貨幣のいたずら〜その多機能性が悲劇を生む 2008年3月14日 コメント: トラックバック (0) (これまでの 小島寛之の「環境と経済と幸福の関係」は こちら) 今、世界中で連鎖的な株の暴落が起きている。 発端は、サブプライムローンというアメリカの住宅ローンによって生じた住宅バブルとその崩壊といわれているが、それが投資、消費、貿易などのさまざまな部門にまで波及し、経済は世界規模の景気後退の入り口まで来ている、といっていいだろう。 このような金融を経由する不況や恐慌を分析した最も有名な研究が、ケインズ『一般理論』である。この理論のおおまかな解説は、「ケインズ理論は、やっぱり変だった。」に書いたので参照して欲しい。ケインズの不況理論の発想の中心は、「貨幣」である。おおまかにいうなら、「人が貨幣を保有することに執着し、モノを買わなくなるから、不況になる」ということだ。このことは、 「『不況の