アメリカの著名な雑誌『アトランティック』に掲載された、ピーター・ターチンの取材記事の意訳・要約である。重要な部分はなるべく拾って文章化しているが、あくまでも意訳・要約であることを留意した上で読んでいただけると幸いである。 なお、この記事に関して、ターチン本人は、自分の研究を紹介してくれたことに感謝を示しつつも、「自分は預言者と呼称したことはなく、予言を行ったこともない」「私は歴史学者を敵視していない」等々の理由から困惑を示している。〕 The Next Decade Could Be Even Worse A historian bel

                                                                        グレーム・ウッド「この先の10年はさらに悪くなるかもしれない:ある歴史学者は『社会の興亡を予測する鉄則』を発見したと信じてる。彼は、悪い知らせを携えている:ピーター・ターチンとは何者か?」(アトランティ|WARE_bluefield
                                                                      • 「人間の心」をめぐる新たな安全保障――進化政治学の視点から/伊藤隆太 - SYNODOS

                                                                        国際政治学ではこれまで、人間観をめぐり三つの立場が論争を繰り広げてきた。リアリズム、リベラリズム、コンストラクティヴィズムだ。リアリズムによれば、人間は利己的で権力政治に従事する。リベラリズムによれば、人間は社会的でアナーキーの下でも協調ができる。コンストラクティヴィズムによれば、人間の心は空白の石板(blank slate)なので、社会的相互作用を通じてアクターのアイデンティティは変えられる。 こうした国際政治学のパラダイム論争に対して、近年、自然科学の進展を受けて、戦争とは人間の本性(human nature)に根差したものであるという、トマス・ホッブズ(Thomas Hobbes)、ハンス・モーゲンソー(Hans Joachim Morgenthau)をはじめとした政治的現実主義の洞察がふたたび脚光を浴びている(注1)。こうした研究潮流は進化政治学(evolutionary poli

                                                                          「人間の心」をめぐる新たな安全保障――進化政治学の視点から/伊藤隆太 - SYNODOS
                                                                        • 寿命を延ばす上で有望な「5つの科学的手法」とは?

                                                                          多くの人々が「長生きしたい」という願いを持っており、長寿に関連して「人間は130歳まで生きられる」「どこに住んでいるのかが寿命に影響する」「人生に目的を持つ人は長生きしやすい」といった科学的知見も蓄積されています。イギリス・ブライトン大学のRichard Faragher教授らが解説する「寿命を延ばす上で有望な5つの科学的手法」には、一般人が今日から実践できるものも含まれています。 Life extension: the five most promising methods – so far https://theconversation.com/life-extension-the-five-most-promising-methods-so-far-169881 ◆1:栄養とライフスタイルの改善 「健康的な食生活を送る」というアドバイスは至る所で目にするかもしれませんが、実際に大規模

                                                                            寿命を延ばす上で有望な「5つの科学的手法」とは?
                                                                          • 日本男子4×100mリレーチーム敗退の理由はこれ - 幸せなことだけをして生きていきたい

                                                                            スポーツに科学的手法が導入され、とてつもない記録が生まれ続けています。 大谷くんもそうだし、これらもそう yoshimor.hatenadiary.jp yoshimor.hatenadiary.jp そして今回のドキュメンタリーはスポーツファン必見です。 BS1スペシャル「陸上短距離革命~イタリア 金メダルの秘密を探る~」 再放送 NHK BS1 1月18日(火)午後9:00~ www.nhk.jp 日本男子4×100mリレーチーム は 2016年 リオ五輪 銀メダル 2017年 ロンドン世界選手権 銅メダル 2019年 ドーハ世界選手権 銅メダル と個々の総力からすれば素晴らしい成績でした。 しかし東京オリンピックではバトンミスで敗退しました。 これは この競技のキモはバトンパスにある。 ということに日本チームが先に気が付き、その後、世界中が日本チームから学んだからです。 世界中が日本

                                                                              日本男子4×100mリレーチーム敗退の理由はこれ - 幸せなことだけをして生きていきたい
                                                                            • 冤罪被害女性のTシャツ、裁判所「着ないで」要請 「団体名が書かれているだけなのに」|社会|地域のニュース|京都新聞

                                                                              滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡り、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(43)=同県彦根市=が国と滋賀県に損害賠償を求めた訴訟で、6月に開かれた口頭弁論の際に西山さんが着ていたTシャツに対し、大津地裁が「メッセージ性がある」として着用しないよう求めていたことが24日、分かった。西山さんの弁護団は25日にも地裁に抗議する文書を提出する方針。 西山さんが着ていたのは、DNA鑑定など科学的手法によって冤罪(えんざい)の救済・検証に取り組む民間組織「イノセンス・プロジェクト・ジャパン(IPJ)」(京都市北区)の名前が書かれたTシャツ。「イノセンス―」の英字表記以外に文字は書かれていない。 弁護団によると、6月22日の弁論の後、訴訟の窓口を担当する弁護士事務所に、地裁の書記官から、Tシャツを着用しないことを求める連絡があった。地裁によると、最高裁が定める庁舎管理規定を根拠とし、「着

                                                                                冤罪被害女性のTシャツ、裁判所「着ないで」要請 「団体名が書かれているだけなのに」|社会|地域のニュース|京都新聞
                                                                              • 意識研究の思想地図2020 β版|Daichi G. Suzuki

                                                                                存在論的還元の軸 存在論的還元とは、「この世界の実在物は、もっぱら物理学で扱われる存在(究極的には素粒子と基本相互作用)だけだよ」「生命力とか、精神力とか、そんなものは究極的には実在しない——そのような力があるように見えても、結局は物理学で扱われる存在に落とし込める」という考え方である(列C)。唯物論と言ってもいい。 (※ なお、「存在論」という言葉には少し注意が必要。ここでは「世界がどのような存在者から成り立っているのか」という意味で使われている。別の用法として、「存在者をどのような観点から見るか」という意味で「存在論」が使われる場合もある) これに対して存在論的還元を否定する立場を採る論者は、生命力や霊魂を、世界の根源的な要素として(物理学で扱われる存在以外に)認めようとする(列A)。あるいはプラトンのイデア論のように、心の作用のみを認め、物質世界は仮象に過ぎないとする立場(唯心論)も

                                                                                  意識研究の思想地図2020 β版|Daichi G. Suzuki
                                                                                • 8月31日まで!「妖怪博士」が待っている?「没後100年展」と「哲学堂公園」へGO! - 国分坂ブログ

                                                                                  みなさん!こんにちは~!国分坂です~! なんだか、急に秋の訪れを感じるこの頃ですが、みなさん如何お過ごしでしょうか? ところでみなさん、「井上円了没後100年展」には、もう行かれましたよね? ・・・え!・・え~っ!! まだ行っていない!? えっ!行くつもりもない!? ・・なんとっ!なんですと!! そもそも、「井上円了ってだれ~?」というお声すら聞こえてきそうですね。 「井上陽水さん」のお父さんではありませんよ。 かの「妖怪博士」、井上円了(いのうえ えんりょう)博士でございます。 私が「世界で尊敬する人物ベスト50」の一人に入るご仁です。 ときに「妖怪バスター」とも謳われた人物です。 薄暗き明治の代に光明をあて、蒙昧な闇を払拭し、巷にはびこる妖怪・幽霊を駆逐していった人物です。 しかし、おそらくは誰よりも妖怪・幽霊を愛してやまず、真剣にこれらに向き合ったひとでもあるのです。 私の「怪異に対

                                                                                    8月31日まで!「妖怪博士」が待っている?「没後100年展」と「哲学堂公園」へGO! - 国分坂ブログ