本稿は”デジタル政策フォーラム”に掲載された筆者の2本のコラム(「インターネットガバナンスを巡る国際的議論」(2022年4月15日)及び「インターネットを巡る“国家主権”と”サイバー主権”」を統合・再整理したものです。 インターネットは時間と距離の制約を越え、我々の社会経済活動のあり方を大きく変えた。インターネットはもはや社会経済システムの基盤インフラであり、基盤インフラであるが故にその管理運用体制のあり方は国家の利益にも直結する。そして、基盤インフラとしてのインターネットの重要性は、我々が直近経験している2つの世界的危機-----COVID-19とウクライナ侵攻----の中で際立つものになった。こうした中、改めてインターネットの管理運用体制(狭義のインターネットガバナンス)はどうあるべきなのかという議論が急速な動きを見せている。 インターネットの発展と米国の関与 インターネットガバナンス