Let's get physical(日曜日の朝から憂鬱な僕は人生の七分の一を損している) こちらのエントリを読んで、「ウィンナワルツで踊る、という社交空間は実在したのだろうか」ということをふと思った。「ウィンナワルツの王」として知られるヨハン・シュトラウス2世の例をとって、少し考えてみたい。 シュトラウス2世の生きた時代は1825年〜1899年。ベートーヴェンの晩年(彼は1827年没)には既にロマン派が始まっていた、とするならばシュトラウスは生涯をロマン派とともに過ごしたことになる(彼が時代が20世紀に突入する直前に亡くなったのはなんだか暗示的である)。 古典派とロマン派の時代で音楽家をとりまく環境は大きく変化する。まず、音楽家を経済的に支えていた基盤の部分。これが貴族(あるいは教会)から市民(ブルジョワ)へと変化する。ちょうどベートーヴェンはそういった変化の境目にいて、彼が若い頃は映画