JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2003年に打ち上げ、2010年に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は、小惑星「イトカワ」から採取したサンプルを地球へ運ぶことに成功したことで知られています。アリゾナ大学のShaofan Che氏とThomas J. Zega氏の研究チームは、イトカワの元となった天体 (母天体) がかつて液体の水を含んでいたことを間接的に示す証拠を発見しました。 【▲ 図1: イトカワは一般的なタイプの小惑星であり、非常に乾燥していることで知られている。しかし今回の研究で、過去には豊富な水が含まれていることが明らかにされた(Credit: ISAS / JAXA)】イトカワは「S型小惑星」という非常に一般的なタイプの小惑星であり、地球に落下する隕石の67%はS型小惑星と同じタイプの岩石でできているとも言われています。 S型小惑星は、一言で表せば「カラカラに乾いた岩石」であり